二月に入ってから暖かい日が続き、まとまった降雪のない兵庫県但馬地方。美方郡内の多くのスキー場は通常の営業を続けており今週末も滑走は可能というが、一部で積雪量が減少。今週末に予定していたイベントが急きょ中止になるなどの影響が出始めており、関係者らからは新雪を望む声が上がっている。
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2月以降、まとまった降雪のないゲレンデ=12日、豊岡市内のスキー場
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神戸海洋気象台によると、但馬地方の二月の平均気温は四・六度と平年より一・七度ほど暖かい。積雪も一月三十日に豊岡で六センチを記録したのを最後に、但馬地方でまとまった量は観測されていないという。
このため各スキー場の雪は徐々に減少。一月中旬には、軒並み二メートル近くあった積雪も、すでに一メートルほどになっている。
このうちミカタスノーパーク(香美町小代区新屋)の積雪量は、十二日現在で九〇センチ。滑走は全コースで可能だが、十四、十五の両日に同スキー場で予定されていた「第十二回美方高原雪祭り」は十二日、中止と決まった。同実行委員会は「会場のコンディション不良が理由」としている。
また、但馬牧場公園スキー場(新温泉町丹土)でも、十五日に予定されていた同町スキー競技大会が中止となる。同スキー場の積雪量は二〇センチ。リフトを運営する愛宕山観光の坂本博和支配人は「人工芝のあるエリアでは少ない雪でも滑走可能なのだが、三〇−四〇センチの新雪が欲しい」と話していた。
このほかのスキー場は今のところ「全コースで滑走可で、予定しているイベントも中止することはない」としているが、関係者からは新たな雪を望む声が聞かれる。
ハチ北高原スキー場(同町村岡区大笹)を運営する鉢伏開発観光によると、ピーク時に一九〇センチあった積雪量は、現在一一〇センチ。同社の石原静夫所長は「気温が高く、中腹より下のゲレンデ状況は悪くなっている」と話す。
同スキー場では、三月下旬まで競技大会や家族連れ向けのイベントを予定されている。石原所長は「開催には問題ないと思うが、来週は雪が降るとの予報なので期待したい」としていた。
スカイバレイスキー場(同区中大谷)=十二日の積雪量一〇五センチ=も「雪は減っているが、今の状況ならスキー・スノーボードの試乗会などは予定通り」と強調。おじろスキー場(同町小代区大谷)=同九〇センチ=を運営するおじろ観光協同組合も「一月に十分降ったので、滑走もイベント開催も問題ない」としている。
同気象台によると、但馬地方では、冬型の気圧配置が強まる十六−十八日にかけて雪が見込まれている。