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早産男児を7病院拒否、その後死亡 札幌で昨年11月

2008年12月2日

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 昨年11月、札幌市内の女性が自宅で早産した未熟児が、市内7病院で受け入れを断られ、1時間半後に新生児集中治療室(NICU)のない病院に搬送され、その後亡くなっていたことが分かった。札幌市が2日に記者会見した。

 市などによると、女性は昨年11月15日、妊娠27週の早産で男児を出産した。市消防局が同日深夜に119番通報を受け、約6分後に救急車が到着。女性のかかりつけ医の医院では手当てが難しいケースと判断され、消防局指令情報センターが病院探しを始めた。

 約20分後、救急車が搬送を始め、約10分後に市立札幌病院救命救急センターの医師が合流して車内で応急処置にあたった。指令情報センターは北大、札幌医大など7病院に受け入れを打診したが、断られた。NICUのある病院は「満床」だったという。

 このうち、新生児の高度医療の中核病院である総合周産期母子医療センターに指定されている市立札幌病院では、NICUが満床だったうえ、当直医も別の患者を治療中だったという。

 新生児は1時間半後にNICUのない同市手稲区の私立病院に収容された。市立札幌病院は翌日、NICUに空きが出たため、新生児の受け入れを私立病院に打診したが、「動かせる状態ではなかった」という。新生児はその後、亡くなった。

 会見した市立札幌病院の野崎清史・経営管理部長は「地域の周産期医療の中心として可能な限り受け入れたかったが、結果的にお子さんが死亡してしまったことは非常に残念だ」と話した。

 NICUのベッド数は各地で不足が指摘されている。札幌市には6医療機関で48床があるが、医療技術の進歩で救える未熟児が増え、長期に治療するケースが増え、満床となることが多いという。

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