衰退著しい米宇宙産業(下)
欧州やアジアの衛星関連企業は当時、米国企業に大金を支払い、製品と技術を買い取った。このおかげで米国企業は技術革新をリードすることができた。ところが、米国の商業衛星関連製品と技術がITARの対象となったことで事情は一変した。フランスのタレス・アレニア・スペース社が製作した衛星に米国企業のソフトウエアが搭載された場合、この衛星はフランス領ギニアであれ、米国の同盟国ドイツであれ、フランス以外は輸出することができない。衛星運営世界最大手の米インテルサット社のグード副会長はニューズウィーク誌で、「政府からITAR輸出許可証を得ることは予測しがたく、一貫性もない」と語っている。
以前のように米国の技術を自由に使用することができなくなった欧州とアジアの企業は、自社での技術開発に取り組むようになった。その結果、市場構図に変化をもたらした。
では、市場を放棄してまで守ろうとした米国の衛星関連技術はどうなったのか。もはやそれらの技術は、世界で広く使用される平凡なものになってしまった。ニューズウィーク誌は、現在衛星関連の最先端技術を有しているのは米国企業ではなく、コスモ・スカイメッド(イタリア)、サー・ルーペ(ドイツ)、テラサルX(英国・ドイツ)といった外国企業だと報じている。
しかも世界衛星産業の規模は2002年は713億ドル(現在のレートで約6兆4900億円、以下同じ)だったが、2007年には1230億ドル(約11兆1900億円)と、年平均11.5%の成長率を見せている。というのは、衛星放送や全地球測位システム(GPS)関連機器、衛星電話などの普及が拡大し、商業衛星の需要が増大したからだ。市場は大きくなったが、米国の占める割合は低下した。
こうしたことから米国の宇宙産業界では「政府の輸出規制が米国企業の革新能力を低下させ、結局米国の安全保障にも弊害をもたらした」との指摘が出ている、とニューズウィーク誌は報じた。
イ・ヨンス記者
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