景気の後退が深刻化する中、12日、県の新年度予算案が発表されました。一般会計の総額は、約5600億円と、経済対策に伴う歳出の増加などにより、8年ぶりに、前の年度を上回りました。(東国原知事)「『未来へつむぐ、新みやざき展開予算』として、編成したところであります」県の平成21年度、一般会計当初予算案の総額は、約5625億円で、前の年度に比べて、約35億円、率にして、0.6パーセント上回りました。県は、8年ぶりのプラス予算になったことについて、「経済対策に伴う貸付金や、借金返済にあてる公債費の増加などが要因」としています。また、今回の予算編成で、県は、事務事業の見直しなど、引き続き財政改革を進める一方、重点施策の1つの雇用創出・就業支援対策には、約35億円分の新規・改善事業を盛り込むなど、県民生活に配慮する姿勢を打ち出しています。(東国原知事)「県民生活を守るという視点に立って、県民の不安を解消し、県内の厳しい経済、雇用情勢の回復に寄与すべく、財政規律は守りながら、できる限りの対応を行っていると考えております」県の新年度予算案は、2月19日に開会する、2月県議会に提出されます。
新年度予算案に盛り込まれた、新規事業に注目します。まずは医師不足対策です。医師確保に向けた事業として、3つの県立病院で、医師の手当が、大幅に引き上げられることになりました。それによりますと、医師の手当ての引き上げは、県立宮崎病院と日南病院が、月額約10万円、医師不足が深刻化している延岡病院が、月額約14万円で、引き上げに伴う予算は、総額2億6500万円に上ります。また、延岡病院は、勤務医の負担を軽減するため、3000万円をかけて、宮崎大学医学部に当直医の派遣を要請することにしています。このほか、女性医師や看護師の離職を防ぐため、施設内に保育所を整備する医療機関に対し、必要経費の一部を補助するなど、医師確保に向けた、さまざまな支援策が盛り込まれています。
県は、障がいのある子供たちの教育の充実を図るため、新たに、県内の4つの特別支援学校に、高等部を設置することになりました。高等部が設置されるのは、清武町のみなみのかぜ支援学校や、日向ひまわり支援学校など4校で、開校の時期は、それぞれ、平成22年度から25年度となっています。小林地区や日向地区などでは、障がいのある生徒たちが、遠距離通学などを余儀なくされていて、保護者から、高等部の設置を望む声が上がっていました。県教育委員会は、高等部の設置について、「障がいのある子供たちが、それぞれの地域で一貫した教育を受ける体制が整うことになり、自立と社会参加につながってほしい」と話しています。県では、高等部の設置に向けた予算、1億2000万円あまりを、2月議会に提案します。
この他の主な新規事業をまとめてお伝えします。(広域工業団地整備促進事業)将来の企業誘致を見据え、大規模な工業団地を整備する市町村に対し、2億円を上限に、補助金を交付するなどの支援を行います。(ネットいじめ対策事業)インターネット上でのいじめを、いち早く発見し対応するため、通報窓口となる「目安箱サイト」を開設するほか、ネット上を監視する、サイバーパトロール実践協力校を指定します。(中高一貫教育校整備)都城泉ケ丘高校に、併設型の県立中学校を設置するため、施設の整備などを行います。開校の時期は、来年4月で、定員は40人です。(子育て応援のみやざきづくり事業)子育ての分野で、すぐれた人材を募集して、「子育て応援人材バンク」を構築し、地域における子育て支援体制の充実を図ります。(中山間盛り上げ隊)中山間地域の活性化のため、県職員や、草刈などの作業を手伝うボランティアを、要請に応じて、派遣する事業をスタートさせます。(一村一祭アピール事業)各市町村一押しの祭やイベントをアピールするため、ホームページを開設するとともに、観光客との交流を促進する、新たな取り組みなどの費用を補助します。(住宅用太陽光発電システム融資制度)住宅用の太陽光発電システムを設置する県民に対し、300万円を限度に、融資を行います。県は、こうした支援策などで、太陽光発電の普及率、全国一を目指します。(ストップ温暖化レジ袋ゼロ作戦)レジ袋の削減を目指し、県内大手の18事業者、あわせて150店舗で、レジ袋の有料化が検討され、その後も、導入店舗数の拡大が図られます。
