「ぼったくり天国」済州、利ざやの実態とは
入場料・利用料の最大7割が「送迎手数料」
最近、パッケージツアーで済州を訪れたキム・テグァンさん(43)の家族は、観光バスの運転手の案内で観光用潜水艦に乗った。料金は大人一人4万5000ウォン(約2900円)だった。ところが、個人の観光客たちはもっと安い料金で潜水艦に乗ったという話を聞き、済州道庁に問い合わせたところ、キムさん一家が支払った料金の約50%は「送迎手数料」だという答えが返ってきた。送迎手数料の半分は旅行会社、残りはガイドやバスの運転手の収入になるというわけだ。
送迎手数料とは、観光客を連れて行くという条件で、観光施設側がガイドなどに支払う一種の「利ざや」だ。
済州道は11日、済州における送迎手数料が最大で観光費用の70%に達していることが分かった、と発表した。観光施設の入場料を1万ウォン(約650円)とした場合、そのうち7000ウォン(約450円)は観光施設側が送迎手数料として、旅行会社やガイド、観光バスの運転手などに支払っているというわけだ。同道はこれが、済州の観光費用が跳ね上がるという結果を生み、「ぼったくり天国」という汚名を着せ、観光地としての競争力を低下させている「主犯」になっているとの見解を示した。
同道がこの日、「観光振興に関する報告会」で公開した、送迎手数料の実態に関する資料によると、入場料・利用料に占める送迎手数料の割合は乗馬クラブ(40‐70%)が最も高く、観光用潜水艦や観光農園でも最高50%に上った。また、そのほかの観光施設でも、送迎手数料の割合は10‐50%に上るという。
済州の観光施設における送迎手数料の割合は、ほかの地域の観光施設よりも高いことが明らかになった。済州道庁で観光事業を担当するカン・スンファさんは「ソウル市、仁川市、京畿道、江原道の観光施設では、送迎手数料は入場料・利用料の20‐30%程度だ。また、土産物店の場合、ソウル市や仁川市、京畿道では10%以内、江原道では20‐30%で、済州の観光農園の半分程度にとどまっている」と語った。
その要因について済州道は、「観光業者の間で観光客の誘致合戦が激化することで、送迎手数料を必要以上に吊り上げている」との見方を示した。また、観光ガイドやバスの運転手らが正規のガイド料や賃金を受け取れず、送迎手数料を主な収入源にしている、という点も問題点として挙げられた。
これに対し同道は、送迎手数料をガラス張りにし、これを授受する業者には損益計算書の提出を義務付ける方針を打ち出した。また、観光ガイドの登録制度やパッケージツアーの認証制度を導入し、無登録の旅行業者を取り締まることとした。一方、観光業界の代表者らはこの日、送迎手数料の改善に関する協約を締結した。
だが、済州道が観光業者を対象に行った、送迎手数料の引き下げに関する調査では、「積極的に賛同する」という回答は38.7%にとどまり、送迎手数料がガラス張りになるかどうかは未知数だ。
済州=オ・ジェヨン記者
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