2008年11月

2008年11月27日

前回のオマケ〈今度は大絶賛〉

前回「『ムーブ!』『コラムの花道』での発言を待ちたい」として、勝谷氏の「元厚生次官宅連続襲撃事件」に関する発言を取り上げるのを先送りしました。
ところがですよ。
今週『ムーブ!』での発言はあったものの、26日の『コラムの花道』ではまったく言及がありませんでした。
1週間前には大マスコミに対して「間違ってもいいからやれ!」と煽りに煽った人間が、1週間後の同じ番組で完全スルーとはどういうことですか!? 自分の推理が大ハズレしたからって、それはないんじゃないの? 無責任にもほどがあるだろ!

と、ムカつきはしたものの、この日の『コラムの花道』での発言があまりにヒドいので、「先にこれをやるのもいいか」という気になりました。前回記事からの流れもいいですし。

じゃあ勝谷氏がどういうことについてしゃべったのかというと、またあの「田母神論文」です。しかも今回は大絶賛。おまけに空幕長解任処分に関しても、政府を「許しがたい」と批判しています。

http://podcast.tbsradio.jp/st/files/st20081126.mp3



勝谷氏はこれまで「田母神論文」ヘの評価を「8割は正しい」「噴飯もの」「何カ所か首肯できる」と、「卑劣にくるくる変えている」ことは前回紹介した通りです。
今回それらの発言をまたしてもひっくり返して大絶賛に転じたわけですが、今回の変節では「理由」を述べています。


 「田母神さん、今日発売の『WiLL』っていうね、花田(紀凱)さん作ってる
  雑誌で大論文を書いてますから、50枚の。巻頭論文。」

 「ボクもあえて言わせていただいた、(懸賞に応募した論文は)出す場所が
  悪いと。それから枚数も十数枚、言葉足らずだと。だから是非みなさん、
  『WiLL』の田母神論文読んでほしいんだけれども、もう1回書いたヤツ。
  50枚。これだけ言葉を尽くせば、非常にあのとき突っ込まれたことなん
  かもよくわかりますよ。」


言葉が足りなかったから絶賛できなかっただと? 何を言ってるんですかねぇ。
多少説明が足りなかったからといって、「論文」の趣旨が変わるわけでもないでしょ。長々書いたら「噴飯もの」から「素晴らしい論文」に変わるんですか?

だいたい勝谷氏は「説明不足」を問題にしていたんですかねぇ。他のマスコミや論者はそこを問題にしてたわけじゃないんですけどねぇ。

実際私もこの『月刊WiLL』1月号に掲載されている田母神氏の「手記」を読みましたが、「論文」に対する評価が変わるようなものではなかったですよ。
(ちなみにこの「手記」を「大論文」と言ってしまう勝谷氏のレベルに笑ってしまいます。アンタ、大学でどんな論文書いてたんだよ。)



で、勝谷氏がこの「論文」への評価を大絶賛に転じたことにも呆れるんですが、もっと呆れるのは、それまで是としていた空幕長解任という「処分」も否定していることです。

それまで勝谷氏は「立場を考えるとあれはマズい」「処分はしかたない」としていました。
それが今回はこうです。


 「でね、やっぱりね、今回許しがたいのは、空幕長たる立場を踏み越えて発
  言をしたといって最高指揮官である麻生さんがきちっと面と向かって切る
  んだったらまだわからなくもないけど、政府が、政府が踏襲してる(しょ
  うもない笑いはカット)村山談話に反してるってわけでしょ。」


あのね、勝谷さん、「空幕長たる立場を踏み越えて発言をした」というのは、とりもなおさず「政府の公式見解たる村山談話に反する発言をした」ということなんですよ。アナタは「空幕長たる立場を踏み越えて発言をした」という意味が理解できてないんですか? なぜ処分されたかわかってないで今まで発言してきたの?

だいたい村山談話がどういうシロモノであっても関係ないんだよ。国会決議があろうとなかろうと、政府がそれを公式見解だと言っている以上、空自のトップがそれを否定するようなこと言っちゃダメなの。
だからアンタは「処分は妥当」と言ったんだろ? そうじゃないなら「処分は妥当」としていたのは、どういう理由に基づくわけ? サッパリわからないよ。



それにしても、勝谷氏がここまで田母神氏を大絶賛するのは、いくら彼が変節漢だといってもやはり奇異な感じがします。何か理由があるのか?

勝谷氏はこの日の『コラムの花道』で「昨日、田母神俊雄前空幕長と一献酌み交わした」と自慢げに語っていましたから、またミーハー心が刺激されてオベッカ使っているのか?

あるいは同番組で

 「それ(田母神論文)に対して日本を代表する中西輝政さん、渡部昇一さん、
  西村眞吾西尾幹二、といった日本を代表する論客がみんな応援団を。しか
  もしかも、これホントの保守派ね。つまり最近の、あの安倍さんを持ち上げ
  たような軽薄、軽佻浮薄な心情右翼じゃない、もとから歴史認識をきちっと
  持ってる保守論壇。」

なんて言ってましたから、それらの「論客」に恐れをなして、自ら応援団の末席にくっついて旗を振りだしたのか?

(余談ですが、この発言後の司会の小西克哉氏とのやり取りも面白い。

  小西「心情右翼って、例えばどんな人なんですか?
     勝谷さんの想定されてる。」

  勝谷「それは名前は言えないでしょ。」

なんで言えないんだよ、ヘタレ!)


そんな風に大絶賛への変節の理由を推測しながら『WiLL』をペラペラめくっていたら、こういうイベントの告知が目に入りました。


  WiLL創刊4周年! 記念大講演会
  「田母神前空幕長緊急登壇! わが思いのたけを語る」
  会 費:3000円
  ゲスト:西尾幹二(評論家)、勝谷誠彦(コラムニスト)

  http://web-will.jp/images/koenkai.pdf


なるほど、お仕事いただいちゃったのね。
最低だよ、このコウモリ守銭奴!

ランキング・バーナー小

manguhsai at 13:50|PermalinkComments(24)TrackBack(0)clip!

