「ちきゅう」は、人類史上初めてマントルや巨大地震発生域への大深度掘削を可能にする世界初のライザー式科学掘削船です。「ちきゅう」は、統合国際掘削計画(IODP)の主力船として地球探査を行っています。
地球が水と生命に恵まれたオアシスであることを我々は既に知っています。しかし、過去46億年の地球の歴史で繰り返されてきた、隕石衝突、地震、火山噴火、津波、異常気候の発生は、地球上の生命に多大な影響を及ぼしてきました。
過去の気候変動、生物の活動、地殻変動の経緯を如実に物語る痕跡を地球はその内部に記憶しています。「ちきゅう」は、巨大地震発生のしくみ、将来の地球規模の環境変動、生命の起源、新しい海底資源の解明など、人類の未来を開く様々な成果をあげることを目指しています。
「ちきゅう」は科学史上初めて巨大地震の震源まで掘削し、そこを直接観測し、地震がなぜ発生するのか、そのメカニズムを解明します。また、掘削した孔(あな)には観測装置を設置し、地震発生と同時に、その情報を陸上へすばやく伝えるシステムを目指しています。
高温・高圧・無酸素の原始地球で、最初の命が誕生しました。今の地球でも、地下奥深くには原始地球に類似した環境が残っています。「ちきゅう」は海底を掘り、原始的な地下生命を探索し生命誕生の謎に迫ります。
「ちきゅう」は、世界で初めて、海底下から7,000メートルを掘りぬいてマントルへと到達できます。大陸の移動、大規模な火山活動、地球は誕生以来その姿を変え続けています。その原動力は固体でありながら流動する不思議な物質「マントル」だと言われています。地球の中で起こっていることが地上にどう影響するのか調べます。