2008年10月

2008年10月30日

バカがコラムをやっている

前々回お伝えした通り、勝谷氏の新刊本『バカが国家をやっている』が一昨日発売されました。『週刊SPA!』連載のコラム『ニュースバカ一代』の2年半分をまとめたものに、インタビュー記事が3つほど付いたものです。

発売を記念して東京と大阪でサイン会が開かれるとか。大阪では「11月15日の15時からジュンク堂書店・梅田ヒルトンプラザ店にて」ということなので、その日その時間に特段の予定がない私は、そこで買ってサインしてもらうのも悪くないか、と思っていました。定価で買うのはちょっとおカネもったいないですけど、生で見た勝谷氏をここで報告できますしね。

ところがですねぇ、そう思っていたのに、昨日つい買ってしまったんですよ。
だってね・・・。

昨日近所の書店に立ち寄ったら、この本が平積みで置いてあるんです。「お、あるある」と思って手に取ってパラパラめくって見てたら、「あれ?」と思うことが。私、気付いてしまいました。
例の「イージス艦衝突事故ステルス実験説」が書かれた回が抜けてるんです!
な、なぜ!? 論理的に推理することが大の苦手で、なんでもかんでも陰謀論に持って行きたがる氏の思考特性がもののみごとに表現されたシリーズ中屈指の名作コラムがなぜ入ってないんだ? 荒唐無稽なバカ推論であることに気付き、恥ずかしくなって削ったのか?

ドキドキしながらさらにパラパラめくっていると、意外な訂正箇所発見!
「四川大地震 の巻」で、雑誌掲載時には円の4分の1を「四十五度」としていたのが、この単行本では「九十度」に直されている!
小学校の算数も理解していないことがバレた、あまりに恥ずかしい間違いだったので、訂正せざるを得なかったのか? ということはもしかして、やっぱりこのブログを読んでる?

大声で笑いたい気持ちを必死でこらえていた私ですが、気が付けばこの本をレジまで持って行ってました。


まだ買ったばかりでちゃんと読んでませんが、きっと面白いことがたくさんあると思います。検証してまたご報告しますので、みなさんは買わないで待っててくださいね。

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2008年10月26日

万偶斎の民事訴訟初歩の初歩

今月21日の『ムーブ!』では、視聴者のAさん(20歳・女性)からの、こんなメールを取り上げていました。

 「ダイエットもしていないのに、雑誌のダイエット広告に自分の写真が無断で
  使われている。どうしてこんなことになるのか?」

Aさんによると、彼女は顔写真付きのブログをやっているんだそうで、その顔写真が、あるファッション雑誌に掲載されたダイエットサプリメントの広告に無断で使用されていたというんですね。よくある「使用前」「使用後」の写真ですね(Aさんの名誉のために言っておきますが、使われたのはあくまで「使用後」であって、「使用前」ではありません)。

『ムーブ!』がこのサプリメントを販売している会社『ビューティサポート』を調べたところ、広告に書かれた住所(東京・六本木のどこか)はこの会社の単なる私書箱、つまり郵便物の受け取り窓口があるところで、実際の会社の所在地は結局わからなかったということです。
登記簿でも、そのような名前と住所のものはなかったそうです。

つまり、インチキ会社が自分のインチキ広告に載せる写真を、ネットにあったものから勝手に取ってきて勝手に使っていたというわけですね。

この件に関して勝谷氏、こうコメントしています。


 「どうしてもこれはみんな泣き寝入りしちゃうっていうか、めんどくさいから
  黙っちゃうんです。このAさんのお母さんは偉いですよ、ちゃんとお嬢さん
  のために(この会社に)電話をしてね。
  こういうのはね、民事でも何でも、特に民事訴訟起こしてですね、それで相
  手をですね特定してですね、肖像権を明らかに侵害されているわけだから、
  それから非常に自分の名誉を傷つけられているわけですから、訴えればいい
  んですよ。
  それで、こういうヤツらはね、カネをこっちが取ると、そしたら裁判所がち
  ゃんとその会社どこにあるか調べて差し押さえますから。そういうこと地道
  にやっていかなきゃいけないし。」






何を寝言みたいなこと言ってるんでしょうかねぇ、この人。
私なら、この件に関して民事裁判を起こすことは絶対にお勧めしません。というか、そもそも提訴さえできません。



実は私、今までに3回民事裁判に関わっています。

1回目は、純然たる当事者ではありませんでしたが、実質的には原告と同じ立場で、ある自治体を相手に弁護士を立てて数年間闘いました。結果は敗訴でしたけどね。もちろん上訴審も含めて。
しかし敗訴したとは言っても、このときの裁判は私にとっては非常にいい経験になりました。民事訴訟というのがどういうものか、よーく理解でき、その後の2回の裁判に生かすことができましたから。

2回目は、フィギュアコンテストの賞金を主催企業が払ってくれなかったため、この会社を提訴しました。このときは「本人訴訟」、つまり弁護士に頼まず、自分でやりました。
結果は勝訴で、賞金もなんとか払わせました。

3回目は、「敷金返還訴訟」です。これも本人訴訟。
他の地域ではどうか知りませんが、関西では賃貸住宅を借りる際、「保証金」を貸し主に預け、退去時にここから何割か引かれて返ってくるという契約が一般的です。いわゆる「敷引特約」というやつです。私の場合は60万円預けて、40万円引かれた残り20万円が返還されるという契約になっていました。

実際の退去時、がめつい家主(おばはん)が難癖付けてさらにカネを引こうとしたので、カチンときた私は「なら預けた60万円全部返せ!」と訴えてやりました。最近はこの「敷引特約」を「まったく合理性がない」として認めない判決が出ているので、勝てると踏んでのことです。
がめつい家主は案の定弁護士を付けずに応訴したもんですから、これはもう赤児の手をひねるようなもんですよ。この家主、はじめての法廷で訳のわからない主張をして、裁判官から失笑と困惑を買ってました。

この裁判は「和解」という形で決着。
結局60万円から10万円だけ引いた50万円が返還されることに。まあ、事実上の勝訴です。
裁判所はすぐに和解勧告をしてくると知ってましたから、長引かせたくない私は多少譲歩。相手も勝ち目がないと悟ったんでしょう、この条件をすぐに飲んで裁判は1回で終わりました。
家主、悔しそうでしたよ。ホッホッホッホッ。

