これまで何度もこのブログで紹介した、平成17年6月7日の郵政民営化特別委員会の私の質問についてここで再度とりあげる。一度した質問は永久に消えない。改ざんもできないし、歴史に残る。
今、当時のことを思い出すと、前日質問をとりに来た郵政民営化準備室の関係者が、「この質問だけは竹中大臣にしないで欲しい。準備室長に答弁させていただきたい。」と強く迫った。彼らは大変丁寧なものごしでありながら、執拗にくいさがってきた。なぜ与党の議員なのにこういう(一番核心に触れる質問)をするのか、とにかくとりさげてくれと言わんばかりの迫力で、私も役人ながら大臣を守ろうとする使命感たるやあっぱれだなと思ったくらいだった。
それでも私はひるまずに、「私は竹中大臣を困らせるつもりは毛頭ない。しかし、アメリカの対日要求の問題は国益にかかわる大変重要な問題であるにもかかわらず、ほとんどの国民が真相を知らされていない。国民にきちんと真相を知らせる必要がある。私は郵政民営化問題の最高責任者の竹中大臣から(過去何回アメリカの官民関係者と会談したかについて)直接説明していただきたい。申し訳ないが竹中大臣以外の答弁は一切受け付けない。」として、彼らの要求を最後まで突っぱねた。(それにもかかわらず実際は委員会では他の部分で準備室長が勝手に割って入って答弁し、やじが飛ぶ一幕もあった。)
「過去一年間に17回」という極めて重要かつ画期的な答弁を引き出したにもかかわらず、翌日のマスメディアは全くといっていいくらい記事にしなかった。(あとになって日本共産党の機関誌の「赤旗」だけがこれを記事にしたと聞いて驚いたくらいだ。)
ある筋から圧力がかかって記事にならなかったというよりも、おそらく郵政民営化の中身や本質、そしてその背後にひそむ利権の問題について全くといってよいほど当時の一流紙の記者は理解しておらず、「17回」という答弁そのものの重要性が分からなかったのだろうと今でも信じている。そう、信じたい。
私は採決の際に反対するかもしれないという理由だけで郵政民営化特別委員会の委員をはずされ、中身を分かっていないただ賛成するための議員と無理矢理さしかえられたことを思い出す。総務会の異例の採決といい、郵政関係合同部会の執行部の議論打ち切りといい、中身もさることながら手続き的にも異常なことばかりがおこった。民主主義に対する危機感すら覚えた。
当時の私の行動をたとえると、第二次世界大戦末期のフランスのペタン政権下でのレジスタンス活動のようなものである。見つかって殺されようとも、国民、市民を巨悪から守るという正義感と必ず歴史は自分たちの正しさを証明するという強い信念である。ドイツに10年近く住んでいたおかげで、全体主義に対する「抵抗運動」がどういうものか理解していた。そのことも多少影響しているだろう。
「天網恢々疎にして漏らさず」
「平成17年6月7日郵政民営化特別委員会」
城内実委員(当時):「昨年(注:平成16年)の四月から現在までの約一年間、郵政民営化準備室に対する、米国の官民関係者との間での郵政民営化問題についての会談、協議ないし申し入れ等が何回程度行われたか、教えていただきたい。」
竹中平蔵国務大臣 (当時):「昨年の四月二十六日から、郵政民営化準備室はアメリカの政府、民間関係者と十七回面談を行っている。」
城内実委員(当時):「十七回ということは、月に一回は、アメリカの方で早く民営化してくれと言ってきているということだ。かなりの頻繁な数ではないか。それでは、米国生命保険協会がこれまで累次にわたり郵政に関し要望を行っているが昨年から現在まで、郵政民営化に関してどのような内容の声明を出しているのか、そしてそれは大体何回ぐらい出しているのか。」
竹中平蔵国務大臣 (当時):「米国生命保険協会は、昨年来、郵政民営化に関連して、完全なイコールフッティングが確立するまでは郵便保険会社は新商品の発売を認められるべきではない等の主張をする声明等を出している。同協会のホームページによれば、昨年三月以降現在まで、九回の声明等を発出したものと承知している。さらに米国生命保険協会は、郵政民営化法案に関し、五月十七日付で、この協会は引き続き日本の郵政民営化法案に懸念と期待を表明すると題する表明を発表したというふうに承知をしております。」
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◎ 政 治 ◎ 郵政利権=カイカク利権
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郵政4事業合体で国営化に賛成か反対かを問う次期総選挙へ民主党立候補者224人が
大合流。皆さん郵政国営化に賛成ですか、異議なし!!!
