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「お産の安全」議論

2009年02月13日

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産科医や妊婦らが、お産を取り巻く現状について意見交換した=和歌山市吹上5丁目

●医師・妊娠女性ら/和歌山市がフォーラム

 「お産難民」や「妊婦のたらい回し」などが社会問題となっているのを受け、安全で安心な周産期医療の環境について考えようと、和歌山市内で「これからのお産を考える市民フォーラム〜セミオープンシステムを導入した安心・安全なお産システム」が開かれた。和歌山市主催。産科医や出産したばかりの女性、現在妊娠中の女性らがパネリストとなり、お産をめぐる現状について、意見交換した。

 市は08年、健診を診療所で受けて、分娩(ぶんべん)は総合病院でする「セミオープンシステム」を導入した。このシステムを広く市民に知ってもらおうと、今回のフォーラムを企画。分娩を引き受けている県立医大付属病院、日赤和歌山医療センター、和歌山ろうさい病院と、健診をする診療所の産科医がそれぞれ現状について報告した。

 岸智子さん(41)はセミオープンシステムを利用して、1月に第2子を出産した。「高齢出産で不安なこともあったけれど、診療所は上の子も連れて行けるし、待ち時間が少ないので助かりました」。5月に出産予定の卯辰暢子さん(29)も「両方で説明を丁寧にしてもらい、緊急の時のことも聞いているので安心できます」とメリットを指摘した。

 一方、現状についての厳しい意見も出た。日赤和歌山医療センター産婦人科の中村光作副部長は「セミオープンシステムは、分娩を引き受ける総合病院への負担が大きい」と危機感を訴えた。県立医大付属病院周産期部の南佐和子講師は「若い産科医を育てていかなければならない」と訴えた。

 コーディネーターをつとめた市保健所の永井尚子所長は「これまではお互いに『大変だ』という認識しかなかったが、情報の共有化ができてきた。安全なお産の環境を作っていきたい」と話した。

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