研修医、半数は県外へ
医学部を卒業した翌年度の研修医の各都道府県内の定着率が、全国平均で49.1%にとどまっていることが、文部科学省のまとめで明らかになった。半数は外に流出したことになる。定着率は北海道や関東、近畿地方で比較的高かったが、東北、中国、四国、九州地方では低かった。
【関連記事】
英国の家庭医制度を紹介―厚労省研究班
大学医学部の危機−山形大・嘉山医学部長
「研修病院に競争原理を」―亀田信介・亀田総合病院長
後期研修制度の運営委設立を提言−土屋了介厚労省研究班長
現場の医師が研修医制度で議論―亀田総合病院
同省は、来年度の医学部の入学定員増を希望する国公私立大学医学部(医科大学)に対して昨年9月、医師不足が深刻な地域の医師を確保するための実効的な取り組みなどをまとめた「地域医療貢献策」を盛り込んだ定員増計画を提出させた。この貢献策の中で回答を求めていた卒業の翌年度(2003年度と08年度)の各都道府県内の定着率についてまとめたもので、定員増を希望しない大学に対しては別途、調査を行い、自治医科大と過去の実績が不明な3大学を除く計75校分を調べた。同省によると、こうした研修医の定着率を調査するのは初めて。
まとめによると、08年度の定着率は全国平均49.1%で、03年度の57.8%から8.7ポイント低下した。都道府県別に見ると、定着率が高いのは北海道、大阪(共に65−70%)、神奈川、愛知、奈良、和歌山、熊本(いずれも60−65%)。一方、低かったのは、島根、宮崎(共に20−25%)、宮城、石川、山口、高知、長崎(いずれも25−30%)で、特に東北地方では全県で全国平均を下回っており、地域格差が生じている。
また、33都道府県で定着率が減少しており、上昇したのは秋田、神奈川など7県だった。
同省の担当者は、「公表しないという約束で大学に提出を求めたため、(都道府県別の)明確な数値は公表できない」としている。
更新:2009/02/12 23:22 キャリアブレイン
新着記事
- 医師70人が名ばかり管理職 北九州、労基署が ...(2009/02/13 00:00)
- インフル流行ピーク越えか 速報で患者数減少 ...(2009/02/13 00:00)
- リレンザ2百万人分追加へ(2009/02/13 00:00)
注目の情報
PR
記事を検索
CBニュース会員登録メリット
気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。
一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を
プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?
【第48回】大橋謙策さん(日本社会事業大学長) 福祉や介護の人材不足が懸念される中、専門大学として評価が高まる日本社会事業大の大橋謙策学長は、生きる意欲を引き出す福祉プログラムやケアマネジメントが求められていると指摘する。また、インドネシアなどから介護士候補が来日する中、福祉・介護人材の国際的な流動 ...
「これからの薬局は、処方せんだけではない」と話すのは、茨城県坂東市で「つむぎ薬局」を経営する斎藤陽介さん。株式会社メディカルキャビネットの代表取締役社長として、処方せんに百パーセント頼らない薬局経営「脱処方せんへの道」を提唱している。 今年3月には、「薬局の便利な利用法―知って得する4つの知恵―」 ...
WEEKLY
子どもや若者の間で、重い場合は10歳前後で永久歯を抜歯するなど口腔内の「健康格差」が深刻化しています。「口腔崩壊」の実態に迫りました。