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救命救急センター:小田原市立病院に開設 搬送時間短縮へ--4月から /神奈川

 小田原市立病院(小田原市久野)が4月から「救命救急センター」を開設する。心肺停止など症状の重い救急患者を24時間体制で受け入れる高度医療(3次救急)を担う施設だ。周辺2市8町の「県西」地域は3次救急の空白地域で、対象患者の多くは東海大医学部付属病院(伊勢原市)に搬送、小田原市内からでも約50分かかっていた。県西地域の中核病院でもある市立病院は「センター開設で搬送時間が短縮されるなどして救命率も高まる」と話す。【澤晴夫】

 センター開設にこぎつけたのは、東海大から常勤医師3人を確保できたうえ、市立病院の循環器科や脳外科の医師らがバックアップ体制を取ることでセンターに2~3人は常駐できる見通しが立ったため。これで20床の受け入れ体制が整った。

 新しいセンターは、専用病棟を新築すると30億~40億円かかるため、院内併設型とする。市立病院経営管理局は「約2億円で整備でき少ないコストで3次救急を提供することができた」と話している。

 小田原市消防本部などのまとめによると、2市8町で年間約1200件が東海大病院に搬送。同局はセンター開設により「これまでの約50分から、30分以内で受け入れ可能になるだろう。救命率が高まり、救急車の効率的運用も図れる」とみる。

 市立病院は05年度にセンター開設に向けた準備委員会を設立。救急外来診察室を改修するなどして07年4月、平日の日中に医師1人が常駐する「救急センター」を仮オープンさせた。しかし、全国的な医師不足に加え看護師確保のめどが立たず、本格的なセンター開設が待ち望まれていた。

 センター開設は今月10日の県医療審議会で承認を受けた。国との協議後に、県知事が指定する。病院側は「指定が遅くなっても、体制が整ったので、4月から運用を始めたい」と話している。

 ◇県内に12カ所--県央は見通し立たず

 県内には、11の2次医療圏があり、救命救急センターは12カ所が開設済み。だが地域に偏りがあり、2次医療圏のうち、小田原市を含む「県西」と、厚木市など「県央」は設置されていなかった。

 小田原市立病院の指定により、県が保健医療計画で掲げた「10年度中のセンター1カ所増加」の目標は達成される。だが、県央では指定病院の見通しが立っていないという。

 10日の県医療審議会では、横浜市立みなと赤十字病院のセンター指定も承認された。同病院は「現状の体制で承認してもらえた」と話しており、増員などは予定していないという。指定されれば、横浜北部・西部・南部の3医療圏に2カ所ずつセンターができる【五味香織】

毎日新聞 2009年2月13日 地方版

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