弘前署の男性交番所長(46)=警部補=が青森市内で飲酒運転し、摘発されていた問題で、県警は12日、この所長を道交法違反(酒気帯び)容疑で青森地検に書類送検するとともに、同日付で懲戒免職処分とし、監督責任として、安田義明弘前署長ら上司4人も戒告などの処分とした。酒席に同席していた安田署長は「県民に深くおわびするとともに、今回の事案を重く受け止め、弘前署一丸となって再発防止に取り組む」とのコメントを出した。また、単独物損事故を起こし、申告が遅れるなどした、七戸署地域課の男性巡査部長(57)も停職1カ月の処分とした。

 今回の問題で、監督責任として処分を受けたのは、安田署長(戒告)、三浦年明同副署長(所属長注意)、山平純久同署地域官(同)、同署地域課長(本部長注意)。
 県警本部で会見した成田龍雄首席監察官によると、この交番所長は、先月30日午後6時から弘前署の鷹揚寮内で開かれた新人歓迎会に約30分遅れて出席。この歓迎会には安田署長、三浦副署長、山平地域官らも同席していた。交番所長は発泡酒1杯、焼酎水割り3杯、日本酒3杯など7杯以上の酒を飲んだという。
 歓迎会は午後9時20分ごろ終了。交番所長は後輩の官舎で宿泊する約束をしていたが、「インターネットカフェに泊まる」と後輩に話し、約30分後に車を運転。その後、「蛇行運転をしている車がある」との110番通報を受けていた青森署員が、午後10時47分に青森市石江の国道7号で交番所長を発見、摘発した。この際、酒気帯び運転の基準値の3倍近くのアルコールが検出されている。
 この所長は県警などの調べに対し「親族の見舞いのため、(酒を飲んでいたが)車で住んでいる青森市に向かった。ばかなことをした。後悔している」と話しているという。
 摘発から13日後の事実公表となったことについて、成田首席監察官は「警察官の事故だから隠そうとしたわけではない。捜査を尽くし、正確な情報を県民に伝えなければならないため時間を要した」と説明した。
 また、七戸署地域課の巡査部長が、昨年12月、東北町内で睡眠導入剤を過剰に摂取し、単独物損事故を起こした問題でも、県警は12日、この巡査部長を道交法違反(過労運転等の禁止、事故不申告)容疑で青森地検に書類送検したほか、停職1カ月の処分とした。
【写真説明】会見する成田首席監察官(12日午後4時ごろ、県警本部)