2008年03月

2008年03月31日

文化人か芸人か

大阪府の橋下徹知事は、今月24日の府議会・総務常任委員会で、自身のテレビ出演料についての考えを表明しました。
番組の内容や、そこでの発言内容によって、公人として無料で出演するか、私人の出演として出演料を個人的に受け取るかを個別に判断するそうです。

http://www.asahi.com/politics/update/0324/OSK200803240094.html

この話題は、29日(土)の『あさパラ!』(よみうりテレビ)でも取り上げられ、では「紅白歌合戦の審査員」や「笑っていいとも!のテレフォンショッキングのゲスト」などで出演するときはどちらになるのか、などと疑問を呈してスタジオが盛り上がっていました。

その際勝谷氏は、出演料には「タレントギャラ」と「文化人ギャラ」があり、前者は後者の10倍ほどの額であることに言及しておられました。
そして、自分が吉本興業の文化人部門であり、安いギャラしかもらえないことをこう愚痴っておられました。

 「オレ、(タレントギャラなんか)もろたことないの。」

 「バラエティに出て、どんなにイジられても、
  文化人ギャラしかもらわれへんから。」

 「ボク、テレビに出れば出るほど損する。」




なるほど。それなら勝谷氏、いっそのこと吉本の文化人部門から芸人部門に転向してはどうでしょうかねぇ。つまり文化人から芸人への華麗なる転身ですな。

しかし、そこで問題になってくるのは、芸人としての氏の笑いのセンスではないでしょうか?
そう言えば、出版されている勝谷氏の文章に、ユーモアに満ちたものはほとんどないように思うんですが。
そこで彼のネット上での日記『勝谷誠彦の××な日々。』を探してみたら、こんな文を発見しました。
2006年2月23日です。

 「どのアナが『ふぐりすみえ』と言うか楽しみだあ(笑)。」

えーと、何を言っているかはおわかりだと思いますが、おわかりでないかたのために解説します。
「ふぐり」とは睾丸、いわゆる「金玉」のことです。女子フィギュアスケートの村主章枝(すぐり・ふみえ)氏の名前の「す」と「ふ」が入れ替わって「ふぐりすみえ(金玉すみえ)」と、実況等のアナウンサーが言い間違えるのが楽しみだなぁ、ウッヘッヘッヘッ、と勝谷氏はおっしゃっています。

読者のみなさん、特に女性のかた、ドン引きじゃないでしょうか。

小学生じゃあるまいし、こんなことを「楽しみ」にしているって・・・。しかもそれを「(笑)」という表現まで用いて、大勢の人に「面白いだろ」って言ってのけるセンス・・・。ちょっと私には信じられません。

ついでに言っておきますが、これ村主氏本人が読んだらどう思うでしょうねぇ。きっと彼女はこういう名前の言い換えでからかわれたことがあると思うんですよね。言ってみればこれ、勝谷氏が口を極めて非難しているイジメと同じじゃないですか。勝谷氏のイジメに関する発言なんて、もうこれで価値0ですよ。


しかしですよ、しかしなんです。評価を決定するのはまだ早いんです。まだ続きがあるんです。
実はこの文、この日の日記のタイトルなんです。ではその日記の本文には何が書かれていたのかというと、こういうことが書かれていたんです。

 「今日は皇太子殿下の46歳の誕生日。いつも10カ月早くひとつ歳を重ねられ
  る殿下は私にとって未知の世界を早く進んでくださる羅針盤である。 畏れ多
  いことながらやがて天長節は2月23日になる。 おっと『週刊ポスト』の読
  者にとっては違うようだが(くどい・笑)。 誕生日にあたっての会見で殿下
  は率直なお気持ちを随所に示されている。
  (中略)
  さまざまな声を上げる連中がいるが皇太子ご夫妻が何を愛子さまに教えてお
  られるかを殿下はさりげない描写の中に伝えておられるのだ。」


この文章のタイトルが
「どのアナが『ふぐりすみえ』と言うか楽しみだあ(笑)。」です。
ドン引きもドン引き、超ドン引きです。
もう笑いのセンス以前の問題でしたね。
芸人失格のみならず、文化人としても完全に失格です。

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勝谷氏のこの日の日記に関しては、『佐藤立志のマスコミ日記』の下記の記事でも批判されています。

 ・「皇室ネタに金玉を使う勝谷の品性下劣さ」


文化人か芸人か

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2008年03月28日

「道場破り」のお知らせ 2

日時が決定しました。

イレブンPMさんの勝谷批判文は、来週4月2日(水)正午に掲載します。

ご本人は、今日中にでも提出できるということでしたが、私の都合でこの日にさせていただきました。

それではみなさん、その日を楽しみにお待ちください。

manguhsai at 00:27|PermalinkComments(45)TrackBack(0)clip!

2008年03月27日

「道場破り」のお知らせ

イレブンPMというかたからご批判をいただきました。私のこのブログでの勝谷批判は「学識がない」「無学の晒しでしかない」「良識ある人間が見たら、勝谷に同情する」シロモノだそうです。

そうまでおっしゃるのなら、「勝谷批判かくあるべし」という手本を、私のみならず読者にも是非示してほしい、ブログ本文にて掲載します、という提案をしたところ、ご本人から快諾を得ました。
これは、東田流勝谷批判に対する、いわば道場破りといったところでしょうか。
詳しい経緯は、前回「YES , HE CAN !」のコメント欄をご覧ください。

掲載日時はまだ決まっておりませんが、決まり次第お伝えします。

「東田のやり方にはには飽きた」「元々気に入らない」「違うやり方を見てみたい」などと思っておられる読者も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
どうぞイレブンPMさん流の勝谷批判にご期待ください。

manguhsai at 09:28|PermalinkComments(15)TrackBack(0)clip!