支持する 12 支持しない 1
貴方はどっち
http://www.civillink.net/php/sample/104.html
城内まさ、いつも御国の為にご活躍いただき誠にありがとうございます。
城内先生の、このときの国会の映像を見ようと「衆議院インターネット審議中継」にアクセスしたら、「平成20年 1月16日以降のものを提供」とのことでした。数年前の動画を提供しないなんて何のために動画を配信しているのかちょっと理解できません。。
>翌日のマスメディアは全くといっていいくらい記事にしなかった。
南京関連など、大きな国益に関わることは、全くと言っていいほど報道されないことは、「人権擁護法案」や、「国籍法改悪」でネットで多くの人に伝わってきていると思います。
ネットは情報を隠しにくい特徴があり、動画サイトでは限界を超えるほど情熱的な下記のような映像が人気になりますので、ご参考にご覧頂けましたら幸いです。
・西川京子先生のマスコミ批判
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6033114
・細田先生の代表質問
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5987950
城内さんの主張は、全く変わっていないですね^^当たり前ですが
この国のトップは、どうも二転三転しているようです
ただ、民営化してアメリカの利益になるといっても、その仕組みを理解しないと「民営化したところで、アメリカのものになるわけじゃないし」と思っている方が多いと思います。
実情は全く違うという事を、もっとたくさんの人たちに知ってもらう必要があるように感じます。
なるほど・・・
きちっと議事録の残る公の場で発言していくことにはこういう重要な意味があるんですね。
なぜ米保険協会が、郵政民営化を迫るのでしょう?金儲けしか考えられませんが。
郵貯簡保のお金を運用をしたいから民営化を迫るのです。
外資が過半数の株を持っているオリックスが109億円という格安に高級物件を含む不動産を手に入れようとしたように民営化にはいろいろな利権が存在する。しかし、郵便事業には旨みがないから4分社化で切り離して美味しとこだけ頂戴というのが真実だと思う。
一昨日からの皆さんの意見を見ていると、「ブログ炎上」で逮捕者!を見ているようです。例えブログへの投稿でも人の前で正々堂々と話せる意見を述べるべきでは?さて、麻生総理の発言は明らかに国民への背信ではないのでしょうか?記憶に新しい自民党の総裁選挙で麻生さんは「総務大臣として郵政民営化は私がやりました。担当大臣でしたから」とはっきり言っています。これを否定することは国民を馬鹿にした風見鶏と言うより嘘つきです。なぜマスコミはこの発言を「ぶれる」で片付けるのか。見直し議論とは全く別問題です。
総理、よく言ってくれました。
喜八さん的にいうと小泉竹中にくっ付いていたら地獄の底に落ちるから、麻生さんは今のうちに「損切り」して逃げようということです。マスゴミもいつ損切りをして社会の害悪として小泉竹中に石を投げようかと思案している過渡期なのでしょう。小泉竹中を担いだ罪は麻生もマスゴミも同罪なのですが泥舟にいつまでも乗ってられないのでしょう。
全国、津々浦々、国民の為の、生活の為の、物資、音信を届けるための事業ですので、国民の財産で行うのであれば、当然、民ではなく、国家が行う、ごく自然でしょう。話は、もどりますが、すみません、(自然の摂理と言うか、ライオンの生態では、オスライオンは、用が、済んだら、別の雄ライオンと雌ライオン共々から、なわばり、から追い出されるそうだが。テレビ番組を思い出して)これも、自然かなとおもいます。
> ケーキ屋さん
