北九州市病院局は12日、市立医療センター(小倉北区)の部長職・副部長職の医師に時間外手当などを支払わず、北九州東労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で記者会見し、来年度から全市立病院で給与面などの処遇を改善すると発表した。新設する医師手当を含め、来年度予算案に盛り込む。
病院局によると、4市立病院の部長職(行政職で課長)は125人で、副部長職(同係長)は28人。管理職手当が支払われるため、時間外手当や深夜割増賃金が支払われていなかった。また残業に関する労働協定(36協定)が締結されていなかった。同労基署は1月15日に医療センターに立ち入り調査し、同22日に是正勧告した。
是正勧告を受け病院局は(1)管理監督者の取り扱いを見直し、4月1日から部長・副部長にも時間外手当や深夜割増賃金を支払う(2)36協定の締結に向け二つの労働組合と協議中であり、早期締結に努める--を主な内容とした改善報告を提出する予定。
病院局は、時間外手当の支払いと医師手当の新設で、09年度は8億8000万円を要すると見込んでおり、部長職平均の年収は約300万円増えて、約1700万円になると試算している。
会見した南本久精・病院局長は「勧告を真摯(しんし)に受け止め、実施するのが責務と思っている。4月からきっちり実施すると、労基署に回答させていただく」と語った。【木村雄峰】
〔北九州版〕
毎日新聞 2009年2月13日 地方版