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韓国銀行業界、ドル資金確保に奔走(上)

 先月11日、韓国輸出入銀行の金晋卿(キム・ジンギョン)理事(資金・国際本部長)がマレーシアのクアラルンプール国際空港に降り立った。ドル資金を確保するためだった。通常のドル資金調達はニューヨークやロンドンなど国際金融の中心地で行われる。しかし、最近は経済危機でニューヨーク、ロンドン両市場が冷え込み、ドルを調達するのが容易ではない。それで金理事は、わざわざ国際金融のすき間市場であるマレーシアを攻略することにした。金理事は3泊4日の日程でマレーシアの3大証券会社の一つであるRHBインベストメントバンクをはじめ、銀行や保険会社、ファンドなど十数か所を訪問した。100人余りの投資家を集め、企画財政部と共同で投資説明会も開いた。

 その甲斐あって、金理事は今月5日、2億2000万マレーシアリンギ(約56億円)の債券をマレーシアで発行することに成功した。ロンドン銀行間金利(LIBOR)プラス3.95%の発行条件による3年満期の債券で、ニューヨークやロンドンよりも低金利だ。金理事は「ドルを少しでも調達するため、タイ、メキシコ、ブラジル、マレーシアなどすき間市場を地道に回っている」と話した。

 昨年9月のリーマン・ブラザーズ破たんを発端とする世界的なドル資金不足は、昨年末にいったん和らいだが、今年に入り再発の兆しを見せ、各民間金融機関と政府はドル確保に走った。金融機関の従業員は世界各地を飛び回り、政府当局者は海外で投資説明会を開き側面支援している。国策銀行と市中銀行がこうした努力を傾けた結果、債券発行などにより調達した外貨建て資金は年初来で87億ドル(約8000億円)に達した。

金栄慎(キム・ヨンジン)記者

方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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