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| 自殺や事故で大切な人を亡くした遺族の間で、評判になっている詩画集を出版した目次知浄さん |
自殺や事故で大切な人を亡くした遺族の間で、一つの詩が話題になっている。作者は松江市古曽志町の浄土真宗本願寺派布教使、目次知浄さん(57)。「毎日を大切に生きてほしい」という死者の言葉を代弁したような作品で、悲しみや自責の念に苦しむ遺族の心を打っている。
「先に逝ってごめん/悲しませてごめん/泣かせてごめん(中略)見えないけれど見守っている/いつかきっと会える日がくる/その日まであかるく生きてほしい/ずっとそばにいるから」。
目次さんは、謙虚な態度や感謝する大切さを、ほのぼのした菩薩(ぼさつ)画とともにつづった詩画集を、これまでに三冊、自費出版した。話題の詩は二〇〇六年に出版した「む」に納めた。
詩は、一歳で亡くなった姉の子どもの気持ちを代弁するつもりでつづった言葉。子を亡くして悲しみにくれる人に「笑顔で頂いた命を全うしてほしい。後を追いかけたりしたら怒るよ」との気持ちを込めた。
息子を自殺で亡くした松江市の女性(49)は、書店で詩を目にし、「息子が言っている」と感じた。同じ遺族が集う会で紹介すると誰もが共感。目次さんには、県外の遺族からも「言葉に救われた」とする感謝の手紙が送られてきた。
千葉県の二つの小中学校からは昨年、「保健室に置きたいから」と全詩集の購入依頼があった。在庫がほとんどないため、現在は注文に応えられないが、反響の多かった詩を選抜した作品集の出版を検討している。
('09/02/12 無断転載禁止)
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