娘が夜中におう吐と下痢を繰り返し、消防署に電話。紹介された夜間診療所に連絡すると、「午後11時までです」。別の診療所も「朝8時半からなら」。病人は昼夜を問わないのにと、頼りなさに驚いた。以前、住んだ大阪には、複数の自治体が設けた夜間・休日の子ども急病センターがあり、何度か走った。今から思うと、あの安心感は代えがたい。
翌日夜も娘は高熱で意識もうろうとし、公立病院へ。待合室の壁には、小児科医の不足で夜間態勢が取りにくいとして診療所の利用を促す大きな張り紙が出ていた。そんな貧弱な態勢でも、医師たちは親身に診てくれた。
医療制度改革と称して医療現場を行き詰まらせてしまった為政者たち。その無能ぶりが、待合室に張り出されているようだった。(阿)
毎日新聞 2009年2月14日 地方版