おっと、話が横道にそれすぎました。『ムーブ!』です『ムーブ!』。


私がAさんに民事訴訟を勧めないのは以下の理由によります。

◯ 提訴できない

勝谷氏はこのインチキ会社を「民事で訴えろ」と言っていますが、それはできません。社名も所在地もハッキリしない会社をどうやって訴えろって言うんでしょうか?
民事で訴える場合、相手の住所と名前がわかっていなければならない。まあ、当たり前と言えば当たり前ですよね。
私は2回目の裁判で会社を訴えましたが、その場合相手の会社の登記簿謄本を訴状に添付しないといけないんです。『ムーブ!』の調べでもわかった通り、この会社は、そういう社名・住所では登記簿が存在しないということで、この時点で提訴は無理です。
「民事訴訟を起こしてですね、それで相手を特定してですね」って、そりゃ順序が逆でしょ、勝谷さん。

◯ 割に合わない

提訴できなければそれで終わりなんですが、それでは面白くないんで、仮に提訴できたとして話を進めてみましょう。

この裁判でAさんが勝てたとして、いったい勝谷氏は、裁判所がその会社にどれくらいの支払いを命じると考えているんでしょうか?

勝谷氏は肖像権の侵害と名誉毀損を挙げています。
しかし、別にAさんを侮辱するような内容ではないので、名誉毀損は認められないでしょう。肖像権にしてもAさんは芸能人というわけではないので経済的損失はゼロ。もともとブログで公開されていた写真ですから、慰謝料が認められたとしても、まさにスズメの涙ほどもあるかどうか。
後は写真の著作権というところでしょうが、これもねぇ・・・。

これでもし弁護士に依頼したら、勝訴しても弁護料で大赤字です。
裁判を知らない人がよく勘違いしているところですが、「訴訟費用は負けたほうが支払う」という「訴訟費用」に、弁護士代は含まれていません。したがって、勝っても負けても自分が頼んだ弁護士への支払いは、自分がしないといけないんです。

だったら、弁護士を頼まない、自分でやる本人訴訟はどうか?
裁判に携わった経験が皆無な人にそれをやれというのは、かなり酷な話です。それなりに勉強しないといけないし、勉強しても試行錯誤を繰り返すと思います。結構な手間と時間をかけることになるでしょう。
もちろん控訴、上告される可能性もある。
スズメの涙ほどのおカネのために、ここまでするのは割に合いません。

◯ 差し押さえは大変

勝訴が確定しても、それで自動的におカネが手に入るわけではありません。相手が支払いに応じなければ「差し押さえ」、つまり「強制執行」の手続きをしないといけません。しかしこれがすこぶる面倒。

強制執行には以下の3種類があります。

・不動産執行:土地・建物などの不動産を差し押さえる

・動産執行:備品・商品などの物品を差し押さえる

・債権執行:給料・預貯金などを差し押さえる

このうちのどの強制執行にするか自分で決めないといけません。

ハッキリ言って、不動産執行なんか素人には無理です。

債権執行も、その会社がどの金融機関に金を預けているか自分で調べないといけない。そんなの普通わからないでしょ。
仮にそれがわかったとしても、別の債権者に先に押さえられている可能性もあります。これも素人にはなかなか難しい。

となると動産執行ですが、差し押さえてもカネになるものがその会社にあるかどうかは、やってみないとわからない。

さらにやっかいなのが、この強制執行の手続き、相手の所在地を管轄する裁判所でやらないといけない。
つまり、裁判自体は近くの裁判所でできますが、差し押さえしようと思うと、相手の所在地まで行かないといけないんです。

私の2回目の裁判について言えば、相手の会社は東京にありました。
裁判自体はすべて私の家の近くの簡易裁判所でできたので、判決まではそれこそ楽勝でした。そりゃそうですよ、はるばる東京から出てくるなんて、相手の会社は1回もしませんでしたから。つまり私は不戦勝だったわけです。

しかしそんな会社、判決通りカネなんて払ってくれませんから、今度はこっちがはるばる東京に行かないと行けない。
もちろん行きましたよ。金券ショップで使い残しの「青春18きっぷ」買って、10時間も電車に乗って、東京に。新幹線なんか使うと割にあわなくなりますからね。
宿代も浮かせるために知り合いの家に泊めてもらって、次の日の午前中に手続き済ませて、また10時間電車に乗って帰ってきましたよ。
あのときはしんどかったなぁ。それでも16万円は私にとっては大金でしたから(今もですけど)。

後日、裁判所が動産執行で商品を差し押さえようとしたら、相手も音を上げてやっと支払いに応じました。
しかしそこでも払わなかったら、差し押さえた商品をめぐって、またややこしいことになっていたところです。

勝谷氏は「裁判所がちゃんとその会社どこにあるか調べて差し押さえますから」なんてサラッと言ってましたが、「バカか、オマエ!」と言いたい!


どうですか、裁判でおカネを取るのって大変でしょ?
私の3回目の裁判のように比較的簡単に終わるケースもありますが、このAさんの場合はそうはいかない。提訴そのものができないし、できたとしても私の2回目の裁判のようになることは間違いない。
わずかなカネを取るために、Aさんにこんなしんどいことしろなんて、私にはとても言えませんね。
勝谷氏のコメントは、無知なればこそ吐ける言葉です。無責任きわまりない。


さらに言わせてもらうなら、勝谷氏がいつも発している勇ましい言葉は、たいていこういう無知・無思慮によるものです。
例えば勝谷氏は、「竹島を武力で奪還しろ」と気安く言う。しかし氏の口から、それにはどれだけの損害が伴い、どのようなデメリットがあるかという緻密な計算を1度として聞いたことがない。
そんな無責任な発言を真に受けるヤツは、勝谷氏と同じぐらいのアホですよ。

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2008年10月22日

ゼロ距離! 一心同体康夫隊

今月28日に勝谷氏の新刊『バカが国家をやっている』が出版されるそうです。
新刊とは言うものの、この本は現在『週刊SPA!』に連載されているコラム『ニュースバカ一代』の2年半分、120本をまとめたものなんだとか。既刊の単行本『ニュースバカ一代』の続編ということですが、『続・ニュースバカ一代』や『ニュースバカ一代・2』では売れないと思ったんですかね、こんな「日本語としてどうなの?」というタイトルになっちゃってます。

私としましては、立場上読まないわけにはいかないかと思っているんですが、定価で買うのはなんとももったいない。図書館で借りるとか、ブックオフで買うとかできないかなぁ・・・。