2008年11月25日

卑劣に言動がくるくる変わる奴

前回話題にした「元厚生次官宅連続襲撃事件」ですが、犯人が出頭してきたことにより事件の真相が明らかになってきています。
と同時に、この事件に関する勝谷氏の発言の「的外れっぷり」も証明されつつあるわけです。

今回はその辺りのことを取り上げようかとも思ったんですが、もう少し勝谷氏のご意見(言い訳)を拝聴してから書くことにしました。なんせ犯人が出頭してからの氏の発言は、まだ『スッキリ!!』におけるそれしかありませんから。
とりあえず『ムーブ!』『コラムの花道』での発言を待ちたいと思います。

というわけで、今回はこういうネタです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今月14日の記事「前回のオマケ〈ケンカ作法〉」で紹介しましたが、2年前の『月刊サーカス』に掲載された「勝者の鉄則[大人のケンカの作法]」という勝谷氏の文章にこういう一節がありました。


 「私は別に勝ちたいと思ってケンカしているのではなく、こういう卑劣に言動
  がくるくる変わる奴らを見ているとヘドが出るからつい攻撃してしまうわけ
  なのだが。」


「じゃあ、勝谷は鏡を見たら攻撃衝動に駆られるんだ」と、勝谷氏の変節に度々ヘドが出た我々は、ここでつい苦笑してしまうわけなのだが。
そういえば、以前勝谷氏は「自分の出演した番組は、改めて見たり聴いたりしない」と言っていましたが、これはそういうことだったんですね。なるほど。

というわけで、今回は最近の勝谷氏の「卑劣にくるくる変わる言動」の中で特にヒドいものを2、3挙げてみることにしました。



まずは、自衛隊空幕長(当時)・田母神俊雄氏の「日本が侵略国家だったとは濡れ衣だ」論文への評価です。
今月19日の記事「空幕長更迭で股裂き悶絶」でも取り上げましたが、勝谷氏は4日の『ムーブ!』でこの論文をこう評価していました。


 「まあ、言ってることは、8割は正しいですね。」


ところが、12日の『コラムの花道』ではこれが「トンデモ本」「噴飯もの」に変わります。
番組では相手役の小西克哉氏が、こう田母神論文をクソミソにけなしました。


 「ボクは思うけど、この論文はね、論文と言うにも値しない。
  ボクがガッカリきたのは、空軍幕僚長でしょ? あ、空軍とは言わないの
  か。空幕長でしょ? トップの人がね、これ、論文を引用してもねぇ、ハ
  ッキリ言ってたいしたことないような本ね、あの、古本屋で100円ぐら
  いで売ってるような本から引用してね、ページも書いてないと。論文の体
  もなしてないようなものが、そういった論文しか書けないような人が空幕
  長やってるって、ボクそれガックリくるな。
  もっとすごい論文をね、いや、イデオロギーは別にしてもね、侵略国家だ
  ったかどうか否定するにしてもね、ビシッとした論文書くんだったらわか
  るんだけど。」

 「これね、例えばね、この張作霖のね、殺害のことでもね、関東軍の河本大
  作
なんかのことをまったく言及せずですよ、日本の証言も山ほどあること
  を言及せず、コミンテルンの陰謀説!? これトンデモ本ですよ! 完璧
  な。」


これに対して勝谷氏は反論することもなく「うん、うん」とうなずきながら聞き入るばかり。最後には自らもこう言い放ちました。


 「や、だから、これ英文になってバラまかれてんだけど、この田母神論文が
  いかに噴飯ものかということはどこかっていうと、中国・韓国はまったく
  沈黙してるでしょ。つまり『論ずるに値せず』で、逆に『あの程度の人が
  幕僚長やってるんだってことを大宣伝してくれて、日本国よありがとう!』
  つって、人民解放軍はほくそ笑んでるんですよ。」

  http://podcast.tbsradio.jp/st/files/st20081112.mp3


普段は勝谷氏の太鼓持ちをやっている小西氏ですが、今回は勝谷氏が彼の太鼓持ちをする番だったようです。世間に論者として名の通った男2人が、公共の電波で太鼓持ちをしたりされたり。なんちゅう気色の悪い番組か!
また、それよりなにより、1週間前の発言を捨てて、真っ向対立するような意見に迎合する勝谷氏は、なんちゅう無節操・変節漢か!

と思っていたら、19日の『コラムの花道』ではこうです。


 「首肯すべきところは何カ所かある」

  http://podcast.tbsradio.jp/st/files/st20081119.mp3


だからさ、勝谷さん、結局アンタの田母神論文への評価はどうなの? 「8割正しい」の? 「何カ所か」だけ正しいの? それとも「噴飯もののトンデモ本」なの? ハッキリしろよ!



続いてバラク・オバマ新アメリカ大統領への評価です。これも見事に180度変わりました。
11月5日の『コラムの花道』ではこう言っています。


 「あの人(オバマ氏)は言葉で、やっぱり言霊で出てきた人ですよ。もう泡
  沫に近い候補だったのに、最初は。それが結局言葉の力で出てきたんだけ
  れども、その言ってることを一つ一つ解析するとですね、相当胡散臭いん
  ですよね。」

 「だから、ボクはモノ書きだから、この人の言ってること聞くと、アジテー
  ターなんですよね、かなり。」

 「あのね、こんなこと言うとたぶんオバマファンから批判を浴びると思うん
  だけど、ボクね、オバマって正直言って大っ嫌いなんですよ。」

 「胡散臭いんですよ。どういう胡散臭さかっていうと、ボクはあの、これは
  ずっと、日本ではこういうこと研究するのは反主流でしたけれども、私は
  非常にその、アドルフ・ヒトラーという存在が面白くて、ずっと研究をし
  てきたんです。子供のころからでした。もうあのころホント変人扱いされ
  ましたけれども。ヒトラーの演説なんか徹底的に聞き込みました、あのこ
  ろ、レコードなんかで。ね。(オバマの演説は)似てるんだよ。」

  http://podcast.tbsradio.jp/st/files/st20081105.mp3


それが『ニュースバカ一代』VOL.309「オバマ新大統領誕生 の巻」(『週刊SPA!』11/18号掲載)ではこうなっています。


 「バラク・オバマを私は『黒人初の大統領』とは見ない。彼はアメリカや世
  界の混乱と解体の果てに生まれつつある新しい正義の、統合や融合の象徴
  である。」

 「冷戦時代はオバマ大統領の誕生をもって、ようやく終結したのではないか」

 「リベラルや保守、あるいは人種的な差異などというものが、驚異的な時間
  空間の短縮によってすべてが統合されつつある今の社会においては、いか
  に無意味であるかということこそが、オバマが説いてきたものであると私
  は思う。」

 「大連立などという談合ではなく、真の価値観で救国のために人々が手をつ
  なぐ、そんな夢をオバマ大統領誕生と重ね合わせたのは私だけだろうか。」


もう言葉も出ませんわ。
19日の『コラムの花道』では

 「前もね、ここでね、ボクが『ヒトラーに似てる』って発言をしたらですね、『オバマ=ヒトラー説』ってずいぶんネットで叩かれたみたいですけどね」

と言っていますから、ネットの批判を気にして意見を変えたんですかねぇ。だとしても真逆に変えることはないんじゃないですかねぇ。理解に苦しみますよ。



ついでに言っておきますが、勝谷氏はこの『ニュースバカ一代』で「大連立などという談合ではなく」と、「大連立」に否定的ですよね。
しかし『偽装国家II』では昨年の福田自民・小沢民主の大連立構想をこう言っていたんですよ。


 「私は、小沢さんは、トロイの木馬になろうとしたんだと思います。
  どういうことか。
  大連立の申し出を受諾し、相手の懐に飛び込んで、解散総選挙に持ち込ん
  でから、その後連立を解く、とうい作戦です。
  今のままの『ねじれ国会』では政策はほとんど実行できない。となれば、
  解決方法は『大連立』か『解散総選挙』しかない。
  小沢さんはこのふたつを組み合わせた高等な戦術を立てた。大連立で相手
  に手を突っ込んでおいて、その手を抜くと崩壊、そして選挙で勝って政界
  再編です。」


さらにその前には「小沢氏は騙された」「小沢氏自身は『大連立』とは言ってない」ですよ。まさに言うことが「くるくる」変わってます。



勝谷氏の言説を評価している人たちは、勝谷氏のこういう発言をどう受け止めているんでしょうかねぇ?
例えばここに挙げた「その時々で違う発言」のどれを信じているんでしょうか? その選んだものと違う、矛盾する発言をどう理解しているんでしょうか?
勝谷氏の変節や自己矛盾に負けず劣らず、信者さんの思考回路も興味深いです。

ランキング・バーナー小

manguhsai at 15:46|PermalinkComments(24)TrackBack(0)clip!

