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[米国]
Mac互換機のサイスター、「アップルによる著作権乱用」で反訴を継続へ
連邦地裁が承認。著作権乱用が証明されれば、Mac OS X搭載PCも合法に?
(2009年02月10日)
Intelベースの汎用PCにMac OS Xをインストールし販売したとして米国Appleから訴えられた“非公認Mac互換機ベンダー”Psystarが、Appleを反訴している件について、米国連邦地裁判事は先週、反訴の継続を認めた。同判事は、Psystarが申し立てを証明できれば、Mac OS XをプリインストールしたPCを他社も自由に販売できる可能性があることを示唆している。
連邦地裁のウィリアム・アルサップ(William Alsup)判事は2月6日、Psystarによる反訴状の修正を認める判断を示した。アルサップ判事によると、Psystarは当初、Appleが反トラスト法(独占禁止法)に違反したとして反訴していたが、反訴状の内容を、「AppleがMac OSを自社ハードウェアでしか使えないよう制限しているのは、著作権法の乱用に当たる」というものに変更したという。
Mac OS X 10.5搭載の「Psystar OpenPro with Mac OS X」 |
アルサップ判事は昨年11月、Psystarによる反トラスト法違反の申し立てを棄却したが、その際、反訴状を手直しするための猶予をPsystarに与えたため、同社は12月中旬に修正反訴状を提起していた。
こうしたPsystarの修正反訴に対し、Appleは「Psystarは著作権の乱用というもっともらしい口実の下、すでに棄却された反トラスト法の申し立てを再開しようとしているにすぎない」と述べている。
アルサップ判事は6日、修正反訴状を提出したPsystarは反訴を継続できると述べ、「AppleによるPsystarへの訴えとは無関係に、PsystarがAppleの著作権乱用を実証しようとするのは正当なこと」との見解を示した。
PsystarとAppleの係争は、Appleが昨年7月にPsystarを提訴したことから始まった。Appleは、PsystarがMac OS X 10.5をプリインストールしたIntelチップ搭載PCを販売し、著作権法とソフトウェア・ライセンシング法に違反したと主張している。ちなみに、Psystarは昨年4月からMac OS X搭載PCを販売中だ。
アルサップ判事は今回、Appleによる著作権法の乱用をPsystarが証明すれば、Psystarに対するAppleの訴えの一部は疑わしくなるだろうとも述べた。同判事の説明は、その証明がなされれば、他社も自由にPsystarに追随できるという趣旨にとることができる。
さらに同判事は、「(Appleによる著作権の)乱用が立証されれば、乱用期間においては、ライセンスに関する違反に問われている被告だけでなく、同様の関心を持ち、乱用の被害を受けた潜在的な被告も、法執行の対象にはならないだろう」と述べている。
同判事は、「Appleは自社ソフトウェアのライセンス方法と使用方法を決める権利を持っている」という同社の主張を認めたが、その決定は、訴訟の決着を受けて行われなければならないと語っている。ただし同判事は、州法に基づく不正競争の訴えを反訴状に盛り込むことを求めたPsystarの要請も退けた。
Psystarの修正反訴状の提出期限は1週間とされており、Appleはその提出後20日以内に回答を出さなければならない。アルサップ判事は両社に対し、裁判や略式裁判のための準備も促している。
現在、この訴訟の裁判は11月9日から開始されることになっている。
(Gregg Keizer/Computerworld米国版)
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