2008年03月24日

YES , HE CAN !

今回は、出しそびれていた古い小ネタです。

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勝谷氏は語学にも熱心に取り組んでいらっしゃるようです。
特に英語学習はそうみたいです。

英会話学校『NOVA』の破綻が問題になったとき、勝谷氏は、以前自分も別の英会話学校で授業料をだまし取られそうになったと話していました。「授業料の前払いをしつこく勧められたが断った。しばらくしたら、その学校が潰れてしまった」とかなんとか。
まあ、だまし取られなくてよかったですねぇ、ということですが、英会話教室に通っていたなんて、相当熱心に勉強されてるんですね。

昨年11月18日の『たかじんのそこまで言って委員会』(よみうりテレビ)でも、勝谷氏は英語学習の必要性を説いていました。
橋下 徹氏が「日本は独立国。英語なんて必要ない」と、アナクロ国粋主義的に英語教育を否定したのに対し、勝谷氏は自分自身、外交や軍事関連の情報を収集するために英語力が要求されているとおっしゃっていました。へ〜。

でもですね、この番組、勝谷氏にちょっとしたテストをしていたんですね。
氏が楽屋入りする際、外国人に英語で話しかけられてどういう反応をするのかを試したんです。
そのときの映像では、勝谷氏は英語で受け答えせず、でたらめな中国語(「ティンプトン=聞いてもわからない」という、まともな文も混ぜてはいましたが)でまくしたて、逃げるようにして楽屋に入ってしまいました。
あれ〜? 英語、熱心に勉強してるんじゃないの? 読むのは得意でも、リスニングは不得手なんでしょうか?

それと勝谷氏、中国語も勉強しているんでしょうか? 確か、中国でテレビの取材をしているとき、自分の後にいる中国人たちが何をしゃべっているのか気になって気になって仕方がないから、中国語を勉強したいって言ってましたねぇ。いかにも気の小さい勝谷氏らしい動機ですね。


さて、そんな勝谷氏ですが、先の『そこまで言って委員会』での抜き打ちテストでの汚名を返上する機会が到来しました。
1月29日(火)の『ムーブ!』芸能コーナーで、『レッド・ツェッペリン』のジミー・ペイジ氏が来日記者会見した際の、通訳の機転が話題として取り上げられました。
記者からの「沢尻エリカにコメントがあれば、いただけますでしょうか?」という問いに、ペイジ氏は「Unfortunately I don't know her.」と答えたんですが、通訳の女の人がそれを「別に」と訳し、笑いを取っていました。

そのVTRを見ていた勝谷氏、こう言いました。動画でどうぞ。



 「あれ『残念ながら、彼女のことは知らない』つったよね。
  うーん、それを『別に』って言ったんだ。いいね、『超訳』だ。」

おお! VTRを見て、ペイジ氏の英語をちゃんと聞き取っている! さすが勝谷氏! 日頃の英語学習の成果をここで見せてくれました!
と、思うでしょ。
でもそうではありませんでした。実はVTRには字幕が出ていたのでした。

YES,HE CAN!


















字幕を読んだだけであるにもかかわらず、さも今自分で聞き取って訳したような顔をするとは、恐るべし勝谷! これも1種のパクリ技か?
字幕をもパクる勝谷氏に脱帽です。

manguhsai at 22:46|PermalinkComments(49)TrackBack(0)clip!

2008年03月21日

失望はいいけど、責任は?

田中眞紀子氏の人気が絶頂だった頃、テレビでは彼女の一挙手一投足、一言一句を逐一報じ、そのすべてを持ち上げ、擁護し、彼女に対する批判はすべて逆批判されました。
それ以前、村山内閣で彼女が科学技術庁長官だった頃から彼女の言動に不審を抱き、嫌悪感さえ持つようになっていた私にとっては、ほんと胸クソの悪い時期でした(今ではそんな熱狂どこへやらで、化けの皮のはがれた田中氏の人気はもはや完全に地に落ち、浮揚する気配はミジンもありません)。

そんな憤懣やるかたない時期に、中でも特に癇に障った番組が筑紫哲也氏の『ニュース23』でした。
ワイドショーならまだ我慢もしましたよ。でも一応まともな報道を自任していたこの番組は、だからこそ許せませんでしたね。世間の熱狂に便乗して、まあ彼女を持ち上げること、持ち上げること。
今考えれば、どう見ても田中氏に非があるだろうということでも、無茶苦茶な理屈を付けて彼女を擁護していました。
我慢の限界を超えた私は、何度かこの番組にそうした偏向報道を批判するメールを送ったこともありました(もちろん無視されましたけどね)。

で、その『ニュース23』のキャスターの一人だった草野満代氏は、番組でのコメントのみならず、ネット上でのコラムでも田中氏を持ち上げ続けていました。
その後、このコラムは『ニュースキャスターの本音』(小学館文庫)という本にまとめられましたが、当時を振り返っての今(出版時)の感想が、所々に補足として記されています。
「ときには男vs.女の闘いも 眞紀子さん、ガンバレ!」と題した記事の補足として、こんなことが書かれています。

 「この頃は本当に眞紀子ブームでした。(中略)でも、眞紀子さんに関しては
  本当にブームに乗ってしまったな・・・。」

なんですか、これ?
一視聴者ならともかく、ニュースキャスターとして発言し、多くの人が読むコラムにまで書きまくった人間が、ブームに乗せられただと?
ふざけるな! 先頭切ってブームを煽っていたのはアンタじゃないか!
その責任を痛感して、反省と同時に謝罪の弁を述べるべきところを、被害者面とはなにごとか!


