2日に噴火した群馬、長野県境の浅間山(2568メートル)について、東京大学地震研究所の田中宏幸特任助教(高エネルギー地球科学)は12日、噴火の原因は水蒸気爆発だったとの観測結果を発表した。火山を通過する素粒子を解析したところ、火山内部でマグマの上昇がみられなかったという。
昨年秋に設置した検出器で、マグマと土壌で透過量が異なる素粒子「ミューオン」を観測し、火山内部の構造を解析した。それによると、噴火はマグマによるものではなく、熱で膨張した水蒸気が噴き出し、火口の底に積もった古い溶岩を吹き飛ばした現象であることがわかった。
吹き飛んだのは2004年噴火時の溶岩とみられる。縦約50メートル、横約60メートル、厚さ約20メートルで、容量は推計で数万立方メートル。採取した火山灰を分析した東大地震研の中田節也教授(火山学)も「ほとんどマグマがゼロに近い水蒸気爆発だった」と、同様の見方を示している。(00:06)