それとなにより『偽装国家』『偽装国家II』もまだ全部読んでないんですよね。まずはこっちのほうを早く片付けなければ。

というわけで今回は『偽装国家』からネタを拾ってみました。



この本の第3章「『利権談合共産主義』の末期的症状」では「中立公正を偽装する談合メディアの大罪」と銘打ってマスコミを批判している箇所があります。
そこでは新聞とテレビを談合体質であると批判し、特に新聞に対しては「押し売り」と決めつけ、競争原理が働いていないかのように言っています。


 「新聞も、あれを宅配と思っている人もいるかもしれませんが、違いますよ。
  押し売りですからね。3か月しか購読契約してなくても、勝手に永久に投げ
  入れるでしょう。払わなければいいんですよ、ハンコは押してないんですか
  ら。誰もこの制度を押し売りとは、なぜか言いません。」


一方で、勝谷氏がかつて記者として働いていた週刊誌は批判の対象になっていません。と言うかむしろ賞賛されちゃってます。


 「週刊誌は違います。商品ですから、その週の広告を見た人が面白いと思え
  ば買ってくれます。読者が自らお金を出す、アクティブな行動に基づいて
  いる。ご飯や洋服と一緒です。まずければ買ってもらえません。次から別
  の店に行かれてしまう。『週刊文春』から『週刊新潮』に移られてしまう
  かもしれない。だから競争原理が働くのです。」


(ちなみに個人的経験では、新聞は契約期間が終わると配達されなくなります。続けて配達されたことも何度かありましたが、言えば止めてくれますし、その分の料金を請求されたことは1度もありませんでした。)


で、その大メディアの談合体質の象徴が「記者クラブ」というわけです。勝谷氏はこの制度を「日本で最悪にして最大の談合組織」と非難しています。
ここで勝谷氏は、週刊誌記者としてこの制度と闘った一つのエピソードを紹介しているんですが、これが実に興味深いんですよ。氏が何に対して怒っているか、よくわかります。


 「たとえば昔フィリピンで起きた、三井物産の若王子信行さん誘拐事件。こ
  のとき私は『週刊文春』の記者をしていて現地に行きましたが、日本大使
  館の会見に入れるのは日本人記者会、つまり大新聞・テレビ局の人だけで
  した。当時取材に来ていた他のメディアは『赤旗』、『夕刊フジ』、『世
  界日報』。みんな大使館の会見には入れてもらえない。
  そこで私たちは、この4社でマニラ第2記者会というのをつくりました。
  それで大使館に正式に要求して、全部2回ずつ会見をやってもらったわけ
  です。そのうち向こうが音を上げて、会見に入れてくれるようになりまし
  た。そういうときは、左の『赤旗』も右の『世界日報』も連携するわけで
  す(笑)。」


つまり、自分たちは最初、大きな談合組織の仲間に入れてもらえなかったので、小さな談合組織を作った。そしたら大きな談合組織が「じゃあ入れてやるよ」と言って、仲間に入れてくれた。よかった、よかった。めでたし、めでたし。というわけです。
結局勝谷氏の怒りって、自分が談合に参加できなかった「やっかみ」だったわけです。


そしてその「やっかみ」の対象だった記者クラブを長野県で解体したのが田中康夫前知事ということで、この本では彼の功績を高く評価しています。
もちろん「脱・ダム」「ガラス張り知事室」も含めてね。

この本に限りませんが、勝谷氏は何かと言うと田中氏の名前を挙げ、彼の功績を持ち出し、これを賞賛していますよね。まるで長野での田中県政が政治のお手本であるかのように、「田中さんはこうした」「田中さんはこうだった」と。

読者のテルミーさんが教えてくれたものですが、12日の『VOICE』という関西ローカルのニュース番組の取材に答えた際も、「今度の衆院選で兵庫8区から出馬するかしないか、今言うのは有権者に失礼。立候補締め切りのときまでに言えばいい話であり、田中康夫さんのこないだの長野県知事の立候補のときがそうだった」と、いささか意味不明気味に田中氏の「正しさ」を引き合いに出していました。






まあ、ここまでなら並の「信者」にはよくある話ですが、勝谷氏の異常さは、その田中県政をまるで自分が一緒になってやっていたかのような発言までしているところですよね。
もうみなさんよくご存知だと思いますが、ここでその手の発言をまとめておきましょう。今までにこんなこと言ってます。


・「ボクは長野で田中さんと6年やりましたけれども、最大の抵抗勢力は議会で
  すから。」

                        1月28日『スッキリ!!』


・「長野県でボクは6年間、だからまったくそれ(議会の多数党との協調)じゃ
  ないのをやってきましたけども、ごくごくホント針の穴を通すようにやって
  きて、少しずつやってきたよ。」

             6月15日『たかじんのそこまで言って委員会』


・「やっぱり知事っていうのはですね、実は1期目に種をまいて、2期目でやっ
  とその芽が出てくるんですね。ボクも田中さんと長野県ずっとやっててわか
  ったんですけど、なかなか議会も動かないし、役人も動かないんですよ。」

                         10月6日『ムーブ!』





2つ目なんかは、もう田中氏さえ出てこない。自分が知事だったかのような発言になってます。なんかここまでくると病的ですよね。気っ色悪ぅ〜。
(もっとも田中氏のほうでは勝谷氏をどう思っているのかわかりませんけどね。以前、北京五輪に憎悪をたぎらす勝谷氏を「勝谷うんたら」と称して批判していましたから。)

勝谷氏は『偽装国家』でテレビを批判してこう言っています。


 「いったい、この国のメディアは誰のところに軸足を置いているのでしょう
  か。批判すべき対象との距離感をどう考えているのでしょうか。メディア
  は権力によって腐敗し、権力はメディアによって堕落する。この言葉を思
  い出しました。」


田中氏は知事時代、まぎれもなく長野県での権力そのものだったわけです。その田中氏と一心同体であるかのように発言する勝谷氏自身こそ、権力との距離感をどう考えているんでしょうか?