> マスゴミもいつ損切りをして社会の害悪として小泉竹中に石を投げようかと思案している過渡期なのでしょう。
まったく同感です。
おそらく、ある時点を境に、猛烈な「小泉・竹中叩き」報道が始まるだろうと思います。
それが「マスコミ」のいつものやり口ですからね。
マスコミが圧力に屈したのではなく、
積極的にAIGのお金がほしかったんでしょうね。
まあ、私たちがどうしようとマスコミは郵政民営化反対の意見を
紹介せざるを得ないことに気づいた後のはずですけどね。
問題の大きさに耐えられない状況です。
「元」ケインズ派の麻生さん、
消費税増税も郵政4分社化と同様の発言をお願いします。
「私は本当は09年における将来の増税決定には反対だったんだ。
ただ当時の総理に従っただけだ。担当大臣も違う。」
昨日TBSのNEWS23を見ていて、「今の総理や造反復党組が力をもってきていて、総理を変えないとカイカクがとまってしまう」といっているように思いました。さらに、かんぽの宿の入札でオリックスは問題ないという感じでした。マスコミってカイカクとか「ぶっ壊す」とか好きというか、本能的に正しいと思っているような気がしてなりません。たとえだ、既得権益を破壊したあと、誰が利益を得ているのか、ちゃんと検証してほしいものです。決して国民や庶民がよくなっていないことが分かるはずなのに。漢検の協会など小さくて分かりやすければ報道するが、オリックスの宮内さんのように大きすぎて少しわかりにくいと報道をやめてしますのでしょうか。それが報道の仕事だと思うのですが。
相撲の「初っ切り」を思い浮かべてしまった。はじめは反対2年の間に勉強し民営化には賛成、利便性、効率性、分社化には見直す余地あり。これはますます絡まって行きそうな気配で、先が長くなるのではないかという感じがした。これからの推移を見なければ。
【憂(う)きことを海月(くらげ)に語る海鼠(なまこ)かな】
(黒柳召波)
先日、事務所におじゃま致しました。おじさんに、お茶・お菓子等をごちそうして頂きました。ご趣味の話も聞かせて頂きありがとうございました。
帰りには賀茂真淵が祭られている「縣居神社」・「記念館」を訪れた。浜松へは十年ほど前から度々行っていたが、今回機会を得て神社の方へも行くことができました。私如きが言うまでもありませんが、江戸中期の国学者(国学を樹立した)・歌人であり県門は340名もあったそうです。著名な人物として本居宣長、平田篤胤等々和歌、万葉集版本も見ることができました。何かすっきりとした気持ちで帰りました。重ねてお礼申し上げます。
【よき言を一言主の大神の幸ひまさむ杖たてまつる】
似たようなことが行われているものだと思いました。
私も企業内のある大会で何を質疑の題材にするか前日に問われたことがある。「何でも結構ですよ」と返事をしたが、それでもということだったので、時間が余った場合にと考えておいた中から2点題材とした。
何度か経験していたので、多少自信もあったが特別不安もなかった。終わってから何か一抹の虚しさを感じた。新しい上司としては心配だったのだろうと思います。一企業においてあり、国政においても然り。
【之を知るを之を知ると為し 知らざるを知らずと為す。是知るなり】
(論語)
※ ピンと外れですので削除対象にして頂いて結構です。
とうとう、鳩山大臣、麻生総理、野党皆さん、城内先生等のご努力で、まずは、かんぽ問題で司直のメスが入りそうですね。記事元が、ZAKUZAKUなので真偽の程はアレですが。こういう記事が出る事自体始めてだと思います。昨日もTBSの夜のニュースで直接は譲渡を批判せず、有馬温泉の地元がかんぽの宿引取りたいとの陳情についてやってました。源泉が余りなく死活問題になりかねないそうです。もし二束三文で売るなら地元に役に立つ様、温泉として使うとこはそのまま、老人介護施設、病院等有効利用して欲しいと願うのは国民の総意でしょう。どうせ、雇用の維持だ赤字だからと屁理屈つけて安く譲渡されても、転売されるものですし。一応URL張っときます。こういった報道が大手新聞等全体に伝わるといいですね。後、静岡県民じゃないので投票は出来ませんが、次期選挙での先生の復活を期待してます。