プロ野球キャンプもいよいよ中盤です。12日は、宮崎市でキャンプを行っている福岡ソフトバンクホークスに、東国原知事らが、宮崎の特産品を贈りました。12日は、東国原知事と津村市長が、宮崎市のアイビースタジアムを訪れ、秋山幸二監督に、宮崎牛やハマユウポークなどを贈りました。(うなぎをほおばる知事&監督)この後、ホークスの「日本一」と、「日本一」早く収穫される宮崎コシヒカリの豊作を願って、コシヒカリの種もみをまきました。(東国原知事)「今年は天気もいいですし、溢れる自然、豊かな自然をパワーの源にして、来シーズン、最初からクーっといく、面白い試合展開を望みたい」福岡ソフトバンクホークスの宮崎キャンプは、2月26日まで行われます。
県内でキャンプを行うのは、プロスポーツだけではありません。会社の経営悪化のため、今シーズン限りで休部する、日産自動車硬式野球部が、串間市で、春季キャンプをスタートさせました。キャンプ初日の12日は、歓迎セレモニーが行われ、串間の特産品である、かんしょやポンカンが贈られました。これに対し、久保恭久監督が、「全ての大会で、日本一になれるよう、この串間で力をつけたい」とお礼の言葉を述べました。この後、選手たちは、練習に入り、ランニングなどで汗を流しました。日産自動車硬式野球部の春季キャンプは、2月17日まで、串間市総合運動公園で行われ、期間中は、少年野球教室なども予定されています。
産地偽装の畜産資材会社が、破産手続きに入りました。去年11月、中国産の家畜用飼料を、「国産」と偽装して販売し、国から立ち入り検査を受けていた、都城市の畜産資材販売会社、「九州文永堂直販」が、破産申し立ての準備に入ったことが分かりました。偽装の発覚後は、販売先からの取引中止が相次ぎ、資金繰りが悪化、負債総額は、約5億2000万円に上る見込みです。
保健所に持ち込まれた犬や猫の譲渡をサポートする、「命の架け橋事業」に、県の獣医師会が協力することになりました。「命の架け橋事業」は、県が去年8月から実施しているもので、獣医師会は、事業を通して譲渡された、犬の去勢や避妊手術を獣医師会会員が行う場合、今年度、1匹につき5000円負担します。県内では、1年間に、犬と猫が合わせて6000匹殺処分されていますが、命の架け橋事業によって、21日までに、104匹の命が救われたということです。
「若山牧水賞」の授賞式が、宮崎市でありました。今年の受賞者は、千葉県市川市の歌人、日高堯子さんで、東国原知事から、賞状と記念のトロフィーが贈られました。これに対し、日高さんは、「若山牧水の歌に刺激を受けながら、歌集作りに励みたい」と、喜びを語りました。会場では、若山牧水の没後80年を記念して、牧水の短歌が、尺八や琴に合わせて披露されました。
きんかんゼリーを、新しい名物としてPRしようと、商品開発した延岡市の食品加工グループが、12日、首藤市長を表敬訪問しました。延岡市役所を訪れたのは、延岡市北方町の女性たちでつくる食品加工グループ「さるびあ会」のメンバーです。さるびあ会が商品開発した、きんかんゼリーは、去年12月に行われた県の加工品開発コンクールで、優秀賞を受賞しました。メンバーは、首藤市長に受賞を報告するとともに、地元産のきんかんを使った自慢の一品を、披露していました。さるびあ会では、このきんかんゼリーを、今後、地元の直売所で、本格的に売り出すことにしています。