現代の我々は、肉、魚の切り身を買って、調理するだけなので、食材が生き物であったことを、忘れてしまい易いものです。

 

 

 

 

 

 

 

だが、牛も、豚も、鳥も、魚も、生き物だったのです。生き物を美味しく食べるためには、残酷なことですが、その殺す技術が、とても重要に成るのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

釣りが好きな方は、良くご存知でしょう。

 

釣った魚を食べるなら、釣った直後、活け〆（IKEJIME）をする必要があります。

 

 

 

 

 

 

IKEJIMEとは、魚を即死させる技術です。

 

 

 

 

 

 

 

通常、魚の鰓から刀を刺して、背骨を切断する方法が、最も効果的に、魚を苦しめずに殺す方法です。

 

 

 

 

 

IKEJIMEをしないと、魚は悶え苦しんで死ぬ為、味が悪くなると言われています。

 

 

 

 

 

 

魚が苦しむと、何故、味が悪くなるのか？

 

 

 

 

 

 

科学的な根拠があるのかもしれませんが、私は見たことがありません。

 

 

 

 

 

人間は、生存する為に、他の生物を犠牲にしなければなりません。

 

だが、人間は、動物の命を奪うことに罪悪感を感じる為、極力、安楽死させようとします。

 

 

 

 

 

 

 

即死させないと、味が悪くなるという説明は、こうした人間の罪悪感の意思表示なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イスラム教では、宗教的に決められた方法で殺した動物の肉だけ食べる習慣があります。これをハラールと言います。

 

 

 

 

 

 

 

 

この殺す方法とは、動物の背後から、首の横を刺し、喉を切り裂く方法であり、イスラム教誕生当初、最も有効な安楽死の方法でした。

 

 

 

 

 

 

 

現代、近代国家では、牛などの哺乳動物を殺す場合、ピストルに似た道具で、もっと簡単に安楽死させるのですが、イスラム教徒が千年以上昔の安楽死の方法に拘る理由は、宗教の教義の硬直性が原因と思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兎に角、古今東西、現代においても、美味しい魚、肉を食べる重要な要素として、動物を苦しめずに殺す方法が、とても重要なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに、私は、釣った魚を、IKEJIMEしないで捌いて刺身にしたら、大好きな刺身が、全く食べられなくなった経験があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間が生存する為、他の動物を食べるという行為は、他の動物の生命を奪うことなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパーマーケットで食材の切り身を買っていると、この厳然たる事実を、忘れてしまい易いでしょうね。