西日本新聞

保護者、子ども、教師の声つづる 母親2人が自費出版 不登校の現状多くの人に

2009年2月13日 01:11 カテゴリー:九州・山口 > 熊本
不登校の実態を紹介する本を出版した石井嘉寿絵さん

 子どもが不登校になった経験をもつ熊本市の母親2人が、不登校を克服した経験を生かし、不登校問題に関して子どもや親、教師の率直な思いを一冊の本にまとめ、自費出版した。タイトルは「届け!!文科省まで」。2人は「不登校は社会全体の問題。多くの人に現状を知ってもらい、不登校からいつでもやり直せる社会になってほしい」と話している。

 出版したのは、不登校児・生徒の保護者や支援者らでつくる「登校拒否・不登校に学ぶフレンズネットワークくまもと」の石井嘉寿絵さん(55)と河野安子さん(57)。2人は「自分たちの経験から不登校問題の実態を多くの人に伝えたい」と3年前から出版準備を開始。同ネットワーク会員の保護者80人と中学3年の生徒約180人、教師5人にアンケートや聞き取りを行ってきた。

 本には「何もしないで年齢を重ねてしまうのが一番つらいです」と語る不登校から抜け出せない子どもを持つ母親や「(自分で問題を抱え込まず)親や友人に何でも話してほしい」と語る不登校を克服した女子生徒、「報告文の作成で時間を取られ、生徒と向き合う暇がない」と漏らすベテラン教師など教育現場の生の声を紹介し、不登校問題の現状をあぶり出している。

 2人は「教育関係者に読んでほしい」と熊本市教委を通じ、市内の全小中学校分に相当する約120冊を寄贈した。石井さんは「不登校の原因は1つではない。本を読んで子どもと親と教師がどう連携していけるかを、考えてほしい」と話している。

 本はA5判、136ページ。1260円。

=2009/02/13付 西日本新聞朝刊=

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