年金支給日の13日、県内では警察官が現金自動受払機(ATM)周辺で、利用客に振り込め詐欺への警戒を呼びかけた。
岡山市西大寺南1の「天満屋ハピータウン西大寺店」にあるATM前では、午前10時から午後3時まで西大寺署員ら4人が啓発チラシを配布。同市西大寺浜の主婦(71)は「息子の声はだみ声なので電話でも判別できる自信があるが、怪しい電話だったら一度切って息子の携帯にかけ直そうと思う」と話した。
一方、県警生活安全企画課によると、08年の県内の振り込め詐欺被害は、発生件数(既遂)が309件(07年比95件減)、被害額が約4億5120万円(同約2億4350万円減)と、ともに減少した。被害額、件数の減少幅は全国1位と全国2位。同課は「警察官や銀行関係者が老人ホームで直接注意を呼びかけたり、ATM周りでの声かけ活動が役立ったのでは」としている。
警察庁によると、08年の全国の被害件数(既遂)は2万124件(同2453件増)、被害額は約275億9438万円(同約24億5196万円増)で増加傾向を示している。
同課によると、振り込め詐欺は主に60歳以上の高齢者が狙われやすく、借金や交通事故などをでっち上げて、相手をパニックに陥れて振り込ませる手口が目立つという。
同課は政府の定額給付金支給が決まれば、詐欺被害につながる可能性があるとみて警戒を強める方針。【松井豊】
毎日新聞 2009年2月14日 地方版