年金記録:受給資格2.5万人判明 住基ネット照合で

2009年2月13日 2時30分 更新:2月13日 2時30分

 5095万件の宙に浮いた年金記録のうち、受給資格を満たす記録の持ち主とみられる人が2万5457人いることが分かった。社会保険庁が昨年3月時点で特定が困難としていた1837万件について、住民基本台帳ネットワークと照合した結果判明した。

 社保庁は昨年3~6月、5095万件のうち結婚による姓の変更や入力・転記ミスなどで特定が難しい1837万件を住民基本台帳ネットワークのデータと照合した。氏名・生年月日の2条件が一致した記録が314万件あり、うち年金保険料を25年以上納付するなど宙に浮いた記録だけで受給資格を満たす記録は約3万件あった。1人が複数の記録を持つ場合もあり、持ち主とみられる人は2万5457人と判明した。

 これらの記録は、基礎年金番号が導入された97年に既に脱退しているなど比較的古いもの。社保庁は年齢別の内訳は把握していないが、多数が無年金になっているとみられる。

 社保庁は昨年6~7月、加入記録を添え、全員に記録確認の通知を送付。昨年末までに回答のあった約1万人のうち9割が「自分の記録」と答えた。約1万5000人からは回答が届いていない。

 総務省年金記録問題検証委員会の07年10月の最終報告では、5095万件中の7840件のサンプル調査で、宙に浮いた分だけで25年を満たす記録が75件あった。また、一部漏れていた記録が見つかり受給権を回復した無年金者は、昨年5~9月だけで62人いた。【野倉恵】

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