【北京=佐藤賢】中国政府は海賊事件が多発する東アフリカのソマリア周辺海域に海軍艦艇を派遣する方向で調整に入った。軍事交流を目的とした親善訪問を除き、中国海軍の遠洋での任務は初めて。任務の多様化と活動範囲の拡大を目指す中国海軍の存在感を一段と高めることになる。海上輸送路の安全確保に積極的に取り組む姿勢をアピールする構えだ。
何亜非外務次官は16日、ソマリアの海賊問題に関する国連安全保障理事会の会議で「近くアデン湾・ソマリア沖に軍艦を派遣し、船舶の保護活動に参加することを積極的に検討している」と表明。同時に「より重要なのは海賊が発生する根源を取り除くことだ。国連平和維持活動(PKO)を実施し、インフラや開発援助を強化すべきだ」と訴えた。(17日 23:43)