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2005-05-15
■[歴史][反日][極東] 歴史書の信憑性(南京事件)
日韓併合の歴史を色々本で読んでいて、その中で参考にしているもののなかに、日本の過去をかなり自虐的に書いてあるものもある。ひとつ目に付いたのが、小和田哲男という人の書いた以下の本。何でこの本が家にあったのかよくわからないのだが、たまたまあったので一応参考にはしてみたのだが。
この本の所々、描写が「とくかく日本は悪かった」というトーンで書かれているのが目に付く。第一次大戦への参戦を「火事場泥棒」などと表現している。弱肉強食の時代にあって、日本は必死で頑張ったのだと思うのだが、それを「火事場泥棒」などと表現するこの小和田なる著者は一体どんな視点から先人たちの歴史を見ているのだろうか?せめて「漁夫の利」くらいの表現にしてくれ・・・って、大差ないか?まあそういう側面があったのは確かにそうだろうが。弱肉強食の時代であり、そうするのが近代国家として生き残っていくための正しい選択だったと思う。
これより、もっと気になったのは「南京大虐殺」に関する記述である。文章に矛盾が目立つ。
南京大虐殺は、日中戦争が弁解の余地のない侵略戦争であったことを、事実でもって示している。
まあとにかく「事実」としてあった、これが侵略戦争の根拠であるという事を言っている。ということは、これが事実でなかった場合、日中戦争が侵略戦争であるとする根拠がかなり揺らぐ、すなわち、日中戦争を侵略戦争であるとみなすために、その最大のシンボルとして、どうしても「南京大虐殺」があった、ということでなければ困るわけだ。
ところでこの南京大虐殺については別な見方があることも私は承知している。
一つは、犠牲者の数を「中国側が主張する30万とか40万を鵜呑みにする必要はないではないか」という意見である。たしかにそうかもしれない。被害者側である中国が、犠牲者の数を多く算定することで、日本軍の蛮行をさらにきわだたせ、犯罪性を強調している可能性が全くないとはいいきれない。
南京事件については、当時人口が20万人だった南京で30万人以上の虐殺がおこなわれるはずなどないから、犠牲者の数は明らかなウソだろう、さすがにこれをそのまま信じている人は今ではかなり小数派だと思う。だから教科書でも犠牲者30万人という記述が減ったのである。しかし、まだ1社はこれをそのまま書いているらしいが。
こうして、ある程度まっとうな事を言っているのかと思うと、その後一転する。
しかし、研究は中国においてはるかに進んでいる。資料も圧倒的に中国の方が多い。本来なら日本と中国の共同研究による数の確定という作業が必要であるが、現時点では、中国側のいう「最低30万人、場合によっては40万人」という数を出発点にすべきでないかと考えている。
あれあれ?さっき「被害者側の中国が被害を誇張している可能性がある」みたいに言っておきながら、今度は「研究は中国においてはるかに進んでいる。資料も圧倒的に中国の方が多い。」となっちゃうんですか?中国での研究や資料が「犯罪性を強調している可能性が全くないとはいいきれない」と言っておきながら、この論理の矛盾は一体何なのでしょうか?だいたい、中国の言い分は誇張だけでなく多くの捏造があると言う見方もあるんだが、それらの検証は後回しで、まず中国の主張があくまで出発点という事らしい。どうしてそこまで中国を信用したり尊重したりするのだろうか?
仮に将来、犠牲者の数がそれより減ったとしても、「日本軍の蛮行」という定義付けに変更があるとは考えられないからである。
・・・要する「日本軍の蛮行」の事例としてこの事件が重要なのであって、細かい中身はどうでも良いという事なのだろう。犠牲者の正確な数だとか事実関係や資料の信憑性などはどうでも良い、とにかく日本軍が蛮行をはたらいたという事実こそが重要なのだという主張もよく耳にする。したがって犠牲者数の多少の誤差など問題ではないし、ましてや虐殺がなかったと言うことなどありえないし、そんな検証も許されないという事なのかもしれない。
しかし、最近の研究で南京大虐殺の証拠写真と言われていたものに証拠能力があるものは1枚もなかったと言うことがわかっている。
さらに、当時の南京では事件のあったとされる1ヶ月後に人口が5万人以上も増えているらしい。大虐殺があった場所で人口がこんなに増えるなんて考えられないだろう。中国人の多くが、南京は安全な場所だと聞いて集まってきたに違いない。
それにしても、学者とよばれる人たちが中国側の研究とか資料というものにあまりにも無批判なのは不思議だ。彼らは結局「日本軍の蛮行」を宣伝するための口実が何としても必要なのだろう。まず結論ありきである。だとしたらもっと正確に犠牲者数や事実関係を批判的に検証すべきである。「大虐殺」が事実ならそんな事でゆらいだりはしないだろう。何もムキになる事はないではないか。ということは、彼らは、正確な検証を許してしまうと、事実が揺らぐ可能性がある事を知っていて意図的に議論を封じようとしているのではないかと思ってしまう。
この件では、いかに今までの日本ではまともな証拠にもとづいて議論されてこなかったかが、ここに示されている。これも憲法と同じである種のイデオロギーと化していて、疑念をはさむと極悪人とか軍国主義者とレッテルを貼られる。その真偽や事実関係の検証すら許さない空気は、もはや「信仰」の域に達している感じさえする。
はじめにも書いた通り、「過去の日本が行った野蛮な侵略戦争」の大きな根拠として「南京大虐殺」がある。ということは、「南京大虐殺」が事実と違うとなれば、日本の過去への評価もかなりわってくるのではないか。私の知人でも、「過去の日本の戦争には安全保障のためという側面が大きかったのは確かだが、中国大陸や朝鮮半島で日本軍はあまりにも残虐行為をはたらきすぎたから一切弁解はすべきでない」などと言う人もいる。従軍慰安婦や南京大虐殺などが事実でないとするなら、過去の戦争に対する多くの人の見方がかわってくるのは間違いない。だから彼らは必死になって言論弾圧し、学術的な検証ですら妨害しようとするのだろう。
少し前の「たかじんのそこまで言って委員会」で南京事件をとりあげた時、南京虐殺肯定派のデーブ・スペクターでさえも、数々の証拠をつきつけられて、最後には自分の考えをかなりぐらつかせていた。日本の教育界やマスコミは長年左翼に支配され、中国側の主張をろくに検証もせずに一方的に垂れ流すだけだった。この小和田氏などはその一例だろう。しかしマスコミの中にもう少し、この「たかじんのそこまで言って委員会」のように、事実を正確に検証しようとする姿勢があってくれれば、何が本当なのかはっきりしてくるだろうし、一般人のレベルの「南京事件」への認識も、現状とはかわってくるのではないかかと思う。
(追記)南京事件について、id:sanhao_82さんが、もし南京大量虐殺があったならば、その遺体の処理はどうしたのかという点から興味深い考察をされています。http://d.hatena.ne.jp/sanhao_82/20040929