と、興奮したところで、話を勝谷氏に戻します。

16日の『たかじんのそこまで言って委員会』(よみうりテレビ)で、勝谷氏はこんな発言をサラッとやってのけました。

 「ボクは別に民主党支持でもなければ、小沢さん支持でもないからね。」





なに言ってんの、この人!?
今まで散々、小沢支持、民主党支持を主張してたじゃないの。テレビでもコラムでも、そう言いまくって、書きまくってたじゃないの。
勝谷氏の主著ともいえる『偽装国家II~底なし篇~』の第5章にも、「私が小沢氏を支持する理由」という項が書かれています。それはこのブログでも紹介しました。

(まあ、その項はそんなタイトルがついているにもかかわらず、その小沢氏を支
 持する理由がどこにも見当たらないという、どうしようもない文章だったわけ
 ですけどね(当ブログ「TRUE LOVE ?」参照)。
 これはまだちゃんと検証していませんが、田中康夫氏が民主党に接近し、小沢
 氏を持ち上げるようになったことに勝谷氏が影響されて、彼も単純に同調した
 だけなのではないかと私は考えています。これも一つのパクリでしょうね。)

なにはともあれ、勝谷氏が小沢氏と民主党を熱烈に支持してきたことは疑いようのない事実です。その言葉を信じ、小沢氏や民主党を応援している人も、少なからずいるでしょう。
勝谷氏はこういうことに対し、なんの責任も取らないつもりでしょうか? それでは先の草野氏と同じじゃないですか。
しかもこの口ぶり。まるで今までも支持していなかったかのような。これでは草野氏よりもひどい。

確かに最近の小沢民主党は何をどうしたいのかさっぱりわからないテイタラクですよ。番組の共演者から勝谷氏が小バカにされることも度々です。イヤになるのもわかります。
しかし、それならそれで、そのことをきちんと説明し、視聴者・読者に明確な反省と謝罪をすべきじゃないですか。

そう思いつつ、『偽装国家II』をペラペラめくっていると(すみません、ブックオフで買ってしまいました)、こういう文章を発見しました。同じ第5章にある「アベイストは自身の誤りを総括せよ」です。

 「安倍さんがなぜあのタイミングで投げ出したかの話をする前に、彼を持ち上
  げ、あたかも神が降臨したかのように扱っていた多数の"アベイスト"、偽装
  保守論壇の皆様にも言いたいことがあります。
  持ち上げていた論拠は何だったのかを明らかにし、『過去の反省と謝罪』を
  してもらいたい。
  (中略)
  そういうこともせず、ただバックレている連中は何なのか。」


オマエが何なんだよ!

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2008年03月19日

「これパクリじゃないでしょうか?」

昨日の『ムーブ!』で、上村教授がやってくれました!

『ムーブ!』(朝日放送)では毎週火曜日、その日発売の『週刊SPA!』に掲載された勝谷氏のコラム『ニュースバカ一代』を紹介しています。音楽付きの安っぽいコラージュアニメをバックに、司会の堀江政生アナが朗読します。

昨日18日も、いつものようにこのコラムが紹介されました。タイトルは「有人宇宙施設『きぼう』の巻」で、内容は「天文オタクだった土井隆雄氏が、そのオタク道を貫き通し、ついに国際宇宙ステーションの一部・日本実験棟『きぼう』を宇宙に運ぶ役目を担うに至った。自分探しなどにフラフラせず、己の好きな道を信じ、進み続けることが大事なのだ」というようなものでした(そんなこと言いながら、自分は医者志望、風俗ライター、週刊誌記者、カメラマン、コラムニスト、作家と、相当フラフラしてるんですけどね)。

自分のコラムが紹介されてご満悦の勝谷氏は、自説の補足説明をしていたんですが、続いて司会者から水を向けられた火曜レギュラーコメンテーターの上村幸治氏がこう発言しました。

 「(私はこの番組で)先週の火曜日に、この土井さんのことを、ちょっと
  オタクっぽいですねーというふうに言って、それを貫き通しましたねー
  って言ったんですね。
  これパクリじゃないでしょうか?」

言いました! 言っちゃいました、上村教授! このコラムが自分がした話のパクリだって!
司会の堀江アナも「・・・そうですね、勝谷さん。」
もうひとりのコメンテーター・須田慎一郎氏も「パクってるよ、これ完全に!」
勝谷氏、たまらず「すいません」と頭を下げ、パクリを認めました。
ニヤけながら謝るな、このパクリ野郎!




