政府がコメの生産調整(減反)への参加判断を農家に委ねる「選択制」導入を検討することに対し、JA県5連の山田俊臣会長は12日の定例記者会見で、当面は現行の生産調整を継続すべきとの認識を示した。既に麻生太郎首相にも要請したことを明らかにした。
山田会長によると、要請は麻生首相が来県した8日、あわら市内で開かれた首相と県内各産業代表者との意見交換会で行った。農業の代表として出席した山田会長が首相に対し「責任ある農業政策の構築」と「真っ正直な農業者が納得できる生産調整システム構築」の2項目からなる要請文を手渡した。
山田会長はその席で、今年の生産調整の市町などへの割り当てが既に済んでいる状況を説明。本県はこれまで生産調整を「まじめに守ってきた」とし「それが総選挙後の9月ごろに変わるとなれば、これは大変なこと。やっと定着してきたのだから、今のところはそのままにしてほしい」と述べた。要請に対し首相から内容についての具体的な言及はなかったという。
県農政連会長も務める山田会長は「16日に福井市で開かれる県農民政治力結集推進委員大会で、生産調整の問題について問いかけをしていきたい」と述べた。