2008年11月21日

被害者を断固哀悼します!

以前「大阪浪速区個室ビデオ店放火事件」に対する勝谷氏の発言を取り上げました。
そこでは「この事件が格差社会を象徴していると見なした勝谷氏が、15人もの犠牲者が出たにもかかわらず、政府への批判材料が手に入ったと大はしゃぎしている」と書きました。
で、そのタイトルを「やったー! 15人も死んだ」にしたわけですが、これがどうも評判がよろしくないようです。「本人がまるでそのような発言をしたかと誤解させる」と、勝谷批判の先輩からも批判されちゃいました
しかし私、このタイトルが間違っていたとは全然思っていません。勝谷氏は明らかに心の中でそう発言していますから。



今週19日の『コラムの花道』では、17日、18日に起きた「元厚生次官宅連続襲撃事件」を取り上げていました。

http://podcast.tbsradio.jp/st/files/st20081119.mp3

番組ではこの事件に関する聴取者からの意見・情報を募集したようで、このようなメールを紹介していました。


・「どんな理由であれ殺人が絶対いけないことなのは当然としても、国民の心情
  としては『厚生労働省の元役人? じゃあしょうがないか』。乱暴な言いか
  たですが、こんなもんだと思います。」

・「ワタクシ、個人的には同情していません。手段は絶対に間違っていますし、
  実行犯は必ず罪を受けなければいけませんが、国民の国へ対しての怒りの程
  度はもうそこまで達しています。」

・「歴代の長官からなんのお詫びもミソギもない上に、他人事、ヒト事のような
  対応。ハッキリ言えば今回の犠牲者のかたがたは身内に殺されたようなもん
  だと思いますよ。今の国政すべてに対する不満が、このかたたちに行ってし
  まったのではないでしょうか。」


ネットの中ではもっと露骨なものも含めてこのような意見が氾濫しているそうですが、ハッキリ言ってコイツらは単なるバカでしょ。
長年の厚生労働行政の失敗や不祥事を役人個人に押し付けて、「命をもって償うべきだ」なんて本気で思っているのか? それが当然だと? それが「しょうがない」と?
それこそ「愚劣な俗情」というものでしょ。
問題点を理性的に考えもせず、制度的手続きも無視して、ただ象徴的な人物をスケープゴートにして溜飲を下げているだけなんて、野蛮の極み。これで中国社会をよく笑えたものだと、ある意味感心してしまいますよ。


しかしこの『コラムの花道』ではこれらの意見はまったく批判されることなく、「時代の空気」だとして受け入れられています。
しかも、驚くべきことに勝谷氏はこんな発言までしています。


 「例えば、例えば、今日もテレビでコメンテーターと称する人たちは『言論に
  対する挑戦ですね』とか『こういうことはホントに許しがたい』とか『こう
  いうことが日本で起きるのは信じがたいですね』って。信じがたいのはオマ
  エらの頭の中なんですよ。」


ホントに「信じがたい」と言ったコメンテーターがいるのかどうかは知りませんが、「言論に対する挑戦」「許しがたい」というコメントはどうみても真っ当でしょ。これらのどこがおかしいんでしょうか?
結局勝谷氏は「言論に対する挑戦」とも考えていなければ、「許しがたい」とも思っていないということでしょ。どっちのコメンテーターの頭が信じがたいか、歴然じゃないですか。


さらに勝谷氏のマスコミ批判はエスカレート。殺害された元次官や妻の人柄に言及することは不要とし、こんな理不尽な注文を付けます。


 「今言ったボクの、この時代の、これが起きた、まずこの段階で、犯人がわか
  んない段階でも、今これが起きてしまったということの時代の背景、そして
  犯人がわかったらもっと具体的に踏み込んで、なぜその人物がこう走ったか
  ということに対する分析、そういうものをね、間違ってもいいんですよ。あ
  のね、間違うことを恐れ過ぎる。新聞なんてね、その日に一生懸命書いてん
  だから間違う。
  オレだってここでしゃべってて間違うことはしょっちゅうある。ね。だけど
  それがジャーナリストの責任というものじゃないですかね。」


「今これが起きてしまったということの時代の背景」って、この犯行がどういうものであるかわからないんですよ。まだテロかどうかさえわかっていない。そんな段階でどうやって犯行の時代背景を描けっていうんでしょうか?
「間違ってもいい」って、そんなわけないだろ。新聞やテレビの報道が当てずっぽうでものを言って許されるわけがない。勝谷氏は「松本サリン事件」の教訓をまるで理解していないのか?
そもそも朝日新聞の間違いをネチネチつついてメシの種にしているのは自分だろうが!
「オレだってここでしゃべってて間違うことはしょっちゅうある」。じゃあ謝れよ! 今まで全然謝ってないじゃないか! それが「ジャーナリストの責任」どころか、あらゆる責任の基本だろうが。それもできないヤツが偉そうに言うな!


ちなみに勝谷氏はこの連続襲撃事件の最初の犯行が伝えられた時点でテロだと直感したそうです。


 「ボクはこれ第1報聞いたときからテロであると。なぜなら非常にメッセージ
  性を感じたと。」


そして、マスコミがそう気付かなかったことが、第2の犯行を呼んだ原因だと主張します。


 「これは最初の犯行をですね、自分は厚生労働省に対する警告としてやったと
  いうことをメディアが読み解かなかった、つまり自分のメッセージが理解さ
  れなかった。それだったらこういうつながりでやればわかるだろうと。」


しかし18日の『ムーブ!』で最初の犯行がニュースとして伝えられたとき(もちろん勝谷氏はこの時点より前にこのニュースを知っています)、出演していた勝谷氏はテロの可能性など一言も言及していません。共演の伊藤惇夫氏が「政治的な背景というよりは、私的な人間関係ではないかという気がする」と発言したにもかかわらず、勝谷氏は一切反論せず無言でした。

