県が10日に発表した09年度一般会計当初予算案のうち、主な新規事業は次の通り。【中村有花】
◆経済・雇用対策
緊急課題であり、計24事業、計117億円を計上した。大規模な解雇や雇い止めを受け、1200人分の雇用を創出する。またハローワークと連携し、生活・就労相談から職業相談までを総合的に行う支援センターを設置する。
◆教育・福祉、医療・防災
新型インフルエンザの流行に対応するため、タミフルなど抗インフルエンザ薬の備蓄を3年間かけて9万人分増やす。子育て支援として、保育所を拠点とした交流事業や、放課後児童クラブの設置促進、医療機関の上手な受診方法を学ぶ講習会を開く。医師不足解消に向け、救急勤務医や産科医の休日・夜間勤務に手当を支給する。
◆観光振興
宿泊・滞在型の観光客の増加に向け、企業の研修会など団体旅行の掘り起こしを図る。「やまなし観光推進機構」を新設し、観光・物産プロモーション事業などを展開。また、開館20周年を迎える県立文学館に、県出身の俳人・飯田蛇笏(だこつ)、龍太親子の功績をたたえる記念室を整備する。
◆環境事業
東京電力と共同の太陽光発電所設置や、地形を生かした小水力発電の推進などを支援。企業に森造りへの参加を促進するため、二酸化炭素吸収認証評価を行う。融資を受けて住宅に太陽光発電設備を設置した場合、1件あたり10万円を上限に利子相当額の一部を助成する。
◆農商工振興
ワインビーフやフジザクラポークなど、県のブランド食肉の販路拡大を目指し、畜産物フェアを開催。海外でも人気の高い果実とともに、香港で観光物産フェアを開き、トップセールスを実施する。甲州ワインは欧州連合(EU)諸国への売り込みを強化し、プロモーション活動費や製造・開発費を助成する。
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【主な新規事業】
◆経済・雇用対策
ふるさと雇用再生特別基金事業費 18億4000万円
緊急雇用創出事業臨時特例基金事業費 8億円
◆教育・福祉、医療・防災
抗インフルエンザ薬備蓄事業費 8700万円
安心こども基金事業費 1億5900万円
認知症対策連携強化事業費 1400万円
DMAT設備等整備事業費 1600万円
救急勤務医・産科医等分べん手当支給事業費補助金 1億8746万円
◆観光振興
やまなし観光推進機構事業費補助金 1億2100万円
企業研修等団体旅行誘致促進事業費 160万円
東アジア観光客誘致促進事業費 120万円
◆環境事業
森林保全等を目的とした新税に関する検討事業費 260万円
住宅用太陽光発電設備導入促進事業費補助金 3800万円
クリーンエネルギー活用推進事業費 3億5998万円
◆農商工振興
県産農産物販売戦略推進費 3260万円
やまなしミートビジネスチャレンジ事業費 370万円
やまなし企業の農園づくり推進事業費 160万円
◆その他
リニア中央新幹線活用推進事業費 590万円
中央道沿線広域産業連携推進事業費 730万円
新県立図書館システム整備費 630万円
宝石美術専門学校整備事業費 1億4560万円
毎日新聞 2009年2月12日 地方版