１９６０年代後半から７０年代初めにかけて一世を風靡（ふうび）した人気漫画「あしたのジョー」が、講談社の「週刊現代」３月２日発売号から復刻連載されることになった。「週刊少年マガジン」（同社）で連載されたストーリーと原画のまま、できるだけ忠実に掲載するという。名作漫画が一般週刊誌で復刻連載されるのは珍しい。

　同作品は、高森朝雄（梶原一騎）原作、ちばてつや漫画。貧しさの中でボクシングにすべてをかけた主人公「矢吹丈」の姿を描き、ライバル「力石徹」との壮絶な戦いなどで連載当時の若者をとりこにした。

　「現代」での連載は同誌の５０周年企画の一環。「マガジン」の連載と同じ１話ずつを掲載し、年内は続ける予定だが、一部省略することもあるという。作品は単行本で読むこともできるが、週刊誌での復刻連載により、当時と同じような雰囲気が味わえる。

　乾智之編集長は「『あしたのジョー』は格差や不況で閉塞感が漂う現代社会の究極の癒やし。何度挫折しても立ち上がる矢吹丈やその師丹下段平、ライバル力石らの生きざまが、心身ともに疲れきったサラリーマンにパワーを与えると考えた」と話している。