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ソウル女性誘拐:偽札7000枚を渡し犯人逃した警察(上)

人質は無事解放

 ソウル市内の住宅街でパン屋を経営する30代の女性が誘拐され、犯人は家族に身代金として7000万ウォン(約450万円)を要求した。通報を受けた警察はタクシー運転手に変装し、被害者の家族と共に身代金の受け渡し場所でニセの1万ウォン(約650円)札7000枚を、オートバイに乗った犯人に手渡した。

 その後、警察の計画通り進まなくなった。本来警察はオートバイに乗った犯人を追跡し、犯人グループ全員を一網打尽にして人質も救出する計画だった。ニセの身代金が入ったカバンに衛星利用測位システム(GPS)を装着し、オートバイの運転に優れた技能を持つ私服警官を現場に待機させた。

 しかし犯人は、何度も車線を変更しながら警察の追跡から逃れた。警察は犯人を見失い、犯人は中身だけを持ち去ってカバンを道ばたに捨てた。幸い人質は無事に解放されたが、7000万ウォン分のニセ札を手にした犯人は、ここ四日間行方をくらませている。

 ソウル陽川警察署は13日、「問題のニセ札7000万ウォンは本当の札よりも2ミリほど大きく、ホログラムも黒く、番号(EC1195348A)もすべて同じだ。この紙幣を見かけたらすぐに警察に届けてほしい」と発表した。

◆10日夜に誘拐、身代金7000万ウォンを要求

 警察によると、今月10日夜11時30分ごろ、ソウル市江西区内鉢山洞でAさん(39)が経営するパン屋に、帽子に白のマスク姿の男二人が入ってきた。一人は店内で掃除をしていたAさんを殴り、もう一人は店に設置されていた監視カメラにテープを貼り付けた。レジから現金80万ウォン(約5万3000円)を盗み出した犯人は、店の外に止めてあった乗用車にAさんを乗せて逃走した。

 2時間後の11日午前1時45分ごろ、Aさんの夫(39)に対し「奥さんを預かっている。現金7000万ウォンを準備しろ。警察には届けるな」という電話がかかってきた。犯人はAさんの携帯電話を使用していた。夫は直ちに警察に通報した。犯人はその後、この日午後までに身代金を要求する電話を4回かけてきた。犯人が電話をかけた場所は、瑞草洞→城山大橋周辺→望遠洞→加山洞へと移動していた。

 警察はAさんの夫に対し、要求通りにすると犯人に連絡するよう指示した。犯人は5回目の電話で「オートバイに乗った使いの者を送るから、午後2時ごろ城山大橋南端にある人工の滝前に金を持って来い。金を渡してから尾行したり、仲間が逮捕されるようなことがあれば女を殺す」と言った。

イ・ソクホ記者

ソン・ジャンフン記者

ヤン・ヒドン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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