上村氏はかつてもこの『ムーブ!』で、自分がしゃべっているときに口を挟んできた勝谷氏を「うるさい!」と一喝したり、勝谷氏が三浦和義氏を「スポットライト症候群(目立ちたがり屋)」と評したときに、「勝谷さんと似ている」と発言したりしています。嫌いなんでしょうね、勝谷氏が。上村教授も我々の同志であると、勝手に認定したいと思います。


さてしかし、勝谷氏のパクリはこれだけじゃないんですねぇ。
上村氏が土井氏についてコメントした同じ先週火曜の『ムーブ!』で、その上村氏がこういう話をしたんですねぇ。
アメリカの太平洋司令官が中国を訪問した際、中国の軍幹部が「将来は、太平洋の東半分をアメリカが、西半分を中国が支配しよう」とアメリカ側に提案した。中国はそこまで狙っている。

これを聞いていた勝谷氏は、16日の『たかじんのそこまで言って委員会』(よみうりテレビ)や17日の『ムーブ!』で得意げにこの話をしているんです。もちろん上村氏から聞いたなどとは言わずにです。

他にも、今すぐ思いつくところでは「イジメは犯罪。イジメと呼ぶな。『傷害』だとか『恐喝』だとか具体的な犯罪名で呼べ」という主張がありますが、これはおそらく日垣 隆氏からとったものでしょう。
ただし日垣氏はすべてのイジメを犯罪だとは言っていませんでした。犯罪と認められるものはそう呼べ、ということですね。勝谷氏の言い方だと「シカト」はどういう罪名で呼べばいいんでしょうかねぇ。彼の場合、パクりかたも雑なんですよ。

勝谷氏のコラムやテレビなどでの発言内容は、まともなときと滅茶苦茶なときの差が激しいんですよね。私が思うに、たぶんまともなときは誰かの意見をパクっているのではないかと。そして滅茶苦茶なときは勝谷氏のオリジナルな論考ではないかと。だから先に取り上げた「イージス艦ステルス訓練説」はオリジナルというわけですね。


かつて勝谷氏は、赤城農水大臣(当時)の事務所費問題を報じた新聞各紙が、先にこのネタをつかんでいた『週刊現代』の名前を出さなかったことに憤慨していました。また、そういう場合、名前を出しても「一部週刊誌」「一部報道」などと具体名を出さないことも批判していました。
もっともだと思います。思いますが、そんなこと言うんだったら、まず自分がパクリをやめろ! 最低でもその話をしていた人の名前ぐらい出せ!


勝谷氏をよくご覧になっているかたの中には、「そう言えばあの話も」とパクリに心当たりのある方が結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。
心当たりのない方もこれから注意して見ていれば、勝谷氏のパクリを案外簡単に発見できるかもしれませんよ。

あ、それと一つご注意。まあ、そんなことはないと思いますが、みなさん勝谷氏の話をパクるときは気をつけましょうね。勝谷氏が誰かからパクったネタなら大丈夫ですが、勝谷オリジナルのネタをパクると、大恥かきますからね。

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2008年03月17日

お姉さんたちからブーイング

私は以前このブログで、大阪府知事選直後、当選を果たした橋下 徹氏が『ムーブ!』で話している様子を見て、「少しは変わったのかなぁ」「成長したように感じてしまいました」などと書きました(「大阪府知事選終結特別号(2)」)。

しかし、それ以後の彼の言動、特に最近の府議会での答弁を報道等で見ていて、その所感は間違いだったと痛感しています。
多数派におもねり少数派に配慮を示さない、自分の過去の発言に対して「それは私人の発言、今は24時間公人」などと詭弁を弄して責任を持とうとしない、小さなことにカッとなって感情的な言葉を吐き、後で撤回を余儀なくされる、そういう態度に人間的な成長を感じることはできません。
なのでここに前言を撤回します。私の感想を信じたかた、ごめんなさい。

ただ人間的にはそうでも、政策面に関してはまだ何とも言えない段階ですので、そちらのほうは今後に期待しつつ見守っていきたいと思います(大阪府民ではない私ではありますが・・・)。



さて、その橋下知事ですが、今月13日(木)、30歳以下の若手職員だけを集めて朝礼を行いました。そのとき一人の職員(女性)が知事に対して批判的な意見を述べたことが話題になっています。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080313k0000e010094000c.html


この話題に関して勝谷氏は15日(土)の読売テレビ『あさパラ!』(生放送)でコメントしているんですが、これがまあ橋下氏など比べ物にならないほど子供じみた感情的な発言で、司会のハイヒールや観覧していた女性たち(この番組のスタジオ観覧者は若い女性だけ)からもブーイングを浴びるほどでした。
下に勝谷氏の発言だけを抜き出しましたが、その他の出演者や観覧者の反応は動画で確認してください。

 「まぁ、失礼な女やな。」

 「場を、場をわきまえろと言いたいね。一応ね、社長に対して1平社員がです
  ね、あーゆう物の言い方はないと思うわ。それで、みんなもそう思ってるん
  ですよって、みんなもそう思ってるかどうかなんて、なんでオマエにわかる
  ねん。」

 「あれは、あれは懲戒すべきですね。当たり前や。」

 「サービス残業してるしてるって言ってるけど、サービス残業はしたらあかん
  ねん。つまりサービス残業っていうことも悪なんです、やるほうも。つまり
  ちゃんとそれ表に出してこれだけの予算が必要ですっていうなら必要ですっ
  て。 ボクらの税金なんだから。税金をちゃんと透明に使ってくれるっていう
  のがまず大前提なんですよ。それを何を偉そうに言うとんねん!」





