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安楽死論争の女性死亡 イタリア 差し止め法案審議中に

2009年2月10日10時15分

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 【ローマ=南島信也】17年前の交通事故で植物状態になり、肉親の希望を裁判所が認めて安楽死のために延命措置が停止されたイタリアの女性、エルアナ・エングラロさん(38)が9日夜、入院中の同国北東部ウディネの病院で死亡した。ANSA通信などが伝えた。

 延命措置は6日に停止された。病院側の発表によると、死因は栄養と水分の補給を絶ったことによる心筋梗塞(しんきんこうそく)だったという。

 死去は、エングラロさんを死なせるべきではないとして上院で延命措置停止を差し止めるための緊急法案が審議されているさなかだった。上院は審議を中断して1分間の黙祷(もくとう)をささげた。引き続き法案成立を目指すかどうか10日に協議する。ベルルスコーニ首相は「深い苦悩を覚える。命を救えなかったことを残念に思う」とのコメントを発表した。

 ローマ法王庁のロザノバラガン保健従事者評議会議長(保健相)は「人の手を介して亡くなったのであれば、犯罪とみなし続ける」と病院の対応を批判した。こうした事態を受け、ウディネ地検は病院からカルテを押収するなど捜査を開始した。

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