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社会

神戸市の補助金返還請求放棄、市民団体が憤り 

 外郭団体への補助金支出をめぐる訴訟の判決を受け、「債権放棄」の方針を固めた神戸市。議会の承認を得られれば、矢田立郎市長や外郭団体が市に補助金を返還する義務は免除され、原告側が逆転敗訴となる公算が大きい。地方自治法の「伝家の宝刀」を抜いたとも言えるが、原告側は「住民訴訟を形骸(けいがい)化させる禁じ手」と反発している。

 地方自治法では債権放棄を議会の権限として認めている。本来は回収見込みのない場合に適用される制度として設けられた。しかし最近は、今回の神戸市のように、住民訴訟の判決で支出が違法とされた公金について、自治体側が返還請求権を放棄するケースが相次いでいる。

 山梨県玉穂町(現中央市)では元町長が関与した談合事件に絡み、住民が二〇〇〇年に適正な競争価格と実際の請負代金の差額を損害として提訴。〇五年の甲府地裁判決は元町長に約一億四千万円の賠償を命じたが、町の債権放棄により、二審では「請求権の消滅」を理由に原告の逆転敗訴となった。

 また、新潟県安塚町(現上越市)では、町経営の第三セクターのスキー場に派遣していた町職員への給与支給の適否を問う住民訴訟で、提訴後、町議会が町の債権放棄を承認。原告が敗訴した。

 こうした自治体の対応に全国のオンブズマンや住民訴訟を手掛ける弁護士らは、こうした債権放棄に歯止めをかけようと、地方自治法の改正を訴えている。

 神戸市の住民訴訟の原告で市民団体「ミナト神戸を守る会」の東條健司代表は「住民訴訟は不正を見過ごしてきた首長の責任を追及する場。司法の出した結論を受け入れるべきだ」としている。(藤原 学)

(2/14 09:45)


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