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海自派遣に賛否 「建国記念の日」に集会

2009年02月12日

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「建国記念の日」に反対する集会では田母神論文やソマリア沖への自衛隊派遣が取り上げられた=金沢市広坂2丁目

 「建国記念の日」の11日、金沢市内で建国を祝う団体や記念日の設定に反対する団体がそれぞれ集会を開いた。ソマリア沖への海上自衛隊派遣については双方から意見が出され、反対派の集会では田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長(元小松基地司令)が発表した論文の話題も出た。

◆安全保障の議論必要 奉祝の会◆

◆戦争への動きと警鐘 市民団体◆

 金沢市広坂1丁目の石川郷友会館であった「建国記念の日奉祝の会」には、元軍人らでつくる県郷友会の会員や県選出の国会議員ら約100人が参加した。

 同会の池村清孝会長は、米国のオバマ新大統領の就任に触れ、「世界の流れが変わるのか世界中が注目している。日米関係も変化の時。信頼される同盟国として、率先して助言をしていかなければならない」と述べた。

 来賓として出席した衆院議員の馳浩氏は、海賊対策として海上自衛隊をソマリア沖に派遣することについて「世界の船の安全を守るため。新しい法律で、安全な装備をさせて派遣しなければならない」とあいさつ。自衛隊の武器使用権限を拡大する海賊対策新法とともに、安全保障問題を議論する必要性を訴えた。

 自衛隊の古垣吏一・石川地方協力本部長は「金沢市は武士道の精神を残す土地。愛国の精神、自衛の精神を発揚していきたい」と話した。

 一方、同市広坂2丁目の県生涯学習センターでは市民団体が主催する「平和と民主主義を考える集い」があり、約80人が出席した。

 集いでは、安保破棄県実行委員会の柴原和美事務局長が、日本の侵略を正当化する論文を発表した田母神氏の思想を検証。画像を使いながら「自衛隊のトップが戦争を公然と美化し、軍備強化の言動をすることは、戦前の軍部の独走に似たものを思わせる」と指摘した。ソマリア沖の自衛隊派遣についても「米国と一緒に自衛隊を海外で戦争させる動きと連動している」と警鐘を鳴らした。

 原水爆禁止県協議会代表理事の大森定嗣さんは、同市出身の詩人・松田利久さんについて講演。戦時中、入隊直後に二十歳の若さで亡くなった松田さんの詩を詠み、「民主主義がなかった時代を振り返り、平和と憲法の重要さを改めて確認しよう」と呼びかけた。

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