韓国人は、醤油ゲジャンが、大好きです。

 

 

 

だが、醤油ゲジャンを食べた後、腹痛、下痢、嘔吐を患って、

 

入院する人が、時々、発生します。

 

 

 

 

 

 

 

原因は、腸炎ビブリオ菌（Vibrio parahaemolyticus）という名の細菌。

 

 

 　　　　　　腸炎ビブリオ菌

 

 

 

加熱しないゲジャンの場合、７２時間以上、醤油の中で熟成しないと、

 

この細菌に感染する可能性があります。

 

 

 

 

【資料】　『醤油ゲジャンによる、食中毒が多発』

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2002/09/16/20020916000033.html　　（日本語）　　　　

 

http://www.chosun.com/svc/news/www/viewArticle.html?id=200209160391　　　　　　　（韓国語）

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たかが食中毒なら、問題は小さいのですが、

 

醤油ゲジャンを食べると、もっと恐ろしい病気になる可能性もあるのです。

 

 

 

 

 

 

最近、韓国の醤油ゲジャンの大多数は、渡り蟹（ガザミ）です。

 

 

しかし、朝鮮時代は、藻屑蟹のゲジャンの方が、好まれていたのです。

 

 

 

藻屑蟹は、ガザミより小さいのですが、内臓の部分の味が濃厚で、

 

とても美味しいのです。

 

 

 

中国人が珍重する「上海蟹」は、韓国西岸で捕れる藻屑蟹と同じ種類です。

 

 

 

藻屑蟹は、朝鮮の宮廷にも献上されるほど、朝鮮で珍重されていていました。

 

 

 

藻屑蟹の分布図

 水色：藻屑蟹、赤色：中国・藻屑蟹、青色：ヒメ藻屑蟹、緑色：南藻屑蟹

 

 

 

 

 

 

さて、朝鮮時代の藻屑蟹のゲジャンですが、とても美味しいのですが、

 

実は、恐ろしい病気になる危険性がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藻屑蟹は、その一生の大半を、淡水（川、湖）で生活するため、

 

体内に、ウェステルマン・肺吸虫（肺臓ジストマ）

（Paragonimus westermanii）という名の寄生虫が生息する可能性があります。

 

 

 　ウェステルマン・肺吸虫の卵

 

 

この寄生虫は、加熱すれば死にますが、

 

醤油に長時間、浸しても、死なないのです。

 

 

 

 

この寄生虫を持ったゲジャンを食べると、寄生虫は、人間の体内で成虫となり、

 

内臓を食い破り、肺に到達して、気管支炎や肺炎を引き起こします。

 

肝臓や脳に到達することもあり、脳腫瘍になる可能性もあるのです。

 

 

 

【資料】　 

『肺臓ジストマ』

http://www.zspc.com/mokuzu/para/para07.html　　　　（日本語）

 

『Paragonimus westermanii』　Wikipedia

http://en.wikipedia.org/wiki/Paragonimus_westermani　　　（英語）

 

 

 

 

 

朝鮮時代、藻屑蟹のゲジャンが好まれていた為、

 

肺臓ジストマに感染する患者が、多数存在していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

日帝時代、この問題を重視した朝鮮総督府は、

 

藻屑蟹の採取と販売を禁止してしまいました。

 

 

 

 

その後、総督府は、藻屑蟹を食べることを許可しましたが、

 

加熱した後、食べるよう通達を出したのです。

 

 

 

【資料】　

『醤油ゲジャンと朝鮮総督府』

http://www.zspc.com/mokuzu/yoshoku/yoshoku02.html　　　　（日本語）

 

 

 

 

 

こうして、日帝時代以降、生の藻屑蟹を食べる機会は、減少しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

韓国独立後は、環境汚染と、農薬の使用拡大によって、藻屑蟹の数が激減し、

 

値段が高騰してしまった結果、藻屑蟹のゲジャンは、

 

極めて高級な料理になってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

最近、養殖技術の発展によって、藻屑蟹の数は、増加しているそうです。

 

 

 

 

 

 

高いお金を払えば、藻屑蟹のゲジャンの、美味しい内臓部分

 

（日本語の表現で、「蟹味噌」）を食べることができるでしょう。

 

 

 

 　　　　　　　　　藻屑蟹の醤油ゲジャン

 

 

 

現代の藻屑蟹のゲジャンは、朝鮮時代と違って、

 

熱湯した醤油を使うことにより、加熱処理をしているようですが、

 

渡り蟹（ガザミ）より危険であることは、

 

覚えておいた方が良いかもしれません。