長野市の戸隠スキー場で見つかったエルタテハ=13日 |
長野市営戸隠スキー場で、チョウの「エルタテハ」が飛んでいるのをスキー場従業員が見つけた。県環境保全研究所(長野市)によると、エルタテハは成虫で越冬し、県内で飛び始めるのは通常3月中旬から。ゲレンデは全面滑走できる状態だが気温の高い日が続いており、暖冬の影響が指摘されている。
成虫は12日午後2時ごろ、標高約1200メートルのリフト乗り場付近で係員の堀忠三さん(64)が発見、捕まえた。同スキー場に勤務して約20年という堀さんは「チョウが2月に飛ぶなんて記憶にない」と驚く。
同僚で県自然観察インストラクターの今西修さん(56)によると、エルタテハは木立や建物の陰などで風雪を避けて越冬し、例年、戸隠でも3月半ばから4月上旬に飛び始める。12日の同スキー場の最高気温は5度。2月は真冬日がこれまでに4日しかないため、今西さんは「春と勘違いして飛び立ったのではないか」と推測する。
長野地方気象台によると、今冬は冬型の気圧配置が長続きせず、2月1−12日の長野の平均気温は1・7度で、平年より2・7度高い。13日の最高気温は平年より11・3度も高い15・4度に達し、エルタテハは同日、堀さんの手から森へ元気よく飛んで行った。