おいしい海苔の作り方(その1)
こんばんは。
0020と申します。
初めてスレッドを立てさせていただきました(^^)
日本の養殖海苔の生産過程を紹介させていただきます。
日本の海苔養殖の歴史
かんたんに歴史を紹介しますね。
海苔の養殖は、江戸時代の前期に江戸の品川沖の海で開始されました。
その後、日本各地で海苔の養殖が広まり、食文化の重要な材料として、日本国民に愛されました。
時間は流れて、江戸→明治時代♪
日本における、劇的な養殖方法の変化は、明治11年(1878)に訪れました。
富津の大堀村の平野武次郎(hirano takejiro-)が海苔の養殖史上画期的な技術を開発したのです。
試験を重ね明治20年頃に移植法が実用化しました。
明治30年、水産博覧会で「千葉県海苔棚移植法」を発表。
大正3年の大正博覧会で養殖技術を発表しました。
この後、海苔養殖業は、その技術を用い、画期的な繁栄をとげました。
その名も「海苔ヒビ移植法」!
さて、今回は、この「ヒビ移植法」を使った、おいしい海苔の作り方について、ご紹介したいと思います。
よろしければ、お付き合いください。
以下の写真は、約50年前の昭和28年の写真です。
(機械化が進んでいないので、明治時期と基本は変化していないと思われます)
平野さんが開発した、その海苔の養殖方法ですが。
簡単です♪
1 海を適当に網で囲う
2 適当に海苔をひっつける杭を打つ
3 海苔の胞子を海中にばらまく
4 勝手に海苔が杭に付着し成長する。
5 大きくなると収穫する
……嘘です。
もっともっと、大変な作業なんですね。
では、私と一緒に、海苔作りを見学しましょう♪
おいしい海苔ができるまで
(1)道具の準備編
Q 海苔を養殖するためには?
A、夏に山に行きましょう!
「……??????」
疑問に思う方がいますが、山に行きます。
9月です。
まだまだ暑いですね。
山につきました!
蝉の声が聞こえますよ。
↓
Q、何をしに来たの?海苔漁師お父さん?
A、「ソダ(木)」を集めに来たんだよ!
海苔は、自然の中では冬に岩などの表面について繁殖します。
養殖を行う漁師さんは、海苔が付着して育つベットに「ソダ」といって、木や竹を使います。
これに海苔を人工繁殖させるのですね。
漁師さんは、夏の暑い時、「ソダ」の材料となる枝を山まで取りに行きます。
また、たくさん使う人は買ったりもしました。
養殖場である広い海に立てる大量の「ソダ」を集めるのは大変な作業でした。
お父さんと一緒に、沢山の木を集めました!
持って帰ります。
↓
この写真はトラックですが、養殖方法が完成された当初の、明治時代(100年以上前)は、馬や牛で運んだと思います。
うーん。
ますます大変ですね(^_^;)
家に持って帰った木は、杭にするために、加工します。
海苔漁師さんの子供は、取ってきた「ソダ」の葉っぱを取る仕事をしました。
漁師お父さんは「ソダ」の長さをそろえます。
数本ずつ束にして海の底にささるようにけずります。
たくさんあるので大変な作業ですね。
↓
整然と並べられた、猟師さんの苦労の結晶。
とてもたくさんです。
このまま、お彼岸まで待ちます。
貝殻の中に潜って夏を越した海苔の菌は、秋のお彼岸(秋分の日の頃)になると、胞子を海水の中に出し始めるからです。
この「ソダ」はこの胞子が引っ付いて芽を出し育つためのベットになります。
(2)ソダを乗せて出発です!
さあ、9月の半ばがやってきました!!
もうすぐ胞子が出てきます。
「ソダ」を海に立てるときが来ましたよ。
出発です!
Q、何処に行くの?
A、もちろん、海にある、海苔の養殖場だよ!
漁師お父さんとお母さんが乗った船は、元気に養殖場に出発しました。

「ソダ」を積んだ船が船倉から出発していきます。
沢山の船が見えますね?
それもそのはずです。
生産量がふんだんだったからです。
養殖場は、とても大きく、いくつかの部落が協力して海苔作りに励んでいました。
明治時代に開発された、海苔の養殖技術が、生産量を飛躍的に拡大させた成果です♪
さて、ここからは真剣勝負です。
体力が必要です。
漁師お父さん、お母さんは頑張ります。
頑張っている写真

何をしているか説明です。
フリボウ(huribou)という鉄の棒で、海の底に穴をあけます。
フリボウであけた穴に「ソダ」をさし込んでいきます。
台風や嵐で海が荒れる日もあります。
しっかりさしてないと、せっかくの「ソダ」も流れてしまいます。
成長した海苔と一緒に海に………
。
………嫌です!!
だから、夫婦で力を合わせて作業します。
海に入っての仕事は重労働ですが、二人で作業すると、苦しさは半分ですね。
50年前は、手動式の水圧ポンプで穴をあける方法も使われていましたが、(省略!)
漁師お父さん、お母さんは。
がんばって。
がんばって。
がんばって。
↓

ごらんください!
10月はじめには、西浜漁場に「ソダ」が整然と並びました!
健やかに、海苔が育つのを待ちます。
はやく大きくなってください。
台風が来て流されたりしませんように…。
↓
さらに1月以上経過
11月の寒い頃
↓
こんなに大きくなりました!
嬉しいですね♪
水温が下がる11月になると、「ソダ」についた胞子が発芽し、大きく育ってきます。
大きくなると20センチにもなる海藻なのです。
今年は豊作ですね。
嬉しいことです。
次回は収穫と、紙海苔作りです。
海苔漁師さん一家は、おいしい海苔を作ることができるでしょうか?
近日公開、お待ちください♪
海苔作りの道具