具体的な批判に入る前に、誤解のないよう言っておきます。
私は特定の政党を支持するものではありません。また、勝谷氏を批判することで起きるかもしれない政治的影響にもまったく配慮しません。そういうことをしてしまうと、結局発言に齟齬を来たし、場当たり的で一貫性のない意見になってしまいますからね(そのいい見本が勝谷氏です)。

橋下氏に文句を言った職員は、まず間違いなく共産党系の労働組合員です。彼女の使っている独特の言い回しからそれはすぐにわかりました。
私は彼女を持ち上げる気も擁護する気もサラサラありませんが、勝谷氏の低劣発言を批判することによって、結果的に共産党を支持しているように見えるかもしれません。
しかしそれはまったくの誤解ですよ(特に共産党に関しては、支持どころか、かつてその学生組織である「民青」に煮え湯を飲まされた経験があるぐらいですから)。


さて、本題に戻りましょう。
勝谷氏はこの職員を懲戒すべきだと言っています。まあ、クビにしろということでしょうねぇ。
しかしこの人、組織のトップに失礼な物言いをしたり、批判的な意見を述べたりしただけで、懲戒処分が本当にできると思っているんでしょうか? まあ思っているんでしょうねぇ。吉本興業にイヤミひとつ言えないのは、本気でそう思って怯えているからなんでしょう。
みなさん、もしあなたがこんなことで懲戒処分を受けたり解雇になったときは、即提訴しましょう。絶対勝てますからね。

で次が「オマエが言うな!」的発言。「みんなもそう思ってるかどうかなんて、なんでオマエにわかるねん」だそうです。
じゃあ倖田発言で企業に出された抗議メールが、「煽り」の尻馬に乗って出されただけのものだと、なんでオマエにわかるねん。根拠のない憶測発言を十八番にしているヤツがよく言う。

そして最もアホ丸出しの発言が、サービス残業のくだりです。
末端の職員はサービス残業を強いられている側でしょ(発言した職員自身はサービス残業していなかったという、なんともシマリのない話ですが。やりにくいなぁ・・・)。その強いられている人間に「悪いことをしているのに偉そうに言うな」とは、どういう理屈なんですかねぇ。

例えば、食肉偽装をしている会社の社員が、「今までも偽装をさせられてきたじゃないか。もうこれ以上は勘弁してくれ」と不満を社長にぶつけた場合、勝谷氏はその社員に対して「偽装は悪や。悪いことしてるくせに何を偉そうに言うとんねん!」なんて言うんですかねぇ。頭がおかしいとしか言いようがない。

(このサービス残業に関しては、16日の『たかじんのそこまで言って委員会』
 (読売テレビ)で、衆議院議員の平沢勝栄氏が「サービス残業なんて当たり前
 じゃないですか」と発言しています。私は地方の末端の1若手職員の発言より
 も、この衆議院議員の暴言のほうがよっぽど問題だと思うんですがねぇ。)


橋下知事への発言後、この職員はネット等で相当バッシングされているようですね。大阪府へ抗議のメールを出すよう呼びかけた、府のアドレスを掲載した書き込みもかなり見かけました。
私は、ネットでも何でも、意見を言いたい人は言えばいいし、メールを出したい人は出せばいいという立場を取ってきました。今回も同じです。
でも勝谷氏は違いましたよね。確かこのような手法によるバッシングはお嫌いじゃなかったですかね。「下品で下劣で卑怯」でしたよね。なぜ今回はそれを非難なさらないんでしょうか? 不思議ですねぇ。


「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」。勝谷氏が何かを非難するときの一貫した特徴です。大原則と言うべきでしょうか? する必要もない、すべきでもないところまで非難して破綻してしまう。
今回の件も、結局共産党が嫌いだということで、論理も論点も考えず、ただ感情に任せてわめき散らしただけなのがこの発言です。
ネットの書き込みの中には勝谷氏と似たような思考をする人もいるようです(平沢氏なんかもね)。
読者諸賢を侮って言うわけではありませんが、我々もこういうものを他山の石としましょうね。でないとそこらへんのお姉さんたちからもブーイングされちゃいますよ。

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2008年03月14日

駄文反芻「天才ちゃうかー」

今回は勝谷誠彦研究の超1級資料をご紹介します。

『週刊アスキー』07/12/18号掲載『え、それってどういうこと?』第9回。
この記事は、元TBSアナウンサー・進藤晶子氏が勝谷氏にインタビューしているものなんですが、彼女がクラブのホステスばりの媚っぷりで勝谷氏を乗せに乗せ、彼のお口を滑らかにしています。

その中から一部を抜粋してご紹介しますが、この抜粋がなかなか厄介な仕事になりました。なんせ、どこをとっても面白いですから。是非全文読んでいただきたいところです(今この号が手に入るかどうかわかりませんが)。


この記事、以前にも当ブログの「備長炭から水蒸気」で1文を引用しています。

 勝谷「僕、いまでも元素記号わからないからね(笑)。」

灘中・灘高時代の成績は下から2番目ぐらいで、特に理科系科目が悪かったようです。で、この文の続きはこうなってます。

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 勝谷「それでも、卒業のときには『私と物理学』って作文を書いて、出しても
    らった。」

