北九州市立医療センターに勤務する医師の「名ばかり管理職」問題で、北橋健治市長は12日の定例記者会見で「過去の慣例を是正する」と述べ、これまで管理職とみなされ残業代を支払われていなかった医師に4月から残業代を支払うほか、新たに独自の「医師手当」を設けるなど処遇改善に乗り出す方針を明らかにした。
北橋市長は1月22日に北九州東労働基準監督署から是正勧告を受けたことを公表した上で「重く受け止め、医師の処遇改善に最善を尽くす」と抜本対策に取り組む意向を表明。近く発表する2009年度予算案に、給与面と勤務環境を見直す関連予算を計上していることを説明した。
市は勧告を受けて、労基署への改善報告書の提出を求められているが、市長は「(勧告で指摘された問題点は)今回の措置でクリアできる」と強調。市が対策を検討中に是正勧告を受けたことに関しては「(対策が)固まっていた段階で指摘を受けたので、残念な気がする」と述べた。
同労基署によると、センターの医師約110人のうち約70人が行政職の課長級に当たる「部長」の肩書を持つが、大半は管理職としての実態がないため、労働基準法に基づき、センターに対して是正勧告した。医師の運用はほかの市立3病院も同じで、市は今回の新たな措置をすべての病院で講じる予定。
=2009/02/12付 西日本新聞夕刊=