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中国、原子力空母2隻計画 20年以降、西太平洋に展開(1/2ページ)

2009年2月13日3時3分

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 【北京=峯村健司】中国軍が2020年以降、同国として初めてとなる原子力空母2隻の建造を計画していることを軍関係者が明らかにした。今年から通常型空母2隻の建造を始めることがすでに明らかになっているが、原子力型は燃料補給せずに長期間移動できるため、遠洋への本格展開を目指す動きとして注目される。

 中国軍関係者によると、北京で08年12月30日に開かれた軍主催の内部検討会議で、軍幹部が「海軍は09年から空母建造を本格的に始める」と説明。電力制御システムの部品は国内での製造をすでに始め、15年をめどに2隻の通常型空母を完成させることを明らかにした。20年までに運用体制を確立し、沖縄、台湾、フィリピンなどを結ぶ防衛ライン「第1列島線」を越え、沿岸防衛からの脱却を目指す。

 これに加えて建造を目指す原子力空母2隻はいずれも6万トン級の中型艦。旧ソ連が建造を中断した原子力空母「ウリヤノフスク」の設計図をすでに入手しているといい、開発の参考にするとみられる。

 中国軍は将来的には日本列島からグアム島、インドネシアに至る「第2列島線」内の西太平洋海域の制海権を確保したうえで、インド洋や太平洋全域で米海軍に対抗することを目標に掲げている。同関係者は「今年から造る通常型2隻は布石に過ぎない。原子力型は建造や運用に膨大な費用がかかるが、我が国の経済発展のペースを考えれば大きな障害にはならず、さらに多くを建造する可能性もある」と述べた。

 1月20日に発表された中国の国防白書には初めて「遠洋での作戦能力向上をめざす方針」と明記されたが、空母には触れていない。しかし、空母建造のため海軍は専門部署「048事務室」を開設。海南島三亜の亜竜湾では、弾薬などを貯蔵する地下トンネルを含め、空母の母港機能を持つ埠頭(ふとう)の建設に着手している。

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