 進藤「おもしろい(笑)。」

 勝谷「とくに数学、物理はずっと点数がヒトケタだったんでね(笑)。」

 進藤「でも、そんな作文書いちゃうだなんて。"記者"の素質はそのころから
    あったんですね。」
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はあ? 「記者の素質」? あのさぁ、お情けで卒業させてもらうための作文でしょ? 「記者の素質」って・・・

この『週刊アスキー』はパソコン雑誌です。ネットに関する話題も。

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 進藤「そうそう、ウィキペディアの勝谷さんのページを読んだんですが、だん
    だん怖くなってきちゃって。」

 勝谷「最近じゃ、学生でもウィキをそのままコピーアンドペーストして論文に
    出すヤツが多いらしいけど、いかに嘘が多いかっていうのは、自分のこ
    とを書かれているページを読むとよくわかるよね。」

 進藤「読めば読むほどドキドキしてしまいました。」
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私は、死んだ黒人を「佃煮」呼ばわりした男が目の前にいるほうが、怖くてドキドキすると思うんですがねぇ。

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 勝谷「ネットはゴミ箱ですね、ウィキを見たのならわかるように。僕は、人間
    は性悪説だと思うんですが、それがネットを見ていればよくわかります
    よ。」

 進藤「ふうむ。」

 勝谷「だけど、そんなもんなんですよ。世の中なんて。99パーセントの悪意
    と嫉妬と人を貶めようという気持ちと、1パーセントの善意でできてい
    る。だからこそ、その1パーセントの善意が輝くんですよ。ただ、問題
    なのは匿名性が過ぎること。」

 進藤「傷ついたりしませんか。」

 勝谷「一切、傷つかない。」

 進藤「強いなぁ。教えてほしいです、どうしたら傷つかなくなりますか。」

 勝谷「最初は傷つきましたよ。ネットというものを知らないころは。だけども
    う相手がわかってきたから。」

 進藤「書いてる相手が?」

 勝谷「どういう連中か。バカって言うヤツがバカだーって子どものころ、言っ
    てたじゃないですか。それと同じで、バカに何を言われようと別にいい
    やって感じですよ(笑)。」
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「バカって言うヤツがバカ」だったら、アンタが真っ先にバカだよ。
強がっているものの、相当ネットの意見を気にしてますねぇ。傷ついてますよ。
「99パーセントの悪意と嫉妬と人を貶めようという気持ちと、1パーセントの善意でできている」。自分の心を投影してしまってますねぇ。

勝谷氏はジャーナリストに対しても、屈折した感情をお持ちのようです。

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 進藤「勝谷さんはジャーナリストと名乗ってらっしゃらないですね。」

 勝谷「ジャーナリストじゃないですから。ジャーナリストは、もっとちゃん
    と、知識や能力のある人だから。」

 進藤「勝谷さんより?」

 勝谷「だいたいジャーナリストと自称するヤツはろくなヤツがいないよ。"国
    際"がつくと、もっといない。」
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ジャーナリストを持ち上げた直後にけなしてますよ。屈折し過ぎでしょ。


さて、今回1番注目していただきたいのは、勝谷氏の文章に対する姿勢です。

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 勝谷「たとえば月曜日の場合は朝、日本テレビの『スッキリ!』に出て、終
    わったらその足で大阪に行きます。」

 進藤「『ムーブ!』(朝日放送)ご出演のためですね。」

 勝谷「ええ。移動は本番までに2時間ほどあるので、そこで書いて。」

 進藤「そこでも書くんですか。」

 勝谷「1〜2本書きます。だって僕、コラムはほとんど15分から30分で書
    きますから。」

 進藤「まぁ、すごい集中力!」
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勝谷氏の駄文家ぶりは、このブログでも何度も取り上げましたが、その理由の一つがハッキリしましたね。
速さを自慢する前に、何回も自分の文章読み返してみろ! どんなにヒドいか少しは気付くだろ。

と思っていたら、こうですよ。

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 勝谷「だけどやっぱり、できあがったものはかわいいよね。自分の出たテレビ
    は観たことないけど、自分が書いたものは、10年前に書いたものでも
    ニヤニヤしてひとりで酒飲みながら読んで『天才ちゃうかー』ってつぶ
    やいたりして(笑)。」
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ヒエ〜! あの駄文を読み返して悦に入っているだと!? 『天才ちゃうかー』だと!? 笑いを通り越して鳥肌が立ってきますよ。寒〜っ。


進藤氏の媚びっぷりは鼻につきますが、勝谷氏の人間性の一面を見事に引き出していることは確かです。いい仕事です。恐るべし女子アナ・進藤晶子。

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現在発売中の雑誌では、月刊誌の『宝島』08 apr.号に櫻井よしこ氏と勝谷氏の対談記事が掲載されています。先の『週刊アスキー』を踏まえておくと、こういう箇所にすぐ目がいってしまいますよ。

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 櫻井「私は、自分が出たテレビのVTRや、書いたものも終わったらほとんど
    見ないのですが(後略)」

 勝谷「ああ、僕も自分のVTRとか書いたものは見ないですね。」
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おいおい、書いたものは酒飲みながら読み返して『天才ちゃうかー』って悦に入ってるんだろ!? また言ってること変わってるよ。
もうこうなると一種の記憶障害か!?


