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消えた中国漁船、北朝鮮による挑発恐れ避難?

 今月4日午後、西海(黄海)の延坪島沖で操業していた中国漁船50隻余りが突然姿を消し、北朝鮮による武力挑発の動きを事前に察知して避難したのではないかと観測が出ている。延坪島など西海5島の海上の北方限界線(NLL)付近で操業していた中国漁船は、先月末から徐々に減り始めたという。

 韓国軍当局はひとまず、北朝鮮による挑発とは無関係だというのが公式の見方だ。国防部の元泰載(ウォン・テジェ)報道官は11日の定例会見で、「過去2回の延坪海戦(同海域での軍事衝突)の際にも同様の動きがあったという説があるが、情報部門が確認した結果、事実ではないことが分かった」と述べた。

 1999年の1回目、2002年の2回目の延坪海戦はいずれも延坪島付近で起きたが、当時中国漁船は延坪島付近まで南下せず、ペンニョン島付近で操業していたという。中国漁船は2003年から延坪島付近のNLL海域で本格的に操業を開始したが、これまでに2回ほど一度に姿を消したことがある。しかし、軍消息筋によれば、当時北朝鮮による挑発はなかったという。

 それでも、中国が北朝鮮による軍事挑発の可能性が高まったことを受け、軍事衝突で自国漁船に被害が出ることを懸念し、漁船を避難させた可能性は排除できないとの指摘もある。実際に中国山東省の水産当局は、1月23日にホームページ上で西海5島海域での操業には特別の注意を払うよう自国漁船の船長に呼び掛け、最近は無線を通じた指示も行っているという。

 韓国軍当局は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の誕生日(16日)を前後して、北朝鮮が西海上で短距離地対艦ミサイルまたは地対地ミサイルを発射したり、第3の延坪海戦を挑発したりする可能性もあるとみて、北朝鮮軍の動きを注視している。軍消息筋は「今のところ、北朝鮮の艦艇が意図的にNLL無力化に向けた挑発を行おうとする動きはない」としている。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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