今度の総選挙では、もしかしたら小沢民主党が政権をとるかもしれません。さらにもしかしたら田中氏が新政権に大臣として入閣するかもしれません。そのとき勝谷氏はこの権力に対してどうものを言っていくんでしょうか?
田中氏と一心同体であるかのような発言を繰り返していた人物ですよ。持ち上げ続けた小沢一郎氏から講演料50万円を受け取っている人物ですよ。まあ、まともな距離感で発言できるとはとても思えないんですがねぇ。


一心同体



















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今月6日の記事「やっぱり愛は盲目 滅裂政談」で、有田芳生氏を「もう1人の新党日本議員」と書きましたが、有田氏は先の参院選で落選しており、議員ではありませんでした。訂正します。すみません。

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2008年10月14日

今回もお声はかからず

『たかじんのそこまで言って委員会』が一昨日12日から秋田放送と静岡第一テレビでも放送されることになったんだそうです。
これで23局ネット。関東地区とほんの数県を除いて見ることができ、今やまさに「準全国放送」と言ったところでしょうか。

その12日の放送(収録は10日)で、はじめに秋田と静岡の視聴者に向けて挨拶した際、司会のやしきたかじん氏が冗談のつもりで、こう叫んでました。

 「秋田のみなさま、そして静岡のみなさま、アンタらの会社も
  ようさん(たくさん)潰れるで〜!」

直前、景気不安の話が出た流れとは言え、これはちょっとねぇ・・・。
さすがに本人もマズいと思ったのか、「カットしてくれ」というように言ってましたが、実際の放送でキッチリ流れていました。

しかしホントに耳を疑ったのは、その直後の勝谷氏の発言でした。
何を勘違いして悪乗りしたのか知りませんが、秋田県が過去2回の全国学力テストで上位であることに触れ、こういうことを言い放ってふざけていました。


 「自殺率が高いのは、きっとよく考え過ぎるから死んでしまうんですね。」


さすがは、裁判で賠償を命じられてしまう橋下徹氏の発言や、「住所を晒せ」というアホコラムニストの発言を流す番組ですよね。
何をしゃべったらいけないかわからない出演者に、何を放送したらいけないかわからないスタッフ。こんな人たちが作る番組が「準全国放送」とは、テレビも落ちるとこまで落ちたもんですな。


さて今回のこの番組、前半は、間もなくではないかと言われる総選挙を見越して政局ネタが中心でした。
出演者への設問には、こういうのがありました。

 「日本を救えるのは(麻生)太郎(小沢)一郎どちらだと思う?」

勝谷氏の回答は当然「一郎」でしたが、共演していた彼の元上司・花田紀凱氏はその小沢氏が心底お嫌いな様子。
 「秘書のために赤坂のマンション10部屋ほど持ってるとか、自宅の横に10
  億円の土地持ってるとか、夫人も6億円の土地・建物のローンをわずか12
  年で完済したとか、そういう話がいくらでもある。小沢氏は疑惑まみれ。首
  相になれば新聞は容赦なく叩いてくる。民主党の不幸は今の党首が小沢氏で
  あること。」
などと小沢氏をこき下ろしていました。

そこへ宮崎哲弥氏までが「逮捕された防衛族のフィクサー・秋山直紀『防衛疑獄』という本を書いたが、その中に小沢一郎の名前がいっぱい出てくる」と乗ってしまったもんだから、勝谷氏、たまらずこう言ってしまいました。


 「しょうがないんだよ、クソの中から出てきたミソなんだから。
  いいんだよ、ミソ汁作れりゃいいんだよ。」


おお! さすがは有名グルメライターですねぇ。ウンコの中から出てきたミソでミソ汁作って飲めるんですって。私なんか、とてもそんなババチイもん、口にできません!

それにしても、これ、どういう意味なんでしょうね?
かつて小沢氏は自民党の中心人物、陰の番長だった人でしょ。自民党がクソだと言うなら、小沢氏はクソの中のクソ、「キング・オブ・クソ」ってことになりませんかね? それが何でミソなんでしょうか?
それに「ミソ汁作れりゃいいんだよ」って、ねぇ・・・。
小沢さん、勝谷氏ってアナタのこと、それぐらいにしか思ってないんですって。これからは50万円払って講演に呼ぶの、やめたらどうですか?


さらに番組では、総選挙の時期を問う設問がありました。
勝谷氏は11月23日と答えましたが、これを宮崎哲弥氏から即座に否定されてしまいました。
三宅久之氏も交えた、そのときのやり取りです。


 勝谷「11月にやるんやったら、間違いなく23日やと思いますね。」

 宮崎「いやいや、23日はあり得ない。」

 勝谷「なんで?」

 宮崎「APECの首脳会合だから。」

 勝谷「ああ、そっか。」

 三宅「いないんですよ。麻生さんいないの。」


勝谷氏は先月24日の『コラムの花道』で「総選挙は11月2日で決まり。創価学会員の中にいる工作員が教えてくれたから確実」なんて言って、大ハズレこいてましたよね。今回もその工作員に教えてもらったんですかね。
まあ、なんにしても自分で調べて、自分で考えたほうがいいですよ。それでハズれたほうが、ガセネタ掴まされて恥じかくよりスッキリするでしょ。

そう言えば、勝谷氏、このやり取りの後、こんなことも言ってましたね。


 宮崎「11月あるとすれば、30日か16日。」

 勝谷「16日、仏滅。」

 宮崎「仏滅関係ない。」

 勝谷「公明党は絶対にOK出さない! 23日は大安。うん。」


やっぱり学会工作員経由のネタでしたか・・・。アホですねぇ。







ところで、1部ネットでは勝谷氏が、彼の生まれ育った尼崎市がある兵庫8区から、公明党の冬柴鐵三元国交相に対抗すべく立候補するのではないかと囁かれていますよね。
これに関しては、『そこまで言って委員会』の収録日の翌日、11日に生放送の『あさパラ!』で勝谷氏自身が言及しています。
「解散・総選挙はいつになると思うか」と訊かれてこう言っています。


 「えー、ワタクシが尼崎市兵庫8区から立候補宣言をするときでしょう。
  ウソだよ〜!」





ふざけた言い方をしていますが、私には痛いほど氏の哀愁が感じられます。
そう、それは大阪府知事選で誰も声をかけてくれなかった悔しさと悲しみを誤摩化すために、エイプリルフールの日記でウソの衆院選出馬宣言をして、おどけてみせたときと同じ。

勝谷氏、今回もまたどこからもお声がかからなかったようです。
だいたい出馬要請が来ていたら、11月23日がAPECの首脳会合の日だってことぐらい教えてもらってますよね。

というわけで、私は断言します。勝谷氏、今回も不出馬!