なぜこのときテロの可能性を指摘しなかったんでしょうか? 「マスコミが気付かなかったから第2の犯行が起きた」というなら、「勝谷氏が言わなかったから起きた」とも言えるわけでしょ。
この人はよく自分を大マスコミと対立する存在であるかのように言いますが、それは欺瞞です。大マスコミでしゃべりまくってるんだから、大マスコミの1部であることは間違いない。自分の責任を棚に上げるために、大マスコミと対立しているように見せかけているだけ。


そして話はマスコミ批判から自民党批判へと展開します。


 「それで、最大の罪はボクは自民党にあると思うんだけど、普通は民主国家で
  は、発展途上国だったら軍が決起するんですよ。民主国家では、人々は投票
  行動で決起するんですよ。ね。それを(自民党は)封じてきたんですよ!」


自民党の政策を批判するのは結構。しかし「選挙を封じている」というのはおかしな話でしょ。自民党が非合法な「選挙封じ」をやっているとでも言うんでしょうか? 解散するしないは、あくまでルールの中でやっていること。それが気に入らないなら、ルールの変更を先に言うべきでしょ。

そもそも年金や格差の問題が取りざたされてからでも、選挙は何度か行われています。しかし国民は結局自民党から政権を取り上げなかった。現状は国民が選んだとも言えるわけで、その自分たちの責任を棚上げして役人個人にだけ憎悪を向ける連中を非難しないのは、あまりにもバランスを欠いている。

私はこういう思考回路に基づく発言こそが、テロやそれに類する犯罪を誘発すると思うんですがね。


そして話の結論は、小沢一郎民主党代表への賞賛です。


 「小沢さんね、(略)ホントにね、怒ったんだと思いますよ。あれはね、この
  ままでは国が滅びると思ったと思いますよ。」

 「やっぱり彼(小沢氏)は時代の空気が読める人ですから、かなりホントにヤ
  バいと思います。
  だからこれはね、ホントに解散総選挙、それから『救国内閣』ですね。」


この手の事件が起きたときの勝谷氏の発言はいつも同じ図式です。

社会状況の悪化 → 自民党の責任 → 政権交代

人が殺されれる度に、その事件を小沢民主党の宣伝に利用するのはいい加減やめろ! もう、うんざりだ。

うんざりついでに、最後はこの発言を。


 「まあしかし、ボクが目の黒いうちにこういう雰囲気の時代が来るとはね。今
  赤坂の外の風景がね、窓から見えますけどもね、非常に薄ら寒く見える。
  これと同時に今から景気が、これはもう目に見えてドンドン悪化してくる。
  治安もドンドン悪くなってくる。まさに、あのー・・・昔はね、主要産業は
  日本は農業だったんですよ。2・26の兵士が決起したときは、自分たちの
  出身である農村で自分たちの妹や娘が売春宿に売られて行くという時代です
  よ。今も、今の派遣とか、それからそのホントに底辺の労働者の人たちの生
  活ぶりを見ているとね、やっぱりそういうとこと非常につながりがある人た
  ちが何を考えるかっていうことはね・・・。」


よく言うよ、ウソ臭い!

「やったー! 15人も死んだ」でも紹介しましたが、7月6日号の有料配信日記で、勝谷氏が自分について語った文章をもう1度見て下さい。


 「私はそうしたことに一切感情が動かされない。『あ、そうですか』という
  ようなものである。もっと言うならば、左巻きがプロパガンダで流すよう
  な『世の不条理でこんな可哀相な子供たちがいる』といったストーリーに
  も全く反応しない。
  世界のどこかで混乱が起きれば『もっと激しくなれ』と心のどこかで思っ
  ている。」


「元厚生次官とその妻が殺されたよ。ラッキー! これでまた小沢民主の宣伝ができる。」
それが勝谷氏の本音であることは間違いないじゃないですか。

ランキング・バーナー小

manguhsai at 15:30|PermalinkComments(26)TrackBack(0)clip!

2008年11月18日

前回のオマケ〈激昂しろよ〉

先週10日の『ムーブ!』「暴力団組員2人が振り込め詐欺に関与したとして逮捕。神戸市内の組事務所が家宅捜索を受けた」というニュースが伝えられました。

このときコメンテーターの山本譲司氏がこういうコメントをしています。


 「これだけね、あのー、実は、報道されてても、私の近いところで、やっぱり
  ね、被害に遭った人がいて、その人のね、まあ普段の私が知っている彼、彼
  といってもかなり高齢なかたなんですけど、まさかね、引っかかるような人
  じゃないんですけどね。
  やっぱり非常に巧妙化してるんですね。信じさせるためのいろんなね、手練
  手管みたいな、今の社会の動きにマッチしたようなね、持って行きかたをす
  るわけですよ。株が下落したら株の問題に絡めてみたりとか、『さもありな
  ん』ということをもってくんですよねぇ。」


横にいた勝谷氏、これを聞いて黙っていられるわけないですよね。


 「何を言うとんねん! これだけ報道されててもまだ騙されるって、よっぽど
  のアホやんけ! そんなアホがおるからなぁ、オレら常民良民がATMの前
  で携帯電話できんようになるんじゃ、ボケが!」


そう言うのかと思いきや、「ふ〜ん」って感心してうなずいてるだけでした。
「ふ〜ん」って・・・。被害者の関係者には面と向かって言えないの? それとも山本氏を「ブレない人」と見なして逃げちゃったの?

「ケンカの極意」「勝者の鉄則」。偉そうなこと言っても、所詮「ヘタレ」なんですよね、この人。





ランキング・バーナー小

manguhsai at 13:30|PermalinkComments(20)TrackBack(0)clip!

2008年11月17日

被害者は◯◯なんでしょうか?

私事で恐縮なんですが、私の父がひと月ほど前に癌の手術を受けまして、現在も入院中です。
癌は大方取り除いてもらったんですが、なにぶん高齢なもんで、余命幾ばくもないという状況です。

入院するまで父の頭はそれなりにしっかりしていたんですが、環境が変わったせいか、入院してから痴呆の症状が出てきて、看護士さんたちに手間を取らせるようなことも度々あったそうです。

人間歳をとると、いろんなところにガタがきますよね。脳も例外ではない。痴呆とまでは言わないまでも、思考力や判断力は低下していき、若いころのようなわけにはいかなくなってくる。もちろん個人差は大きいと思いますが。


「振り込め詐欺」という犯罪は、そういう思考力や判断力が低下した高齢者をメインターゲットにしているのはまず間違いありませんよね。例えば神奈川県警が発表している今年1月から10月の統計では、60代、70代が被害者の大半を占めています。

http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesc2005.htm


また最近は、融資を装った手口も増えてきているそうで、資金不足にあえいでいる零細企業の経営者が被害に遭ったりしているとか。これもまた逼迫した状況から通常の判断力を欠いてしまった人たちが犠牲者というわけですよね。

http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20081018hog00m040001000c.html


そう考えれば、振り込め詐欺の被害者というのは身体的弱者だったり、経済的弱者だったりするわけで、行員の制止を振り切ってでも振り込もうとする事例がかなりの数に上るというのも、嘲笑や侮蔑をもって受け取るような話ではないと思うんですがね。
そういう意味で、振り込め詐欺の被害を防止しようという社会的努力は何らかの形でなされてもおかしくないものだと思うんですよ。たとえその対策にいくらかの税金が投入されようと、関わりのない人が多少の不便を強いられようと(もちろん「程度」っていうのはあるでしょうが)。


