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小児救急電話相談を深夜・未明も 奈良県
このニュースのトピックス:救急搬送受け入れ問題
奈良県が、県医師会の協力で実施している小児救急医療の電話相談の開設時間帯を今年4月以降、民間の医療サービス会社に委託して拡大、深夜〜早朝も実施することが12日、分かった。実施日も従来の土・日曜、祝日限定から平日にも拡充、通常診療の時間外を全面的にカバーする体制が整備される。同県内で相次いだ妊婦死産問題などを受けた医療充実策の目玉事業で、民間会社に委託する手法は全国的に珍しく、県は「全国で最も手厚い体制になる」としている。
奈良県内では現在、開業医約40人が持ち回りで、土・日曜と祝日の午後6時〜同11時、小児救急医療に関する電話相談を受け付けている。しかし、同県内の小児輪番病院の患者数は平成19年度に約1万6400人と、10年間で約1・5倍に急増。医師の負担解消が課題とされていた。
このため県は来年度、民間の医療サービス会社に依頼して小児医療専門の看護師を派遣してもらい、相談業務にあたってもらうことを決定。平成21年度当初予算案に委託費1300万円を計上する方針を固めた。
これにより、相談の終了時間を深夜・未明も含む翌日午前8時まで延長するほか、平日も実施していく。
県地域医療連携課は「電話相談を充実させることで保護者の不安を解消し、軽症患者の輪番病院への集中を避けて医師の負担も軽減できる」としている。
一方、県は、重症妊婦の受け入れ病院を専任で探す「コーディネーター」制度は3月末で廃止する方針。同制度は、妊婦死産問題を受けて19年12月にスタートさせたが、利用が通算で5件と低迷していたため。県は今後、医師が利用しやすい新制度創設を検討していく。