福岡市立こども病院・感染症センター(同市中央区)を現地で建て替えた場合の費用が当初試算の1・5倍に増額された問題で、「博多湾会議」(荒木龍昇代表)など二つの市民団体は13日に会合を開催。市職員がゼネコン3社から建て替え費用について聞き取ったメモを廃棄したことを問題視し、吉田宏市長と担当職員らを3月に、公文書毀棄(きき)容疑で福岡地検に刑事告発する方針を決めた。
病院の現地建て替え費用を巡っては、市の委託を受けたコンサルタント会社が07年7月に「約85億円」とする試算をまとめた。その後、市側の依頼でゼネコン3社から「更地での建設に比べ、現地建て替えは約1・5倍の費用がかかる」との回答を得たとし最終的に「約128億円」としていた。
博多湾会議は1月下旬、このメモを情報公開請求したが、市側は「聞き取り内容を記したメモは廃棄した。私的なメモのため開示できない」と回答した。同会議は「金額の多寡は市長が人工島移転を決定するうえで大きな判断材料だった。根拠を示す資料自体が破棄されたことは問題」としている。【鈴木美穂】
毎日新聞 2009年2月14日 西部朝刊