というわけで、実際全国の銀行などでは、ATMコーナーでの携帯電話の使用を禁止するとか、使用した場合警告を発する機械を設置するなどの対策をとるようになってきているようです。

http://news.biglobe.ne.jp/social/jc_080717_5991903850.html

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081107ddm041040024000c.html

また、警察は先月15日を「振り込め詐欺被害ゼロの日」として警官を大量に動員して、全国のATMに配備していました(キャンペーンとしての効果も狙っているのでしょう)。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/53610



しかしこれらの動きに猛反発しているのが、我らが勝谷誠彦様であります。氏は今月3日の有料配信日記をこういうタイトルで書いています。


 「 制止を振り切っても振り込む馬鹿のために良民常民の税金が使われている
  という悲惨な喜劇」

  http://katsuyamasahiko.jp/title/title2008.html


また、2日放送の『たかじんのそこまで言って委員会』では次のように発言し、激昂されておられました。


 「オレね『バカ基準』って言ってんのよ。なんでボクらでアホんとこまで降り
  ていかなアカンのですか。振り込め詐欺ってもうこれだけみんな知ってるわ
  けでしょ。
  それでも◯◯がさぁ、引っかかるから『ATMの前で携帯電話使うな』とか
  って。どれだけ不便やねん! ◯◯は騙されとれ、ボケ!」






勝谷氏がATM前で携帯電話を使えないのがどれだけ不便なのか知りませんが、ここまで激昂するほどのことなんでしょうかねぇ。
「◯◯」は、放送上音声が消された箇所ですが、どうも「アホ」と言っているようです。
しかし私は被害者の多くは「弱者」だと思っていますから、そこに「弱者」という言葉を当てはめて聞いてしまいます。

 「弱者は騙されとれ、ボケ!」

吐き気がするほど寒々しいですわ。
「ケンカ相手には一片の愛を潜ませておけ」と気取るんなら、振り込め詐欺の被害者にも一片の愛を示してほしいものです。

ランキング・バーナー小

manguhsai at 00:32|PermalinkComments(28)TrackBack(0)clip!

2008年11月14日

前回のオマケ〈ケンカ作法〉

勝谷氏は以前にも『月刊サーカス』に面白い文章を書いていました。
06年11月号、私と勝谷氏がメールをやり取りした後、少し経ってから発売になった号です。
その号では、確か「ケンカ」に関する特集があって、それに勝谷氏も文章を寄せています。手元にその切り抜きが残っているんですが、タイトルは「勝者の鉄則[大人のケンカの作法]」です。その見出しにはこうあります。


 「ケンカでもっとも重要なのは落としどころ
  仕方なくケンカする時は
  必ず一片の愛を潜めておけ」


もう、これだけで我々「勝谷ファン」にはたまらないものがあるでしょ。でも、中身はもっといいですよ。期待をまったく裏切りません!


 「私がよくケンカをしているように見えるのは、衆人環視のもとで論戦をす
  るからだ。テレビもそうだし、最近ではネットという便利なものもできた。
  ケンカは人目があるところで。これがまず鉄則である。
  (略)
  となればケンカに勝つには論理的に相手が悪いと世間が納得するところに
  落としどころを見つけるのがなによりだ。私がケンカを売る相手は、この
  落としどころが見つけられない連中である。つまり言うこととやっている
  ことが違う人たち、変節漢である。
  (略)
  これ(変節漢)はケンカしやすい相手だ。殴り合いで言うならばガードが
  スキだらけ。つまり『あらかじめ負けている』相手だからである。私は別
  に勝ちたいと思ってケンカしているのではなく、こういう卑劣に言動がく
  るくる変わる奴らを見ているとヘドが出るからつい攻撃してしまうわけな
  のだが。」


あれ? これって鏡を見ながらのシャドーボクシングの作法ですか? 勝谷氏って鏡を見るとヘド吐いちゃうんですね。


 「逆に言えば、ブレない相手というのはホンモノであって、こういう人とケ
  ンカしてはいけない。それが民族派であれ、共産党員であれ同じことだ。
  面白いことに、右や左を問わずに、こういう人たちはお互いに仲がいい。
  私と新右翼の鈴木邦男さんと元共産党国会議員にして最高幹部の筆坂秀世
  さんは三人で談笑して飽きることがない。ホンモノの人たちは味方にする
  と最後まで同じ塹壕の中にいる。自分の周囲に、そういう本当の戦友を何
  人作れるかということも、ケンカに勝つには大切だ。決して媚を売ってき
  たり、よく一緒に飲みにいく仲間がそうではないという事を肝に銘じてお
  きたまえ。」


「たまえ」って・・・。

それにしても、ケンカする相手、すべき相手がよくわかりませんよねぇ。
最初「ケンカに勝つには(世間が納得する)落としどころを見つけるのがなにより」と言いながら「私がケンカをする相手は、この落としどころが見つけられない連中(=変節漢)である」と言ってます。ということは勝谷氏は「ケンカに勝ちにくい、落としどころを見つけられない変節漢」と敢えてケンカしているのかな、と思いますよね。
ところが途中から「変節漢はケンカしやすい相手だ」と言い、「ホンモノ、ブレない人とケンカしてはいけない」ということになる。
これってどう理解したらいいんでしょう? 私、全然わかりません。支離滅裂じゃないですか。


 「ケンカのやめ時、落としどころを巧みにつかむことができる国家や人間が、
  最後に歴史には勝者として書かれるのである。そういう意味で、八月十五
  日に靖国を参拝した小泉さんは、ケンカに関してはホントにうまい。あれ
  で中国も韓国も結局はふりあげた拳を降ろせなくなった。もし参拝をやめ
  ていれば、無意味なケンカがまだ続いていたことだろう。」


「ふりあげた拳を降ろせなくなった」というのは落としどころができたということなんでしょうか? 逆じゃないんでしょうか? もうホントにわかりません。理解できません。誰か助けて〜!

で、勝谷氏はこの文章をこう締めくくります。


 「最後に、仕方なくケンカする時には必ず一片の『愛』を潜めておけと言っ
  ておく。私はケンカをした相手とむしろ仲良くなることが多い。かつて週
  刊誌の記者をしていた時、我が師である稀代の名編集長、花田紀凱さんは
  こう言った。『愛のない記事はダメだ』。どんなに攻撃的な記事でもかな
  らずどこかに救いを残しておく。これが大切なのだ。本当に追い込んだ相
  手は窮鼠猫を噛むのである。
  愛ある落しどころこそ、勝者を作るのだ。」


さ、寒ぅ〜!