この対談記事は、でかい写真を除けば3ページぐらいなんですが、内容は希薄という以外ありません。どういう意味においても読む価値なしです。
記事のタイトルは「品格ある国家になるために真の『保守政治』を取り戻せ」なんですが、勝谷氏がその「真の保守」の中身を語っている次の1節でそれはおわかりいただけると思います。

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 勝谷「民主党あたりは生活重視と言っているけれども、本当の保守というのは
    実はそちらなんです。僕は『良民・常民』という言葉を使うんだけれど
    も、これは『愚民』とは逆の意味です。額に汗してまじめに働いている
    人が『良民・常民』です。ささやかな今日の生活をしている彼らを『保
    ち・守る』ことこそが『保守』なんです。」
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用語はともかく、そんなことなら社民党も共産党も言ってますよ。まあ、オリジナリティーのある具体的なご意見だこと。

manguhsai at 10:26|PermalinkComments(21)TrackBack(0)clip!

2008年03月11日

ステルス・コラム

先月19日に起きたイージス艦『あたご』と漁船『清徳丸』の衝突事故。この事故に関して、勝谷氏はコラム『ニュースバカ一代』VOL.274(『週刊SPA!』08/3/4号掲載)で独自の見解を発表されました。

勝谷氏は、以下に挙げる『あたご』の失態が偶然同時に起きたとは考えられないとしています。

1「レーダーに漁船が映っているのに見過ごした」
2「多くの見張りが立っていたのに漁船の接近を報告しなかった」
3「船が多い海域かつ時間帯なのに自動操舵で直進していた」
4「衝突後の救援活動や海上保安庁への連絡などが遅れた」

そこで「これらの失態が起きるには何かすべてを貫く理由があるのではないか」と考え、その何かをこう推測されました。

  「それは『艦のステルス性を試す訓練』ではないかと私は考えた。」

ご存知のように「ステルス性」というのは、その兵器(艦船でも戦車でも飛行機でも)が敵のレーダーに映りにくくするよう施した特性です。『あたご』にもそれは施されています。勝谷氏はこれを試す訓練をしていたのでこの事故が起こったと言うんですねぇ。
ま、斬新と言いますか、まさに独自の説と言うべきでしょうね。私は、勝谷氏以外にそんなことを言ってる人を知りません。

で、勝谷氏はそう考えた理由として、以下の点が説明できるからとしています。

・なぜ自動操舵にしていたのか
 「映りにくいポジションというのは、相手に対して一番小さい姿、すなわち艦
  首を向けることだ。『あたご』はある方向に艦首を向け、それを維持するた
  めに直進を重視し自動操舵にしていたのではないか。」

・なぜ漁船を確認できなかったのか
 「こちらから電波を発するのは論外なので水上レーダーは切っていたのかもし
  れない。」

・なぜ舵を切らずに後進をかけて避けようとしたのか
 「それでもまだ横腹を相手のレーダーにさらしたくなかったのだ。」


さて、読者諸賢はこれで納得できたでしょうか? 私は全然納得できないんですけど。
私は軍事に関しては詳しくありません。その分野ではまったくの素人です。その素人の私にでもと言うべきか、素人だからと言うべきか、勝谷説へはいくつも反論ができそうです。

まず、冒頭の勝谷氏自身が挙げた『あたご』の4つの失態を説明できるか、考えてみましょう。

1は一見説明できそうです。「レーダーは切っていた」そうですから。しかし、3と合わせて考えると、まったくおかしなことになります。

3では、自動操舵自体が仮に説明できたとしても、今度は「船が多い海域かつ時間帯でレーダーを切らなければならない訓練をしていた」という、それこそまったく説明のできない事態になってしまいます。もし本当にそんなことをしていたなら、自衛隊は救いがたいバカか、さもなくば事故を起こしたがっていたかのどっちかでしょう。

2と4は勝谷説では説明がつきませんね。

結局勝谷氏は自ら4つの失態の疑問を挙げながら、自説では何一つ解決できなかったことになります。


私が勝谷説で最も気に入らないのは、氏が一体どのような訓練を想起していたのか、その具体性がまるで見えないことです。
事故を起こしそうになっても「それでもまだ横腹を相手のレーダーにさらしたくなかった」訓練とは一体なんなんでしょう?
単にデーターをとる実験ではないということでしょうか?
実戦さながら、敵艦に想定した船に、まったく気付かれずに接近しようとしていたんでしょうか?
そんな実戦さながらの訓練なのに通常の操舵ではなく、自動操舵にしていたというのはどういうことでしょうか?
日本のイージス艦は実戦でも衝突事故の可能性を考慮に入れず、レーダーを切って自動操舵で敵艦に接近するんでしょうか?
もうさっぱりわかりません。
もっと見通しのいい説にしてくださいよ、勝谷さん。

と、思ってこのコラムを読んで行くと、最後にこの一文にたどり着きます。

 「結局こうした内情は明らかにされないかもと思いつつ、ここに書きおくので
  ある。」

おいおい、なんだよそれ。「どうせ誰もわかんないからテキトーなこと書きました」っていうことかよ!


勝谷氏の説は単なる仮説です。しかも頭の中にポッと浮かんだだけの。
その説を本気で主張したいなら、もっと自分で検証すべきです。最低でもその説の当否を専門家に聞いてみるぐらいの取材はすべきなんじゃないですかねぇ。
それもしないっていうんじゃ、単に800字分の原稿用紙を締め切りまでに埋めましたっていう「やっつけ仕事」じゃないですか。そんなんで金もらうなよ!