http://www.zakzak.co.jp/top/200902/t2009021041.html
各政党も独自に情報収集…「かんぽの宿」売却問題
当局が捜査着手、立件を視野に…
10喜八様の青色を、クリックして思う事、*みんかん「民間」1特殊な専門家・研究者の側に属さない一般国民の形作っている社会。世俗「-薬・-信仰・-{=世間一般に行われているだけで、学問的裏づけの無い}療法」 2・政府・官庁などの公的な機関に属さないこと(人たち)。「みんかんペースで進められる/民間人 3・-会社[ーー放送]国庫補助によらず、もっぱら広告放送の料金で経営する、民間の企業による放送。商業放送。<国語辞典の定義・・なんで、国民から、選ばれない、ヤツが大臣なんだ!!よくも化(ば)けたもんだ!!民主主義じゃない!何度も、先生が、国民は目覚めるべきと、言われることがより明確に浮かんでまいりました。
かんぽの宿でオリックスに、大分のコンサル脱税事件でキャノンに司直の手が入り始めました。カイカク利権で高笑いしていた人たちが狙われたように疑惑の目を向けられはじめています。西松建設の件もまだ動きがありそうです。
いずれ城内先生の質問は全国に知られるようになると思います。そうなったとき、それを潰したのは誰か、報じなかったのは誰か、全てが周知されたとき、国民の怒りは頂点に達するのかもしれません。
>> 田舎のおじさん (さんの・・・下記について)
> 記憶に新しい自民党の総裁選挙で麻生さんは「総務大臣として郵政民営化は私がやりました。担当大臣でしたから」とはっきり言っています。これを否定することは国民を馬鹿にした風見鶏と言うより嘘つきです。
まあ、たしかに「民営化」自体は推進なのだが、問題はこの「担当大臣」
このような不審は尤もなことだと思います。
しかし、その総裁選時でも麻生氏は、同時に「民営化見直し」も明言しているわけです。否、それどころか総務相時代にも記者会見で同様の姿勢を示しているわけです。つまり、見直しについては終始一貫しているわけです。
○ このような政治面について、単純に捉えると誤解しやすいとは思う。
「依存症の独り言」ブログコメント欄によい考察があったので参考までに。
・・・・・・・以下2009/02/06エントリーのコメント欄のコピペ・・・・・
>しるさん
こっちも転載ですが。
A. 郵政民営化を総務相として担当した。
B. 「郵政民営化担当大臣」ではなかった。
なるほどね。
>>198のソースを見るに、
http://www.jnpc.or.jp/cgi-bin/pb/pdf.php?id=364
では一度も「郵政民営化担当大臣」と繋げては言ってないな。
一方で
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090206/plc0902061940013-n2.htm
では「郵政民営化担当」と常に繋げて言ってる。
含意としては、
「竹中氏のように初めから郵政民営化に100%賛成で担当大臣に任命されるようなことはなかったが、私が骨を折ってきちんと制度設計はしたつもりだし、これからも利用しやすいように、そして利益を出せるように見直していくつもりだ」
ということか。大学受験の国語の問題よりは簡単だな。
投稿: さえぱぱ | 2009/02/07 02:24
・・・・・・・・以上コピペ・・・・
改革利権ってすごいですね。
数年前は全然気づきませんでした。
