2月7日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専
務理事は7日、クアラルンプールでの会合で、先進国が既に「不況」に陥って
おり、銀行システムが修復されない限り、金融危機が一段と深刻化する恐れが
あるとの見解を明らかにした。
同専務理事は「最悪の事態を否定できない」と指摘し、「多くの下振れリク
がある」との認識を示した。また、世界的な景気刺激策は銀行システムへの信
頼感が回復されない限り、世界経済をリセッション(景気後退)から脱出させ
ることはないだろうと指摘した。オバマ政権の景気対策に関しては、正しいも
のだと語った。
また、同専務理事は各国が本格的な政府による介入を準備し、支払い不能
に陥った銀行を迅速に売却したり、清算すべきだと主張。欧州中央銀行(EC
B)については、一段の利下げ余地の可能性があるとしながらも、それはユー
ロ圏の銀行のリストラほど重要ではないかもしれないと指摘した。
同専務理事はアジア諸国に対しては、「より多くの景気刺激策の余地がなお
ある」と強調した。
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