衆院予算委員会は3日午前、麻生太郎首相と全閣僚が出席して09年度予算案の基本的質疑を始めた。首相は、官僚OBが出身省庁の関係先に再就職する天下りと、天下りを繰り返す「渡り」について、中央省庁によるあっせんを年内で廃止する考えを示した。田野瀬良太郎氏(自民)への答弁。
首相は「各省庁のあっせんによる渡りと天下りは法律では3年以内の経過期間は認められている」と説明。そのうえで「各省庁の天下りのあっせんを3年を待たず、前倒しして廃止したい。これを明確にするため、渡りと天下りを今年いっぱいで廃止するための政令を作りたい」と述べた。
渡りについては、首相は1月29日の衆院本会議で自身の在任中は認めないと明言。2日の参院本会議では、渡りを拒否する方針を次の内閣でも引き継ぐことに期待感を表明していたが、この日は天下りのあっせんの廃止にまで踏み込んだ。【田中成之】
毎日新聞 2009年2月3日 12時17分(最終更新 2月3日 12時50分)