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2008年10月10日

前回のオマケ〈タイトル一覧より〉

橋下徹氏が『たかじんのそこまで言って委員会』で光市母殺害事件の弁護団への懲戒請求を視聴者に呼びかけた際、共演していた勝谷氏もかなりヒドい発言をしていたようです。

読者の太郎花子さんが教えてくれたブログ『◯◯の神様』「橋下徹さんの懲戒請求扇動問題の原点 〜あの日、あのとき、あの番組で〜」に、そのときのやり取りが記録されています。
勝谷氏は橋下氏のくだんの発言の直後、こう言っています。


 「どうせね、大新聞やテレビはヘタレだからようせんだろうから、週刊誌は
  21人全員の顔写真と名前とね、過去にどういうのにかかわってきたのか
  出したったらええねん。ついでに住所も書いたれ(笑&拍手)」


顔写真や経歴はかまわないと思いますが、住所を出したらいかんでしょ。これじゃあ気に入らないヤツの個人情報をネットで暴露している犯罪者と同じレベルですよ。
なるほど、こんな発言してたんじゃあ橋下発言も擁護せざるを得ませんわな。


ところで、勝谷氏は自身の有料配信日記でも橋下弁護士擁護論を書いているようです。
まあ、ネタを使い回すのが常ですからそれは当然なんですけど、氏のホームページ「タイトル一覧」でそれが確認できます。
10月3日(金)のタイトルはこうなってます。


 「光市事件のあの外道弁護団が橋下知事より正しいなどという非常識な世界で
  裁判員などやりたくないわ」


中身を読まずに、タイトルだけであれこれ言うのは良くないんでしょうが、このタイトルじゃあどうしてもツッコミたくなるなりますよね。

「光市事件のあの外道弁護団が橋下知事より正しいなどという非常識」?

いやいや、そんな問題か〜い!(チーン。「髭男爵」風に)

橋下氏の行った懲戒請求の呼びかけが違法かどうかがこの損害賠償請求訴訟の問題であって、弁護団が「外道」とかどうとかいう問題じゃないでしょ。これ完全に母子殺害事件の裁判と混同していて、法的な論点が整理できていない。その上感情的判断までゴッチャにしてますよね。
物事をキチンと分けて考えられるかどうかが、その人の知性の基本的なレベルを計る目安だと思いますが、勝谷氏はこの件に限らず、それが出来ていないことが多過ぎます。

で、前回紹介した『ニュースバカ一代』では

 「世間の常識は司法の非常識か。なるほど皮肉な意味で裁判員は確かに必要
  である。」

と書いていて、裁判員制度を(皮肉でも何でも)肯定しているかのようだったのに、日記のタイトルでは

「裁判員などやりたくないわ」

になっています。

どっちやね〜ん!(チーン) ハッハッハッハッ(「髭男爵」風に)。



しかしまあ、この「タイトル一覧」、ちょっと見ただけで他にもツッコミどころがいっぱいありますね。
例えば9月28日(日)のタイトルは

 「中山国交相を押し込んだのは森喜朗。結局自民党はあの大愚物を談合で首相
  に選んだことが滅亡の始まりだった」


その1週間後の10月5日(日)は


 「中山国交相を押し込んだのは森喜朗。結局自民党はあの大愚物を談合で首相
  に選んだことが滅亡の始まりだった」


おんなじか〜い!(チーン)

しかし、まだ選挙もやってないうちから「滅亡」と決めつけるっていうのはどうなんですかねぇ。
と思ったら、10月7日(火)では


 「『アメリカで起きた金融恐慌は太平洋のこちら側で阻止する』と呼号して
  サミットを再開催すれば麻生さん選挙に勝てるんだけどな」


まだ勝てるんか〜い!(チーン)

どっちやね〜ん!(チーン)

ハッハッハッハッ。


タイトルだけでこんなに面白いんですから、中身はもっと面白いんでしょうね。なんかホントに購読したくなってきちゃいましたよ、勝谷さん。
な〜んてね。ウソじゃ、ボケ!

ボンジュ〜ル!!





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2008年10月08日

笑止! 橋下弁護士擁護論

『たかじんのそこまで言って委員会』が昨年5月27日に山口県光市母子殺害事件を取り上げた際、荒唐無稽な主張を繰り広げる被告弁護団に対して憤りを感じた橋下徹弁護士(現大阪府知事)が、「許せないって思うんだったら一斉に弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたい」と視聴者に呼びかけたことは、みなさんよくご存知だと思います。

この呼びかけにより、当該弁護団4人に対し計2500件以上の懲戒請求が弁護士会に寄せられたんだとか(最終的には8000件以上)。弁護団は昨年9月に「業務を妨害された」と橋下氏を提訴しましたが、その判決が今月2日に下されました。
橋下氏の不法行為を認め、氏に計800万円を支払うよう命じるものでした。

http://mainichi.jp/select/today/news/20081002k0000e040010000c.html



この件に関し勝谷氏は、『週刊SPA!』08/10/14号(現在発売中)に掲載の『ニュースバカ一代』VOL.304「橋下弁護士賠償命令 の巻」で

 「メディアを持たぬ一般国民に"武器"を与えた橋下弁護士を擁護する!」

と、判決に不快感を示し、逆に橋下氏の行為を絶賛しています。
しかし、これがまあ、またしても自己矛盾に陥りまくった噴飯ものの主張です。

氏はこのコラムで、判決そのものに対しては真っ正面からの法的な反論をなんら行わず、ただ「世間の常識は司法の非常識か。なるほど皮肉な意味で裁判員は確かに必要である。」とイヤミを言うのみです。
そこでの主張はもっぱら、「懲戒請求という方法が有効かつ正当であり、その方法を一般人に教示した橋下氏はエラい!」ということに重点を置きます。


 「そうした人物(被告)の命を救うために嘔吐を催すような主張を繰り返し
  て被害者遺族の心を傷つけている弁護団に対して、国民の大多数はなんと
  かしないといけないと思った。しかし、その方法はわからないし、大勢の
  記者を前に会見する弁護団と違って、メディアを使うすべもない。司法や
  大マスコミの論調がまかり通る世界においては、日々の営為に汗する一般
  の国民こそが少数派であり、弱者なのだ。そうした人々に懲戒請求という
  武器を教えた橋下弁護士は、これまた別の視点から見た弱者の味方であっ
  たと言うべきではないのか。だから私は番組の中でハタと膝を打ったので
  ある。これで、お互いが対等な土俵の上で闘える、と。」


