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韓国の大学生は日本の小説・漫画が好き?

30大学における図書館の貸し出し記録に見る読書傾向

 韓国の大学生が学校の図書館で借りる本は、ほとんどが日本の小説やファンタジー小説、漫画であることが分かった。

 ハンナラ党の朴大海(パク・テヘ)議員が教育科学技術部から入手し、13日に公開した「2008年主要30大学の図書貸し出し順位」を見ると、江國香織・奥田英朗といった日本人作家の小説や、イギリス人作家J・K・ローリングのファンタジー小説「ハリー・ポッター・シリーズ」、ホ・ヨンマンの漫画『食客』などが上位を占めた。

 各大学の上位20位まで、計600作品のうち、小説が438作品(73%)を占めた。このうちファンタジー小説は128冊と最も多く、その代表がハリー・ポッター・シリーズ(50冊)だった。ハリー・ポッター・シリーズの最新作『ハリー・ポッターと死の秘宝』は、檀国大・崇実大・亜洲大・梨花女子大・中央大・韓国外大・漢陽大の7大学で1位だった。ハリー・ポッター・シリーズがランクインしていない大学は5大学(韓国科学技術院=KAIST=・浦項工科大学・ソウル大・成均館大・翰林大)だけだった。

 日本の小説は120作品(20%)がランクイン。ソウル大は1位『空中ブランコ』(奥田英朗)、2位『時をかける少女』(筒井康隆)など5作品、延世大は5位『ララピポ』(奥田英朗)や10位『GO』(金城一紀)など4作品、梨花女子大は2位『マドンナ』(奥田英朗)や3位『冷静と情熱のあいだBlu(ブリュ)』(辻仁成)など6作品が入った。国民大・檀国大・東国大などでは半分以上が日本の小説だった。

 韓国の人気漫画『食客』(ホ・ヨンマン)は東国大・西江大・淑明女子大・弘益大の4大学で1位になり、全北大(3位)・慶北大(4位)・延世大(15位)などでも人気が高かった。インターネット漫画の『心の声』(チョ・ソク)は延世大・東国大で、日本のワイン漫画『神の雫(しずく)』(原作・亜樹直、作画・オキモト・シュウ)は西江大と弘益大で20位以内に入った。

 韓国の小説(96作品)では、『マイ・スウィート・ソウル』『妻が結婚した』『秘密の花園』など、映画化・ドラマ化された作品が多かった。最も多くランクインした韓国人作家を順に挙げると、趙廷来(チョ・ジョンレ)、李文烈(イ・ムンヨル)、イ・ジョンミョン、チョン・イヒョンとなる。なお、高麗大と檀国大では20位までがすべて小説だった。高麗大は1位『漢江』、2位『太白山脈』、4位『アリラン』(以上、趙廷来)、8位『大望』(原題『徳川家康』、山岡荘八)など、歴史・大河小説が多かった。

 哲学本がランクインしたのはKAIST(13位『青少年のための西洋哲学史』)とソウル大(14位『監獄の誕生』、ミシェル・フーコー)の2大学だけだった。歴史書では『ローマ人の物語』がほとんどで、イ・ウォンボク教授の児童・青少年向け学習漫画『遠い国、隣の国』は8大学でランクインした。

 こうした大学生の読書傾向について、李敦熙(イ・ドンヒ)ソウル大名誉教授(元教育部長官・元民族史観高校校長)は、「海外の大学では古典の貸し出しが多い。高校時代での読書経験がほとんどない上、大学入試後は就職活動に追われる韓国の大学生たちの悲しい現実だ」と話している。

金南仁(キム・ナムイン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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