このコラムも結局、読者と、そして自分の文章に対する誠意を見えなくするステルス性を試す訓練だったんでしょうか? でもそんな訓練しなくても、勝谷さんはいつも完璧にできてますけどね。


ステルス


















「かつや艦」は『活動漫画館』「宇宙戦艦ノック」をモデルにしました。
今月3日、『宇宙戦艦ヤマト』の古代守役の声優・広川太一郎さんがお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りしたりなんかしちゃったりなんかして・・・

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2008年03月07日

勝谷を殺した同志

今回も、後回しにしていたネタです。

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テレビ朝日の人気ドラマ『相棒』をご存知ですよね。
警視庁という組織から疎まれた、水谷豊氏演じる天才変人警部・杉下右京と、寺脇康文氏演じる熱血刑事・亀山薫。2人だけの特命係が事件を解決していくというお話です。
杉下警部の名推理もさることながら、彼を始めとしたアクの強い登場人物と、今現在の社会問題を巧みに取り入れた脚本で、シーズンを重ねるごとに人気が上がっています。
私は確かシーズン2から見始めましたが、以来ずっとこのドラマのファンです。

その『相棒』の2月6日の放送をご覧になったでしょうか?
私はのっけから釘付けでした。
ドラマは「KATSUYA」の青い電飾のアップから始まります。建物のなかでは男が殺されているんですが、この被害者の名前が「勝谷 誠(かつや まこと)」だったんです。

詳しいストーリーはこちらhttp://www.tv-asahi.co.jp/aibou/story.htmlをご覧いただくとして、ここでは勝谷誠氏が殺される経緯だけを説明します。


勝谷誠は、多くのバーを閉店に追い込むほどの容赦のない辛口批評をする著名なウイスキー評論家。先頃も『Cask』という店の2号店のバーテンダーを、味が落ちたと評判の銘柄を客に出したとして、雑誌でこき下ろし、その店を閉店に追い込みました(でも実はその客は昔の思い出に浸るためにそのウイスキーを注文したんです。バーテンダーもそれを知っていたから、あえて注文通りそれを出したんですね。勝谷の批評はそんな事情にはおかまいなしです)。

そして次に勝谷の標的になったのは、同じ『Cask』の3号店。
ここのバーテンダーは過去に殺人を犯しており、最近服役を終え、この店で働いていました。彼の腕を買っていた、1号店のバーテンダーでもある店のオーナーが、服役中から彼を雇うことを決め、支援していたんです。
そのことを知った勝谷は、「殺人を犯した人間がウイスキーを扱うなど、ウイスキーへの冒涜だ」として、これを暴露する記事を書くことをオーナーに通告してきました。
オーナーは、人の人生を潰してしまうようなマネはしないでほしいと、勝谷に出稿の取り止めを頼みに行きます。しかし頑としてそれを聞き入れない勝谷。カッとなったオーナーは、近くにあった勝谷の著書(バカみたいに分厚い本)を持ち上げ、それを勝谷の頭に振り下ろします。頭部を殴打され、頸椎骨折で勝谷はお陀仏、というわけです。


どうですか? この話に出てくる勝谷誠、名前といい、人間性といい、実在の人物・勝谷誠彦氏をモデルにしたことは間違いないでしょ(実在の勝谷氏と違うところは、評論家としての知識が本物、超一流ということですね。実在のほうは、その点三流以下)。
しかも実在の勝谷氏に相当敵意をもって書かれてますよね。
特に私が気に入っているのは、田山涼成氏演じるオーナーが勝谷を殺す直前の台詞。

 「あなたは人間のことがまるでわかってない!」

いいですよねー。その通り!

でも、このお話、1カ所だけヘンな場面があるんです。
ラストシーン。3号店の中でオーナーが自供した後、特命係の2人と2号店のバーテンダー、犯人のオーナーまでもが、3号店のバーテンダーが作るカクテルを和気あいあいと飲んで談笑するんですよ。さすがにこれはものすごく違和感がありました。
しかしこれは、「勝谷みたいなヤツがこの世からいなくなれば、本当にいいのになぁ」という作り手のメッセージだとしたら納得がいくのではないでしょうか。
私はこのお話を書いた脚本家は、間違いなく実在の勝谷誠彦氏を心底嫌っていると思いますね。

『相棒』には何人かの脚本家がいて、回によって違う人が担当しています。今回の勝谷殺しを書かれたのは櫻井武晴というかたです。
このような形で勝谷氏への痛烈な批判をやってのけられた同志・櫻井氏に、私は心から拍手を送りたいと思います。
また、この脚本(特に役名)を変に丸めることなくゴーサインを出された、チーフプロデューサーの松本基弘氏も同志です。この方にも拍手を送りたいと思います。

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同志といえば、ブログ『雑記帳』の劉公嗣氏。私が勝谷氏からもらった例のメールの、勝谷氏独特の歴史認識を、完璧に否定してくださいました。浅学な私には到底マネのできない緻密な論証です。興味のある方は、是非お読みください。

「織田信長による国民国家的軍隊の創出(勝谷誠彦氏の見解について)」


manguhsai at 16:20|PermalinkComments(20)TrackBack(0)clip!