読者諸賢のほとんどは、この文章や先に引用したサブタイトルを読んで、こう思われたんではないでしょうか。「おいおい、オマエ、倖田來未のときは何て言ってたんだよ!」って。


今年1月、歌手の倖田來未氏がラジオで「やっぱ35回るとお母さんの羊水が腐ってくるんですね。ホントに! 例えば汚れてくるんですよね。」と発言して世間の批判を浴びた際、勝谷氏はネットによる番組やスポンサーへの抗議を口汚くこう罵っていました。


 「ボクはね、最近のね、すぐこのブログ炎上だとかね、バッシングにですね、
  一般の人が走ってね、今まではね、芸能やね、メディアが、こういうワイ
  ドショーなんかがバッシングにね、狂奔してて、それも嫌な感じだったけ
  れども、最近はね、こういう日本人の品性下劣さっていうのはね、非常に
  ね、許しがたい気持ちになることがあるね。」
                        (『ムーブ!』2月4日)


 「ボクは、このねぇ、あの、メーカーなんかにですね、これほとんどですね、
  ネット上なんかにメーカーのURLが貼られていて、ここに送ってもっとバッ
  シングしてやれっていうことを煽っているバカがいるわけですよ。そういう
  ものに対して冷静に対応できないで、すぐに事なかれでこういう風にやめれ
  ば済むと思っているメーカーもね、ちょっとボクはおかしいと思うし、もち
  ろんそれに、尻馬に乗ってやっているバカどもは言うまでもないけどね。」
                        (『ムーブ!』2月5日)


 「彼女を使わざるを得ないCMの会社とか何かにですね、わざわざそこのメー
  ルの先なんかをですね、広めてですね、そこにバッシングメールを送れと煽
  るような、下品で下劣で卑怯な人間がいっぱい増殖してるっていうことをテ
  レビで言ったんですよ。」
                     (『志ジャーナル』2月10日)


これらの発言に対して、私はこのブログで次のように批判しました。

「視聴者や読者が批判や苦情を表明することは、まったくもって真っ当なこと」
「それぞれがそれぞれに憤りを感じて、気持ちを率直に表明したにすぎない」
「企業のアドレスを示して、そこに抗議メールを送ろうと呼びかけることの何が
 いけないのか? その呼びかけに応じて実際に抗議のメールを送ることの何が
 ダメなのか?」
「一般人には『苦情も言うな。批判もするな。』とは、どこの国の何様か!?」

(詳しくは「佃煮おやじ、羊水腐る姉ちゃんをかばう」「笑止! 倖田來未擁護論(後編)」を読んでね。)


倖田氏への抗議行動は、橋下氏の発言やそれに応じて出された懲戒請求とある意味同様な「メディアを持たぬ弱者の闘い」であるのに、橋下発言のほうは「武器を与えた立派な行為」と賞賛され、倖田氏への抗議メールの呼びかけは「下品で下劣で卑怯」と罵倒される。なぜこれほどまでに評価が違うのか? 氏にはハッキリ説明してもらいたいところです。

と言ってもどうせ説明しないんでしょうから、私が説明します。

結局勝谷氏は、達成すべき目的が自分の意に添うものであるならどのような手段でも賞賛し、自分の意に添わない目的なら同じ手段でも非難するんですよ。蒙昧な知性に起因する低劣なダブルスタンダード以外の何者でもない。
これは氏の愚民思想の「基本原理」でもあり、自分になびく者は「常民良民」、背く者は「愚民」と言うのと同じです。ならば倖田氏にも弁護団にも、両方に抗議した人はどう呼ぶんでしょうね。是非聞いてみたい。


ここで誤解のないように言っておきますが、私は今回の判決は妥当なものだと思っています。
「ではオマエも倖田のときは良しとし、弁護団のときは否とするダブルスタンダードではないか」なんて言われそうですが、それは違いますよ。

倖田氏の失言に対する番組やスポンサーへの抗議は、例え降板要求が含まれていても、それは純然たる「言論」です。その気になれば無視もできる。
しかし弁護士への懲戒請求は、一旦それがなされれば否応なく審理という制度的プロセスが発動してしまうものであり、単なる「意思表示」「言論」とは違います。
しかもその理由は「弁護の仕方が気に入らない」という、極めて恣意的にかつ大幅に弁護活動を制限するものです。こんな理由で弁護士の首など切れないことは言うまでもないことで、判決にあるように同じ弁護士なら橋下氏も十分わかっていなければならないことでしょ。
勝谷氏にはその視点がまったく欠落していて、同じように見える方法でも、ヒドいほうを是とし、まともなほうを非とするバカげた主張になっています。

昨日の『ムーブ!』でこのコラムが紹介された後、勝谷氏はこう言っています。


 「番組でああいう風に言ったということに対して、これはある種の、まあ圧
  力ととろうと思ったらとれるわけですよ。自由に発言しにくくなるという
  こともある。その辺も踏み込んで・・・
  だから橋下さんはね、それも言ってほしかったですよね、記者会見でね。
  『テレビでこういうこと言ったからといって、こういうことされたら、自
  分は弁護士であるという特殊な立場であるけれども、非常にやっぱり"もの
  言えば唇寒し"になるんではないか』と、言論界の人間の一員として言って
  ほしかったね。」


「判決が言論を規制しかねない」なんて言う前に「懲戒請求が弁護活動を制限しかねない」ことに気づけよ。

(さらに誤解のないように言っておきますが、私も母子殺害事件の弁護団の荒唐無稽な主張に心底ムカついた人間の一人です。しかし、だからと言って感情を優先させ、道理を無視するような言動をとるべきではない。そう言っていることをご理解してね。)



勝谷氏はこのコラムを次のように締めくくっています。


 「その橋下さんに対して自らは強大なメディア権力を握る朝日新聞は社説で
  弁護士辞任を要求した。弁護団も朝日新聞も良民常民の常識を踏みつけに
  した報いを受けるだろう。」


私がテレビで見た弁護士コメンテーターは、すべて橋下氏の発言を不当だとしていました。なぜ八代英輝氏や大澤孝征氏や石丸幸人氏に「報いを受けるだろう」と言わないんでしょうねぇ。
自分の主張に自信があるならこういう専門家と論戦してみろよ。

ま、それはいいとして、最後に私が一番言いたいことを。

勝谷氏は、自分が強大なメディア権力に庇護されていることに気付かないんでしょうか? 勝谷さん、アンタは自分の日記だけじゃなく、朝日放送でも読売テレビでも日本テレビでもTBSラジオでも扶桑社の雑誌でも、好き勝手しゃべってるんだよ。
そのアンタのデタラメや妄想や名誉侵害に、メディアの権力とやらを持たない我々がいくら抗議の声をあげても一向に届かないし、無視され続けてるんだよ。

「対等な土俵」は橋下弁護士が作ったんじゃない。懲戒請求という制度を作ったのは弁護士会だよ。
アンタが本気で「一般人を対等な土俵に上げた橋下はエラい」と思っているんなら、自分が乗っかっている巨大メディアに、出演者の発言責任を問える制度を作ってみろよ。少なくとも「視聴者からの批判に真面目に向き合う制度を作れ」って主張し続けろよ。

そんなことさえやりもしない、それどころか強大なメディアにケツまで拭いてもらっている人間が、弱者の味方面してメディア権力批判とは笑止千万なんだよ!





