中国潜水艦 米海軍確認 昨年最多12回 露海軍を抜く 哨戒活動 一気に倍増
【ワシントン=山本秀也】米海軍が確認した中国海軍の潜水艦による昨年の哨戒活動は、前年(2007年)の2倍にあたる年間12回と、過去最多を記録した。核戦力の動向に詳しい米シンクタンク「全米科学者連盟」(FAS)のハンス・クリステンセン氏が、米情報公開法に基づき海軍情報部に情報開示請求を行い明らかになった。1980年代のトウ小平時代に始まった外洋型海軍をめざす中国の潜水艦戦力の強化が、西太平洋で大幅に進んだことが裏付けられた。
潜水艦が確認された水域や発見状況については、米海軍が公表に応じていないが、中国潜水艦の外洋活動の水域はこれまで、グアム周辺や日本近海など西太平洋に集中していた。クリステンセン氏は哨戒活動について、「潜水艦基地から離れた長距離の航海であり、短期間の訓練とは異なる」と指摘した。
米海軍が確認した中国潜水艦の哨戒活動は、1980年代から2007年までは「年平均ほぼ2回」のペースにとどまっていた。2ケタの活動回数が確認されたのは昨年が初めて。2年連続で5回以上となることもこれまではなかった。
年間12回という哨戒活動の回数について、クリステンセン氏は「07、08年に7回が確認されたロシア海軍を抜いた」として、急増ぶりに驚きを示した。
哨戒活動の中心は、これまで04年11月に石垣島周辺海域で日本の領海侵犯事件を起こした漢(ハン)級攻撃型原潜(SSN)などだったが、後継として実戦配備が始まった商(シャン)級攻撃型原潜への交代が進んでいるもようだ。
これに対し、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した戦略ミサイル原潜(SSBN)は、将来的に中国の核戦力の柱となる最新型の晋(ジン)級、大がかりな改装終了が伝えられる旧式の夏(シア)級とも、哨戒活動はまだ確認されていないという。
中国の攻撃型潜水艦は、台湾有事などに米海軍の空母戦闘群が中国近海に接近することを防ぐ戦術的な任務を担う。平時の外洋展開には、経験を蓄積するほか、水温や海流など作戦行動に欠かせない基礎データを収集する目的も含まれている。西太平洋では06年10月、米空母キティホークが中国の宋(ソン)級通常型潜水艦(SSK)に魚雷射程圏に接近された。
関連ニュース
- 米海軍、イルカとアシカを基地のパトロールに利用(WIRED VISION) 02月13日 14:16
- ソマリア海賊の襲撃成功率「5割→2割」 欧米の対策本部 与党PTが視察(産経新聞) 02月10日 08:05
- 中国潜水艦の哨戒活動が過去最多 昨年12回(共同通信) 02月05日 17:23
- 「真夏のオリオン」で昭和の女性演じた北川景子が「もんぺで生活したい」(eiga.com) 01月23日 12:09
- 玉木宏が潜水艦長役に!ケミストリー・堂珍嘉邦も潜水艦長役で映画初出演!(シネマトゥデイ) 01月23日 09:26
この記事について
ブログを書く
過去1時間で最も読まれた国際ニュース
- 米旅客機が民家に墜落炎上 NY州、住民含む50人死亡(共同通信) 2月13日 23:20
- 米旅客機墜落・炎上、乗客ら50人死亡 NY近郊(朝日新聞) 2月13日 23:22
- コンゴ・ルワンダ合同軍が大規模空爆、40人以上死亡(朝日新聞) 2月13日 20:30
- またボンバル機=07年に高知で胴体着陸−米旅客機墜落(時事通信) 2月13日 22:34
- 米商務長官指名、また辞退 グレッグ氏「政策の不一致」(朝日新聞) 2月13日 11:45