時々、韓国の料理文化の歴史は浅いと言って、韓国人を侮辱する日本人がいる。

全く、馬鹿げた話しだ。

確かに、現在普及している韓国料理の多くが、この100年間に激変したのは事実であるが、それは、日本料理でも、西欧料理でも事情は全く同じことである。

近代において、料理の手法に世界的な革命を齎したのは、冷蔵庫の発明だった。

19世紀に発明された冷蔵庫は、その後、多くの改良が施されて、家庭でも使用可能になるまでに、100年以上の歳月を要している。

冷蔵庫が、日本に最初に輸入されたのは、1923年。日本で国産品が販売されたのは、1930年だが、値段が高すぎて、全く普及しなかった。

日本で冷蔵庫が各家庭に普及したのは、高度成長期の1950年代。

日本の寿司が、これほど世界に普及したのも、冷蔵庫のお陰。

冷蔵庫があるからこそ、世界中で獲れた魚を日本に輸送して、食べることができるのである。

西欧の肉食の歴史は、腐敗との戦いの歴史である。

燻製や、塩漬けなど、様々な方法で肉を保存する技術が開発されたが、それでも、やがて肉は腐る。

多少腐った肉を、少しでも美味しく食べるために、香辛料を海外から輸入し、その貿易ルートの確立の為に、戦争を繰り返し、未知の海原を航海し、外国を侵略したのが人類の歴史である。

西欧は、長い肉食文化の歴史を持っているが、冷蔵庫の発明以前は、当然、庶民が肉や牛乳を常時摂取することは難しかった。

現在、世界で最も高い平均身長（約184センチ）を誇るのはオランダ人であるが、150年前のオランダ兵士の平均身長は、164センチである。

冷蔵庫の発明が、世界の食文化に革命的な影響を与えたのは明らかであり、それに伴い、世界の料理は劇的な変化を遂げ、動物性蛋白質の摂取量が激増し、人類の体型を急激に大型化したのである。（縦にも、横にも）

一部の日本人は、江戸時代以前の日本人が、肉をあまり摂取しなかった事実にコンプレックスを抱いているようで、必死に、肉を食べた歴史資料を探し出しだしては、誇りたがる。

馬鹿馬鹿しい。世間一般に普及できなかった事実は、覆らない。

明治時代以降、肉食が普及したと主張する日本人いる。

明治時代に、肉食が公然と始まった事実と、肉食が庶民に普及したか否かは、全く別。

冷蔵庫の無い明治時代に、どうやって、庶民が肉を食べれるのか？

20世紀は、世界的な料理革命の時代。

日本でも、韓国でも、欧米でも、食文化が劇的な変化を遂げたのです。

冷蔵庫の発明は、世界の料理の文化に衝撃的な出来事でした。

日韓どっちの先祖が、最初に肉を食べたか？

どっちが沢山、肉を食べたか？

そんなことを競うような、低劣なことで、優劣を競うべきではありませんね。