オバマ米政権の最重要課題である景気対策法案で、民主党は13日の上院本会議で可決に必要な「最後の1票」のため、本会議を数時間、開きっぱなしにする策を余儀なくされた。オハイオ州での母の葬儀からワシントンに戻ったブラウン議員が60票目を投じたのは午後10時半過ぎで、投票の開始から5時間以上かかった。薄氷の成立が、綱渡りの議会運営を象徴した。
共和党の議事妨害(フィリバスター)を阻止するため必要な60票に、現時点で民主党は同党系無所属を含めても58議席で2人足りない。前回の採決には療養中の体をおして投票したケネディ上院議員が欠席したため、3人の共和党議員が賛成しても60票ギリギリだった。
上院本会議は賛成59票まで到達したところでストップ。議会中継テレビは事務局以外は無人の本会議場の風景を放送し続けた。下院の再採決も共和党の賛成者は前回に続いて1人もいなかった。(ワシントン=丸谷浩史)
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