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manguhsai at 19:36|PermalinkComments(25)TrackBack(2)clip!

2008年10月06日

やっぱり愛は盲目 滅裂政談

宮崎県の東国原英夫知事って、なんで人気あるんですかねぇ? 私には彼の人間的魅力っていうのがサッパリわからないし、かつても芸人としての魅力をまったく感じなかったもんですから、不思議でしょうがないんですよね。「それでも政治家としては有能だ」ってことなんでしょうか? そうなのかなぁ・・・。

その東国原知事、なんだか衆議院選挙に出たくてしょうがないみたいですね。

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20081005-415972.html

「今のところ出馬はありません」と言っていますが、「今のところ」は「今のところ」ですからね、結局どうなるかはわかりませんよ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081006/stt0810061235001-n1.htm


さて、今日の『スッキリ!!』ではこの話題が取り上げられたんですが、すっかり選挙戦モードに突入していて、普段以上にまともな思考ができなくなっちゃっている勝谷氏は、案の定頭に血が上ってハチャメチャ言ってました。


 「ま、これ出たら宮崎県民は、国会議員になるため、もしくは、入閣するか
  もしれませんよ、今入ったらね、踏み台にされたということですよね、正
  直言って。
  それでボクは長野県の県政ずっと見てましたけども、知事って2期やんな
  きゃダメなんですよ。1期で種をまいて、2期目でやっと刈り取って。だ
  から2期やってある程度のもの残して次行くならわかるけれども、今はあ
  まりに無責任。
  というかね、ボクね、東国原さんが国政、国のこと憂いているのわかるの。
  だから出たい気持ちはわかるの。気持ちはわかるんだけれども、その気持
  ちにつけ込んで声をかけた自民党っていうのはね、ものすごく無責任だと
  思う。宮崎県民のこと何と思っているのか。でしょ?

 (司会「ま、そこを判断するのは東国原知事になってくるんでしょうね。」)

  ま、そうなんでしょうけど、ボクは声をかけたこと自身でね、そこまでや
  るかと思いましたね。品性下劣!」


またしても自民党批判に話を持って行きますか?
失言問題で引退を表明した中山成彬前国交相の代わりに自民党の支持を得て東国原氏が立候補すると、民主党推薦で出馬予定の川村秀三郎氏では歯が立たないと焦ったんでしょうが、打診しただけで自民党を「品性下劣」呼ばわりっていうのは、いくらなんでもヒド過ぎるんじゃないでしょうか?


しかしこれで呆れるのはまだ早いんですよ。選挙戦モードの勝谷氏の発言はこんなもんじゃ終わりません。この後発した言葉に私はア然としました。


 「だから今高く売ろうとしてるかもしれません。ただの議員ではなく、さっ
  き言ったように、入閣する可能性とかね。だけど、じゃあ自民党が与党に
  いるかどうかっていうのもわからないわけだ。その状況を今見極めている
  わけ。
  だけど、これっていうのは東国原さんが1番嫌がって、それを排除しよう
  とした談合じゃないですか、まさに。こういうね、政治の裏側の社会でで
  すね、話し合いをして、根回しして、談合してるような政治を変えようと
  いうことでしょ、国民の今の意図は。それには逆行してます。
  だからね、これ出ればいいですよ。自民党推薦で出りゃあいい。そしたら
  民主党はですね、候補者調整して田中康夫さんを送り込め。同じく知事を
  やってきた。民主党候補として。それくらいやってみりゃあいいですよ。」


た、田中康夫氏を? み、民主党候補として? はあぁ???
田中氏は新党日本の党首ですよね。それが民主党の1候補者として宮崎県から出馬するんですか? じゃあ新党日本はどうすんの? 放り出せばいいってことですか? それこそ無責任じゃないですか。
いくら新党日本が民主党の子会社、出張所、属党のような存在に過ぎないとは言え、一応支持してくれていた人もいるんでしょ? そういう人たちの気持ちを何だと思ってるんでしょうか?
そして同党で共に闘ってきた有田芳生氏はどうするんでしょうか? 置いてけぼり? 一緒に民主党に鞍替え? じゃあ、もともと宮崎1区から出馬予定の川村氏は? 推薦は取り止めですか?
もう何もかもメチャクチャじゃないですか。思いつきをすぐに口にしないで、少しは後先考えて発言しろよ!

もちろん田中氏も民主党もこんなことやるわけないでしょうし、考えもしないでしょうが、あまりの荒唐無稽さに開いた口が塞がりませんでした。
日本広しと言えども、こんなバカ政局話を堂々と語れるのは勝谷氏を措いて他にはいませんよね。さすが勝谷オリジナルは面白いわ。

まあ、「狂おしいまでの小沢民主への愛ゆえに」ってとこなんでしょうが、ここまでくると「狂おしい」じゃなくて、ホントに頭が狂っちゃってますよ。


しかし、だったらあの6ヶ月半前の『たかじんのそこまで言って委員会』での発言は何だったんですかねぇ。

 「ボクは別に民主党支持でもなければ、小沢さん支持でもないからね。」

もう支離滅裂でついていけません。





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manguhsai at 17:45|PermalinkComments(26)TrackBack(0)clip!