しかし「本当に追い込まれたネズミ」が必ずしもネコを噛むとは限らないんじゃないでしょうか。だってミニ掲示板にリンクした『朝まで生テレビ』の勝谷さんは、しどろもどろで半ベソかいてるだけでしたからねぇ。

まあ勝谷さんのせっかくのご助言ですが、私はアナタに一片の愛も潜ませるつもりありませんから。悪しからず。

ランキング・バーナー小

manguhsai at 14:36|PermalinkComments(15)TrackBack(0)clip!

2008年11月13日

二度と言うなよ!

『月刊サーカス』では、女優の南野陽子氏が男性ゲストと対談するコーナーを連載しているようです。
タイトルは『KING OF IDOL NANNO PRESENTS 賢者の贈り物』です。サブタイトルには「一流の男たちの魅力に迫る史上最強の連載ファンタジー」という文言が。

今発売中の12月号ではその第22回が掲載されてるんですが、ゲストはそう、我らが勝谷誠彦様です。
はじめにこういう見出しがついています。


「眼鏡の奥からのぞく鋭い眼差しで、世の中の矛盾を突く男がいる。
 『コラム』という名の切っ先で、諸悪の根源をまとめてぶった斬る!
 ナンノの前に現れた22人目の賢者は、疾走するコラムニスト『勝谷誠彦』。
 ニッポンが誇る最強の論客が、本質を見抜く目の養い方を伝授する!」 


・・・・・・(刀身全体を使わないで「切っ先」だけで「ぶった」斬っているのか。しかも「一つ一つ精密に」ではなく「まとめて」。これは編集者のささやかな良心?)。

で、中身なんですが、冒頭こんなやり取りがあります。



 勝谷「僕はメールマガジンを毎日発信しているんだけど、『天国のいちばん
    底』という小説を週一で付録にしているんです。」

 南野「はい。」

 勝谷「今日はそのための執筆日なので、取材を断ろうと思ったんだけど、対
    談相手を聞いて気が変わったよ。」

 南野「まぁ。」

 勝谷「南野さんといえば、僕たちの世代にとって憧れの人だからね!」



ウソつけ! オマエが仕事断るなんて絶対ないだろ! 長野聖火リレーの日にサイン会の仕事入れてたヤツが!

その後以下のような会話が続きます。



 勝谷「今の自分を全面肯定して生きていたら、こうなった(笑)」

 南野「へー、かっこいい! 後悔すること、ないんですか!」

 勝谷「何より、サボって後悔することが嫌なんです。僕が一番好きな言葉に
    ソクラテスの『ただ生きるな、良く生きよ』があって、ただ生きるこ
    とは動物と同じだから、少しでもより良くその瞬間その瞬間を生きて
    いこうと、そう思っている。」

 ・・・・・・・・・・・・・・

 南野「いいですね,旅。私も行きたい。」

 勝谷「偉大な人や場所、そういう『本物』に出会うと、インパクトを受ける
    ものだよ。僕はカメラマンでもあるんだけど、例えば誰もいない休み
    の美術館でレンブラントの『夜警』と一対一で対峙したことがあって、
    そのときはゾクッとしたね。」

 ・・・・・・・・・・・・・・

 南野「ならば、私たち一般市民がそんな社会で生きていくためには、どうす
    ればいいの? せめて正しいことは知りたいと思うんですけど。アド
    バイスをください。」

 勝谷「情報はあふれているからね。問題は『リテラシー』といって、それを
    読み解く目を養えるかどうか。談合のことを考えると、大マスコミは
    信用しないほうがいい。せっかくインターネットがあるんだから、自
    分の目で情報を見ることも大切だよ。」

 南野「じゃあ、目を養うためにはどんな知識が必要ですか? 正しい情報は
    どうやって仕入れるんですか?」

 勝谷「知識や情報もそうだけど、本当に必要なのは教養。教養を積むと、は
    じめてのものに出会っても、それが黒か白か本能的に分かるようにな
    る。そしてその教養は古典であったり、人類の普遍的な流れであった
    り、中学・高校・大学ですでに学んでいることなの。」



とまあこんな調子で、全体としてメチャクチャくだらない対談なんですが、1カ所だけ衝撃的な発言がありました。本屋で立ち読みしてた私は、衝撃で目玉が飛び出そうになりました。



 南野「でも、政治や経済もそうですけど、旅やグルメのコラムも書かれたり、
    今までやられていたことも含めて、本当に幅広いですよね。本当は何
    が専門なんですか?」

 勝谷「専門はない。」



え?  え"え"え"え"え"え"え"え"え"え"え"え"!?!?!?!?!?!?!?
はあ?  はああああああああああああああ!?!?!?!?!?!?!?

アンタねぇ、四川大地震のとき自分のことを「地質学の専門家」「地学は専門」って豪語してたじゃないか!
「カメラマン」「詩人」「作家」みんなプロなんだろ? なんでもかんでも「プロ」だ「専門」だって言うからみんな呆れてたんだよ。だから「2ちゃんねる」の今のアンチ勝谷スレのタイトルは【自称】勝谷誠彦・52【専門家】になってるんだよ!
それを「専門はない」だぁ?

もしかして、あまりにもみんなに茶化されたからそう言うの恥ずかしくなったのか? それとも「専門」の分野が多過ぎて、どれも「専門」って呼べなくなったのか? もう訳がわからんわ!

その場その場でいい加減なこと言いやがって! 少しは発言に責任を持て!
いいか、今後2度と「◯◯の専門家」って言うなよ! もし今度言ったらなぁ、

ゆ・る・さ・ん・ぜ・よ・!

(・・・・・すんません、ベタなサゲで)

ランキング・バーナー小

manguhsai at 10:05|PermalinkComments(20)TrackBack(0)clip!

2008年11月11日

空幕長には自由を、府職員には懲戒を

 「 国民の劣情に媚びて田母神前空幕長の退職金を問題にする野党は憲法の
  保証する言論の自由をどう考えているのか」

  http://katsuyamasahiko.jp/title/title2008.html

これは勝谷氏の今月5日の有料配信日記のタイトルです(ちなみに「保証」じゃなくて「保障」ですね。また間違ってるよ、このバカもの書き)。
何を言いたいのかはだいたいわかりますよね。前回引用した4日の『ムーブ!』での発言にも、こういう主張がありました。


 「これ例えば更迭という形で退職金も与えない、つまり懲戒的なクビにしたら
  ですね、これはねぇ、田母神さん訴訟を起こしたら政府は負ける可能性があ
  ります。
  つまり、憲法で保障されている『言論の自由』ということに鑑みると、
  (中略)
  公務員としての身分まで取ってしまうと、これは非常に問題になる可能性が
  ある(後略)」