私は昭和29年に生まれました。戦後から9年、食べ物は在りませんでしたが豊かな食生活を営んでいたと思います。冬は干し芋、干し柿、春は僅かばかりの草餅、夏はトマト・きゅうり、秋は柿、着ている服など継ぎ接ぎだらけこの継ぎ接ぎがお袋の愛情の勲章みんな貧乏、でも極貧と言う認識はありませんでした。イスラムの教えと同じように仏教徒の日本人も互助の精神で助け会っていたと思います。今はどうでしょうか?金に裕福な輩は貪欲にも明日の暮らしにも困っているものから搾取し1円でも多く設けようとし三途の川を超えるために不必要以上の金を貯め続けようとしていませんか?餓鬼の世界を見ているようです。市場原理社会は機能しなくなったのです。私のような青二才が言うのも可笑しいですが日本人の「世界に冠たるもの」互助の精神と礼節を取り戻しませんか?貧乏は恥ではありません心の貧乏が恥です、経済的弱者を作ったのは政治です決して貴方達、私ではありません。
こんにちは。
ランキングから来ました。
いくつか読ませていただいたのですが、文章がキチキチに詰まっていて
ちょっと読みづらいかな、という気がします。
程よいところで一行か二行スペースをとっていただければ、読みやすく
なると思いました。
電話取材の「郵政は反対が多かった」というお話は初耳でしたが、興味
深かったです。
いつもご活躍期待しています。
簡保福祉事業団の「かんぽの宿」が問題になっていますが、日本郵政の不動産はこれだけではありません。全国の郵便局は「財団法人郵政福祉」所有でしたがそのほとんどが日本郵政に売却され、その後バルクで外部に売却されています。売却先には日本の会社とゴールドマンサックスが共同出資したSPCなどが散見されます。勿論そのSPCは転売して転売益を得ています。平成20年までに1518局が1457局売却済み(同財団事業報告書11頁)
http://www.yuseifukushi.or.jp/jigyo/pdf/19_jigyo.pdf
かねてから先生のご指摘の通りに事が運んでいると思います。
一日も早く国会に復帰され、このような事態を阻止していただきたいと思います。
年金暮らしの定年退職者で政治は、有権者が批判票を投じてこそ変わるという信念を持つ、無党派層の男性です。城内さんは時々テレビ番組に登場し、地道な活動の様子が報道されています。そこには多くの政治家が省みない原点の様なものがあり、思想信条を越えて評価されても良いと思います
城内さんの「郵政民営化」に対する主張は、大雑把に言うとアメリカの強い要望に沿ったもので、言い成りは問題ありとのことなのでしょうか。確かに「郵政民営化」は、アメリカに利益をもたらす側面があるかも分かりません。しかし、本当にそれが全てなのでしょうか。とてもそれだけだとは思えないし、そうならない様にするのは十分可能であり、またそうするのが政治家の責任です。
前回の総選挙で「郵政民営化」が、何故国民の圧倒的な支持を受けたのか、客観的な視点で活かして欲しいと思います。最近の定額給付金の支給に対する国民の反応や、地域での評判を見聞きする限り、庶民は弱者を思いやり、子供や孫の将来をちゃんと考えています。政治家よりも遙かにバランス感覚があり、健全さが感じられます。この視点から見ると、「郵政民営化は」国民が劇場型政治に惑わされ、熱狂した結果の産物という某有名旧政治家の見立ては、あまりに単純でお粗末過ぎる様に感じます。選挙民を侮ってはいけませんね。総選挙の結果である「郵政民営化」を考える上でのキーワードは、下記の様なことではないかと私は思います。