2008年10月02日

やったー! 15人も死んだ

昨日、大阪市浪速区の個室ビデオ店が放火され、客15人が死亡するなどの被害が出ました。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/081001/dst0810011508032-n1.htm

朝日新聞では、逮捕された小川和弘容疑者を「会社勤めや家庭生活の夢を失った男」と報じ、死亡した男性客の一人を「仮住まい、奪われた介護福祉士への夢」と題して紹介しています。

http://www.asahi.com/national/update/1002/OSK200810020003.html

http://www.asahi.com/national/update/1002/OSK200810020001.html?ref=rss


この事件に関して、勝谷氏は昨日の『コラムの花道』で発言していますが、それをご紹介する前に、以前氏が行った発言を2つほど取り上げておきたいと思います。


1つ目は、読者のガオさんが教えてくれた「東京都内の図書館で女性専用席を設けるところが増えている」という産經新聞の記事に掲載された勝谷氏のコメントです。
ニオイがヒドい男性ホームレスのせいで、女性が近くの席を利用できないため、「女性コーナー」の看板を立てた専用席を設けるようになったんだそうですが、これについて勝谷氏はこう言っています。


 「看板を立ててトラブルから逃げようとする図書館員の事なかれ主義だ。
  税金を払わないホームレスを図書館に入れること自体おかしいし、
  女性だけの席をつくるのは公平でもない。」

  http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1172684.html


「事なかれ主義」や「男女の公平性」は措くとして、ここで注目したいのは2行目。勝谷氏は「税金を払っていない人間には公共サービスを受けさすな」と言っています。
「税金を払わない」人というのは、ほとんどが「払えない」社会的弱者でしょ。勝谷氏は「ホームレスや生活保護を受けているような最底辺の貧困層に、図書館などの公的なサービスを利用する権利はない」と言っているわけです。

勝谷氏とは、そういう弱者に対して徹底的に冷たい人間であることを確認しておいてください。


2つ目。読者のぷるさんが「寝言探偵と愉快犯」のコメント欄で教えてくれた有料配信日記の記述です。
この日記は私も入手して実際に読んで確認しました。08年7月6日号では、前日の『あさパラ!』(例の「徳川将軍クイズ」で勝谷氏がロザンの宇治原史規氏に完敗した回)での、川合俊一氏、ルー大柴氏とのやり取りが記されています。
ルー氏に「47歳には見えない。60ぐらいだと思った」と言われてショックを受けた後、川合氏にこう言われたそうです。

 「このヒト、人間として何か大きな部分が欠けているんですよ。」

勝谷氏はこの評価を受けて、こう述べています。


 「その瞬間、しかし私はそうなのかもしれないと思った。たとえばこの日の
  番組の中でも、子供と別れた女社長の涙のようなシーンが流れるのだが、
  私はそうしたことに一切感情が動かされない。『あ、そうですか』という
  ようなものである。もっと言うならば、左巻きがプロパガンダで流すよう
  な『世の不条理でこんな可哀相な子供たちがいる』といったストーリーに
  も全く反応しない。
  世界のどこかで混乱が起きれば『もっと激しくなれ』と心のどこかで思っ
  ている。もっともこれは不肖宮嶋センセイと同じで、その方が商売になる
  から、という昔からの刷り込みがあるからなのだろうが。
  川合さんの発言はそういう意味でどこか本質をついているのだがルーさん
  が即座に『あっ、私もそう思った』って初対面でそれはないでしょう
  (笑)。
  と言いつつ、あれだけコトの本質を瞬時に見抜くルーさんが言っているん
  だから、きっとそうなんだろうと思った昨日でした。」


例えば、「赤ちゃんポスト」に障害児が捨てられていたという新聞記事を読んで「目の前が真っ暗になるほどの衝撃を感じた」とコラムに書いた勝谷氏を、私は以前「猿芝居」と罵倒しましたが、実際彼のそのリアクションは「猿芝居」で間違いなかったわけです。
例えば04年10月の新潟県中越地震の際、勝谷氏は「特番をやらずに『ドラえもん』を放送していた」とテレビ朝日を非難していましたが、内心彼は「もっと被害が大きくなれ」と思っていたわけです。

勝谷氏とは、そういう人間性の持ち主であることを確認しておいてください。



さて、それではこれら2つの発言を踏まえて、昨日の『コラムの花道』での発言です。
個室ビデオ店放火事件を、勝谷氏は興奮してこのように語っています。


 「これねぇ、ほんとに今日の小沢さんのね、演説の中にですね、『小泉政権の
  市場万能と弱肉強食の政治で生まれた格差と不公正を放置すれば国民生活が
  崩壊する』、まさにこのことをね、象徴するようなこれで、これがねぇ、今
  の国会の小沢さんの演説の最中にこのニュースが流れたっていうのはね、ま
  たこれも1つ象徴的なことのような気がするんですよね。

  これね、例えばね、これ『個室ビデオ』って名前を冠したけれども、ほとん
  どはやっぱり仮眠する人や、それからいわゆる『ネットカフェ難民』です。
  これがね、これがもしネットカフェだったら、ネットカフェだったら、これ
  がまたその記号によってね、『これはまさに今の社会を具現する、あのー象
  徴する事件だ』っつって大騒ぎになって、これを作ったのは自民党だってこ
  とで、自民党、大打撃になりますよ。

  そういう意味ではまだ個室ビデオだったということで、一つダメージは逃れ
  たんだけども、けれども今度はこれが放火だったってことになった。
  これがまた秋葉原的な『オレはこんなところに暮らしているのにからに。世
  の中が許せない』と、いうような動機の供述をしたりなんかするとですね、
  これはまた今の恐るべき格差社会がどうこうという論議になって、大変なこ
  れ実は政治的な逆風にもなるし、当然なんですよ逆風は。そういう社会を作
  ってしまったわけだから。

  もちろんどういう理由があれ、こんなことやったヤツって許しがたいけれど
  も、ただ秋葉原のときでさえね、あいつの言うことには耳を、ま、聴こう的
  にはなるけどみたいなことはネットで言われましたよ。
  だから今回もですね、どういう供述をするのか、どういう事情でここにいた
  のか、あるいは亡くなった方々、どういう理由でいたのかということなんか
  もね、非常に今の社会の縮図としてね、問題になると思うんですよね。」

  http://podcast.tbsradio.jp/st/files/st20081001.mp3


弱者の死や犯行を選挙に利用できると踏んで大はしゃぎしている。そういう風にしか聞こえないんですけどねぇ、私には。


川合俊一さん、アナタの勝谷評、「大きな部分が欠けている」っていうのは間違いですよ。正しくは「ほとんど全部が腐っている」、でしょ。

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manguhsai at 17:00|PermalinkComments(14)TrackBack(0)clip!