5日放送の『コラムの花道』では、もっとわかりやすく言っています。


 「今論議で盛り上がってんのが、彼を、退職金を召し上げろとか、またそうい
  う程度の悪い、低いことで民主党が言ってんですよ、みんなの劣情に訴える
  ような。
  だけど退職金を召し上げようと思ったら、懲戒免職にしなけりゃいけないん
  ですよ。で、自衛官とは言え、日本国民としては言論の自由を憲法で保障さ
  れてるわけですよ。だから自衛官であるからといって『こういうことを民間
  の中に書いちゃダメだ』と言って懲戒免職にしてしまったら、これは、今左
  巻きのかたがたが大事にしてる日本国憲法に大変に違反することですよ。」

  http://podcast.tbsradio.jp/st/files/st20081105.mp3


勝谷氏のこの意見に関しては、私、まったく同感であります。
しかし、と同時に勝谷氏にはこう言いたい。
どの口でそんな言葉が吐けるのか!? だったらあのときのオマエの発言はなんなのか!? と。


みなさん覚えてますか?
今年3月大阪府の橋下徹知事が府の若手職員を集めて朝礼を行った際、一人の女性職員が橋下氏に面と向かって批判的な発言をして物議をかもしたでしょ。
彼女が共産党系の組合員だったこともあって、ネットなどでは彼女に対するバッシングが加熱。府庁舎にも実際にかなりの数の抗議メールが送られてきたと聞きます。

そのとき勝谷氏は彼女に対してこんなこと言ってました。
3月15日の『あさパラ!』での発言です。


 「まぁ、失礼な女やな。」

 「場を、場をわきまえろと言いたいね。一応ね、社長に対して1平社員がです
  ね、あーゆう物の言い方はないと思うわ。それで、みんなもそう思ってるん
  ですよって、みんなもそう思ってるかどうかなんて、なんでオマエにわかる
  ねん。」

 「あれは、あれは懲戒すべきですね。当たり前や。」


 (詳しくはこのブログの3月17日の記事「お姉さんたちからブーイング」をご覧下さい。)


大阪府の1職員が知事に対して多少生意気な口をきいただけで「懲戒しろ」とわめいていた人間が、空幕長に対しては「言論の自由があるから、懲戒は大問題」ですって。

空幕長への懲戒処分や退職金返還要求が俗情に媚びているというのはまさにその通りだけど、だったら勝谷氏の府職員に対する発言もそれと同じ、世間の俗情に媚びた愚劣な行為だったってことじゃないですか。

まさか「自衛官と大阪府の職員では違う」なんて、いくら勝谷氏でも思ってませんよね。それこそ差別、憲法にもとる。

ああ、わかった。勝谷氏、このブログを読んで少しはその辺りのことを勉強したんだ。だから過去の愚劣な発言から180度意見を変えた。
そう言えば勝谷氏の

 「田母神さん訴訟を起こしたら政府は負ける可能性があります。」

っていう言いかた、そのときの記事で私が書いた

 「もしあなたがこんなことで懲戒処分を受けたり解雇になったときは、即提訴
  しましょう。絶対勝てますからね。」

に似てますよね。やっぱりこれ読んで勉強したんだな。だったらもう一つ教えておいてあげなきゃ。

オイ勝谷! 偉そうにものを言う前に、まず過去の発言の反省を口にしろ!

ランキング・バーナー小

manguhsai at 01:37|PermalinkComments(31)TrackBack(0)clip!

2008年11月09日

空幕長更迭で股裂き悶絶

自衛隊の田母神俊雄航空幕僚長が民間の懸賞論文に応募し、「日本が侵略国家だったとはぬれぎぬだ」などと主張していたことが先月31日発覚。田母神氏は空自トップが政府見解と異なる主張を展開したカドで空幕長を同日付けで解任されました。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200810/2008103101199

田母神氏が応募した論文コンテストは、全国でホテル・マンション事業を展開する「アパグループ」が主催した「第1回『真の近現代史観』懸賞論文」というもので、くだんの論文はこれの最優秀賞を受賞したんだそうです。
この「アパグループ」は耐震偽装で有名になり、安倍晋三元首相や森嘉朗元首相とつながりのあることでも知られています。

先週4日の『ムーブ!』ではこの話題が取り上げられ、新聞各社における社説の論調が紹介されていました。

・朝日新聞「空幕長更迭―ぞっとする自衛官の暴走」

・日経新聞「田母神空幕長の解任は当然」

・読売新聞「空幕長更迭 立場忘れた軽率な論文発表」

・毎日新聞「空幕長更迭 トップがゆがんだ歴史観とは」

・産経新聞「空自トップ更迭 歴史観封じてはならない」

産経新聞だけが他の4紙と論調が異なるということでした。

また、この問題に対する小沢一郎民主党代表の姿勢も紹介されていました。
小沢氏は
 「以前も同じ趣旨の論文を書いているそうだ。そういう人と分かっていて空幕
  長に任命した政府の責任は非常に大きい。」
とし、国会で田母神氏の参考人招致を要求し、政府の任命責任を追及する構え、なんだそうです。


この問題に対して、もちろん勝谷氏も同番組内でコメントしているわけですが、それを紹介する前に新聞の各社説がどう言っているのか、もう少し詳しく見てみたいと思います。

ポイントは2つ。1つは田母神氏の歴史認識の正誤。もう1つは空幕長解任の是非です。

歴史認識の正誤に関しては、朝日・毎日・読売がハッキリ田母神氏のそれを誤りであると断じています。
産経新聞は極めて曖昧な書き方をしていますが、どちらかというと政府見解のほうが間違っていると言いたそうです。
日経新聞はこの点への言及がありません。

2つめ。空幕長解任の是非について。
産経以外、朝日・毎日・読売・日経の4紙が「解任は当然」としています。
産経はまたしても断言していないんですが、「異常である」という表現で解任の不当を主張しているようです。

以上のように、新聞の論調はほとんど同じで、産経新聞だけが違ったことを言っている、という格好です。
小沢氏の姿勢も、この新聞大勢派と同じ考えに基づいたものということですね。


さて、それでは勝谷氏です。

勝谷氏は「真の保守」を自任し、かつて(04年11月)『朝まで生テレビ』で「日中戦争が日本による侵略戦争だったとは思わない」と発言しています(しかし、このとき司会の田原総一郎氏や共演者に具体的な理由や説明を求められ、まともに答えることができず、しどろもどろの態に陥っていたのは、みなさんよくご存知の通りです。知らないかたは「ミニ掲示板」の動画参照)。
このことから考えれば、今回勝谷氏は当然田母神氏を擁護するはずです。

しかしその一方で、氏は現在小沢民主党に露骨なまでに肩入れし、「小沢の腰巾着」と揶揄されるほど小沢氏に媚びへつらっています。
となると、小沢氏の意向に添って田母神氏に批判的な態度を取らざるを得ないようにも思われます。

なんか難しい立場に立っちゃいましたねぇ。

実際『ムーブ!』での勝谷氏の発言からは、この2つの立場の板挟みに煩悶し、双方に気を遣って神経を磨り減らしていることが痛いほど伝わってきます。

まず歴史認識に関してはこう言っています。


 「まあ(田母神氏が)言ってることは、8割は正しいですね。」


「8割」という微妙な言い回しが痛々しいですが、ここは「だいたい正しい」ということで田母神氏の肩を持った格好ですね。
しかしそれでは小沢氏の顔が立たない。そこで勝谷氏、こう付け足しました。


 「だから、は、は、8割はね、これはたぶん間違いは言ってないと思うけど、
  その残りの2割が非常に質が悪い間違いをね、しています。」


「非常に質が悪い」と「質」に重点を置くことで、「残り2割の間違い」に重みを持たせましたねぇ。なかなか涙ぐましい配慮じゃないですか。これなら小沢さんに許してもらえるかな?