国民がこの課題を通じ、間接的に政治の在り方に付いて、何らかの変化を期待したとは言えないでしょうか。私も山陰地方の中山間部の出身であり、市街地を除く特定の地域によっては、旧郵便局の持っていたメリットに付いて、それなりに理解は出来ます。しかし、実態はそんな奇麗事ばかりではありません。以前家内が7名位の職員が居る当地の特定郵便局で、尋ねごと相談をした際のことですが、局長に「そんなことは良く分からないので、本局に行って聞いて呉れ」と言われ、カンカンに怒っていました。お客様相手の商売で、こんな横柄なことが平気でまかり通っていたのです。その発言の裏には、「俺達には、政治家の先生達が付いている」というあからさまな態度が、見え隠れしています。こんな厭な思いを何らかの形で経験した人は、少なからず居ると思います。
TVの番組では、全特の元幹部の方が顔は映さないものの、「政治家は票や金が欲しいから、圧力を掛ければ全特の言うことは何でも聞く」と、公に発言されていました。嘗ての地方の特定郵便局では、職員は手持ち無沙汰でも、地域の経済実態とはかけ離れた高給を貰い、退職すれば多額の年金と退職金を手にしていました。特に自前の局を持つ特定郵便局長の場合、郵政職員であって職員ではない様な、政府丸抱えの公営企業経営者の様な、破格の厚遇を受けていました。郵政職員の責任ではない点もありますが、これらのことに、庶民が少なからず反発感情を抱いていたことは、間違いありません。
本来国民の利益を図るのが目的の郵政事業が、特定の人達の権益を守る為の手段になっていた側面は、否定しようがありません。「郵政民営化」と言う荒療治か無ければ、何も変わらなかったでしょう。「郵政民営化」を問題視されるのなら、これらの点についての考え方と、もし問題点との認識ならば、どの様に改善されるつもりだったのか、明らかにして欲しいと思います。アメリカの陰謀云々というだけでは、やはり物足りなさを感じます。
もう一つは、やはり郵政民営化がもたらした、メリットとデメリットの適正な評価だと思います。郵政民営化に付いて、相も変わらず一部の政治家、マスコミ、全特関係者の方が批判的な主張をされていますが、大切なことは郵政を民営化したと言う政策の根幹部分が、正しいかどうかだと思います。与党が衆議院の議席の3分の2を占める程、国民に圧倒的に支持された事実は、とても重いものであり、殆どの批判的意見は改善可能な問題の様に思えます。現在巷で話題の城内さんもご指摘の諸問題は、「郵政民営化」が悪いのではなく、政治家諸氏、特に本来主導すべき立場にある衆議院の多数議席に安住した与党議員の、政治的怠慢がもたらしたものだとは言えませんか?
昨年のマスコミ報道で、全特の方が政治家を招いた決起集会の様な場での出席議員の態度には、幻滅させられました。全特関係者の方曰く「業務が煩雑になった」、「繁忙になった」、「本人確認やチェックに手間が掛かり、仕事にならない」云々、これらは愚痴でしかありません。民間の金融機関なら当たり前のことが、公的金融機関の郵便局が出来ていないことを、露呈しただけのことです。親方日の丸の旧郵便局なら、法令を遵守しなくても許されたと言うのでしょうか。「郵政民営化」が無ければ、こんないい加減なことが、そのまままかり通っていたことになります。
票や金が欲しいばかりに、あまりに身勝手とも思える主張に、いちいち相槌を打ち賛成意見を述べる様な議員には、決して与して欲しくありません。こんなのはとても政治家の信念や、見識とは思えません。国民の信託を受けて、本来あるべき望ましい形に近づける努力をするのが、政治家本来の使命の筈です。こんなレベルの議員さん達には、「群盲、象をなでる」、「林を見て、森を見ず」と言う格言がよく似合います。
来る総選挙では城内さんの努力が、恐らく成果に結びつくものと思います。政治家として人の上に立つ志を持つ方々は、「郵政民営化」に限らず物事の全体像をしっかりと把握し、事実に基づいた的確な対応をする様に、精進して欲しいですね。城内さんが今後スケールの大きい政治家として、大成されることを祈っております。