【北京9日時事】中国貴州省徳江県は9日、伝統行事をめぐり民衆が地元政府や警察と衝突したことを明らかにした。中国人権民主化運動情報センターによると、広東省陽江市でも8日、土地開発問題で住民と警察が衝突した。
中国では、金融危機による失業者急増などで暴動多発の懸念が高まっており、当局が民衆の不満解消に努めるよう各地に指示、警戒を強めている。
徳江県の騒ぎは、元宵節(小正月=9日)の伝統行事である竜踊りのメンバーが、踊りの会場変更を不服として県政府に押し掛けて発生。県政府当局者は取材に、「小規模な衝突だ。環境への影響を考慮した会場変更だが、一部の人に理解してもらえなかった」と語った。
衝突について新華社電は、群衆2000人以上が現場を取り囲み、警官3人と住民5人が負傷したと報じた。一方、同センターは、群衆1万人以上が県政府内に突入し、50人が負傷、警察車両2台が破壊されたと伝えている。
陽江市では、大魁村の自治組織が海浜開発に絡んで、業者との間で村が配当金を受け取る契約を結んでいた。しかし、これを知らされていなかったとして村民約2000人が怒り、大規模な抗議行動に発展した。最終的に武装警察官ら1500人との衝突に至り、負傷者は多数に上ったとされる。
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