では、空幕長解任の是非についてはどうでしょう? こう言っています。


 「これだけどね、産経新聞の言ってることも一理あってですね、さっき(共演
  コメンテーターの)吉富さん(がおっしゃった)『苦渋の選択』っていうの
  はその通りで、もう一つは、これ例えば更迭という形で退職金も与えない、
  つまり懲戒的なクビにしたらですね、これはねぇ、田母神さん訴訟を起こし
  たら政府は負ける可能性があります。
  つまり、憲法で保障されている『言論の自由』ということに鑑みると、だか
  ら読売新聞の立場が一番ニュートラルで、立場をわきまえない発言であるか
  ら空幕長は解任すべきだけれど、公務員としての身分まで取ってしまうと、
  これは非常に問題になる可能性があるというか、私の聞いている一部の話で
  は、そこまでやったら陸幕長も海幕長もひょっとしたら辞表を出しかねない
  勢いがある。
  (司会者「(両幕僚長も)同じようなことを普段から言っているから?」)
  いや言っているからじゃありません。自衛官としての立場までそういうこと
  で奪われるのであれば、『自衛官は歴史に対して黙っていろという話か?』
  ということですよね。」


「産経新聞の言ってることも一理あって」なんて言ってるから処分には反対なのかなと思いきや、勝谷氏の話は「解任」ではなく「懲戒免職」という仮定の処分について反対してるだけなんですよね。産経新聞、そんなこと一言も言ってないじゃん!
で、肝心の「解任処分」はどうなのかというと、「立場をわきまえない発言であるから空幕長は解任すべきだ」と、結局産経以外や小沢氏と同じ意見なんですよねー。だったらそっちのほうをもっとハッキリ言えよ。そんなに後ろめたいか?


さらに勝谷氏、いつもの誤爆癖にまでこの二股配慮を働かせちゃいます。

まずは論文コンテストを主催したアパグループを批判。
勝谷氏はこの件を、田母神氏の主張が大々的に取り上げられるように、彼とアパグループが結託して起こした確信犯的騒動だと見なして、こう言います。


 「安倍さんのときに、ボクはアベイストと呼ばれている人たちは、日本の保守
  が保守の足をホントに引っ張っているって言ったけど、ホントに頭悪いです
  よね、この人たちは。」


はい、保守批判しちゃいましたから、今度は「左」も批判しますよ。


 「だけどね、産経が言う通りで、これはもっとみんなで堂々と『それはダメだ
  ろ』と『オマエ、間違ってるだろ』と、いうことも含めて議論したほうがい
  い。朝日の社説みたいにね、『ゾッとする』とかね、こういうまだエモーシ
  ョナルなこと言ってるから進化しない、進歩しないんですよ。」


いらぬ感情的表現をくっつけるのは勝谷氏のオハコのはずなんですが、他人にやられると腹立たしいんですかねぇ。
それはともかく、表現がエモーショナルかどうかは別として、毎日・日経・読売と同じく朝日新聞も歴史認識における自社の意見を提示しているわけでしょ。だったら「議論したほうがいい」という産経新聞の主張には何も反していないわけであって、「反対意見まで含めて議論したほうがいい」と言う勝谷氏からは、褒められこそすれ批判されるイワレはまったくないじゃないですか。

アパグループにしても、「世に議論を喚起するために確信犯的にやった」ということであるなら、それは勝谷氏の「もっと議論を」という主張とも合致するわけで、「保守の足を引っ張ってる。頭が悪い」なんていう批判はまるでお門違いでしょ。

支離滅裂なのにバランスだけはしっかり取ろうなんて、もう滑稽以外の何者でもない。


勝谷氏は先日の「1万人ネット会見」でこんなこと言ってました。


 「以前ボクは小沢さんに頼まれて、小沢さんの勉強会で講演をして講演料もら
  ったことがあるんですよね。それ以来ずっと私が民主党について民主党寄り
  の発言すると『勝谷、カネもらってるからだろう』と言われますが、あれっ
  ぽっちのカネで私は自分の節を曲げることはありません。」


小沢氏への忠節と「真の保守」イメージの間でうまく立ち回ろうと必死になっているコウモリ男が、なにをカッコつけてるんだか。
アンタの場合、節を曲げるどころか、もう股が裂けてきちゃってるんだよ。





ランキング・バーナー小

manguhsai at 12:22|PermalinkComments(7)TrackBack(0)clip!

2008年11月04日

前回のオマケ〈出演者はご満悦〉

昨日のニコニコ生放送「史上初!『1万人ネット会見』」の録画を見ることができるようになってます。生で見そこねた方も、昨日見たかたも、暇と忍耐があるならどうぞご覧下さい。

ニコ生 小沢代表一万人ネット会見その1 ( ← これ、会見前の静止画だけ)

ニコ生 小沢代表一万人ネット会見その2

ニコ生 小沢代表一万人ネット会見その3

ニコ生 小沢代表一万人ネット会見その4


私は最初の部分を見逃したので、思いきって頭からもう1度見直してみました。
やっぱりくだらないですね。途中で寝そうになりました。

ただ昨日の「生」書き込みの上から、さらに書き込みがされていたのはちょっと面白かったです。おそらくサクラがいない分、見てる側の実感がより反映されてるんじゃないでしょうか。
小沢氏に対してはもちろんそうですが、司会進行役の勝谷氏に対してもボロカスに書かれてます。

「2ちゃんねる」での反応もチェックしていましたが、やはり同じように悪評紛々でしたよ。

で、そういうのを見ていて改めて思ったんですが、「勝谷は所詮小沢の腰巾着」っていうフレーズは素晴らしいですね。端的かつ的確。
今月2日放送の『たかじんのそこまで言って委員会』で宮崎哲弥氏が発したものですが、個人的には今年の流行語大賞を上げたいぐらいです。


ところで、そんな悪評しか聞こえてこない企画倒れ会見、出演したご本人たちはどう思っているんでしょうか?
昨日夕方のフジテレビでのニュースでは「小沢氏は生放送終了後も上機嫌」と伝えていました。勝谷氏のほうもどうやらそのようです。
今日4日の有料配信日記のタイトルはこうなってます。


 「段取りゼロのネット生中継は真剣勝負。昔のテレビはこうで面白かったんだ
  ろうなあ」

  http://katsuyamasahiko.jp/title/title2008.html


出演者にとっては恍惚感に浸りきれる最高のオナニーだったようです。
オマエら少しは視聴者の声を聞け! 

ランキング・バーナー小

manguhsai at 23:55|PermalinkComments(24)TrackBack(0)clip!