2008年02月

2008年02月29日

笑止! 倖田來未擁護論(後編)

前回の残り、勝谷氏が難癖を付けたネット上の倖田批判についてやりましょう。
まずはその辺りの勝谷氏のお言葉から。

 「ボクは、このねぇ、あの、メーカーなんかにですね、これほとんどですね、
  ネット上なんかにメーカーのURLが貼られていて、ここに送ってもっとバッ
  シングしてやれっていうことを煽っているバカがいるわけですよ。
  (中略)
  もちろんそれに、尻馬に乗ってやっているバカどもは言うまでもないけど
  ね。」
                        (『ムーブ!』2/5)

 「まあ軽率ではあった。軽率ではあったけども、あ、ごめんなさい、私そん
  なん完全に信じ込んでたわと、ごめんなさいね、気ぃ悪くした人いたでしょ
  と、言ったら済む話であって、それを延々とバッシングを続けて、バッシン
  グを続けた上で弱みを突くとこ知ってるいうのが非常に卑劣な感じがするん
  だけども、彼女を使わざるを得ないCMの会社とか何かにですね、わざわざ
  そこのメールの先なんかをですね、広めてですね、そこにバッシングメール
  を送れと煽るような、下品で下劣で卑怯な人間がいっぱい増殖してるってい
  うことをテレビで言ったんですよ。
  (中略)
  ボクはね、なんぼ批判してくれてもいいけど、そんなもん名前も出さないで
  わめいているアホは、0はなんぼ足しても0なんだから、ボクから見たら0
  にしか見えませんよと。ボクは自分の顔も名前もさらして責任を持って発言
  してるから、そういう人が一杯いるんだったら、そういう人は1足す1足す
  1で、いくつかの??力になって、ボクもそら注意を払いますけども、そう
  じゃないものは、0はなんぼ足しても0なんだから。
  昔こういう抗議は一杯いろいろあった。そういう人たちは、団体やなんか
  あったりしても、自分たちで責任を持って文章を作って、自分たちの名前を
  書いて、署名を集めて、企業なりに抗議に行きました。それをやれば、それ
  はそれなりの社会的な現象として、ボクもじゃあ、それはどうなのかなと言
  うけれども、ボクの知らない世界で、別の宇宙で0のものを一杯積み上げて
  る人たちがおっても、あ、そうですか、としか言いようがありませんねぇ」

                 (『勝谷誠彦の志ジャーナル』2/10)

これも2つに分けます。
一つはネットの匿名性について。
もう一つは企業のメールアドレスを掲示して抗議メールを出すよう呼びかける行為と、それに応えて実際に抗議メールを出す行為についてです。
まずは後者から行きます。

〈メールアドレスの掲示と抗議メールの送付〉

私は勝谷氏の主張を聞くたびに、こう尋ねたくなるんですよね、
「オマエ、調べたんか!?」って。

勝谷氏は実際に企業のアドレスが貼られていて、そこに抗議メールを出せと煽っている書き込みを見たんですかね?(そうだとすると、勝谷氏は「ボクの知らない世界」「別の宇宙」と言いながら、相当ネットの掲示板や何かをチェックしているんですねぇ)
まあ、そういう書き込みがされているのは探せば見つかるとして、それに煽られてそのアドレスに実際抗議メールを出した人がいるかどうかは、どうやってわかるんでしょうかねぇ。そしてそれが何人ぐらいいて、煽られたわけではなく自発的に抗議した人とどうやって区別し、その割合がどれぐらいであったかということが、どうやってわかるんでしょうか? さすがにそれは誰にもわからないことだと思うんですがねぇ。

勝谷氏の言い方では、まるで煽られて(いたずら半分で)抗議メールを出した人が大部分であったような印象を受けますよねぇ。しかしこんなのまったくの憶測じゃないですか。妄想ですよ。
こういう根拠のない思い込みに基づいてなされた主張なんてナンセンスもいいとこでしょ。それこそ価値「0」な意見です。

でもまあ、そう言って切り捨てるのも、せっかく激昂までしてくれている勝谷氏に気の毒ですから、一応そういうこととして議論を進めてみましょう。

それでも勝谷氏の言葉をそのまま受け取るかぎり、私には氏がなぜそんなことに激昂しているのかさっぱりわからないんですよね。企業のアドレスを示して、そこに抗議メールを送ろうと呼びかけることの何がいけないの? で、その呼びかけに応じて実際に抗議のメールを送ることの何がダメなの?

こういうのって市民運動なんかでよくやるのと同じ手法じゃないですか。
例えば最近でもありましたよね、捕鯨を妨害する団体『シー・シェパード』に資金を出していたアウトドア用品のメーカー『パタゴニア』が猛烈な抗議を受けました。これなんかも同じようにメールアドレスを示して、ここに抗議しよう!ってやってませんでしたっけ?
この抗議活動の手法のどこが悪いって言うんでしょうか? 勝谷氏はこのことに関しては何も言っていませんが、これも悪いとおっしゃるんでしょうか? 「下品で下劣で卑怯な」行為だとののしるんでしょうか? それとも「悪い言え言うたら、悪い言うよ」と、訳のわからない日本語で逃げるんでしょうか?

倖田批判の場合、抗議を受け取った企業から見ても、迷惑なことでは全然ありませんよ。
企業は常に一般消費者からの声を待っています。普段なら身銭を切ってそういう声を集めてるんです。だからメールアドレスだって公開してるんです。
一般の人たちが何の意思表示もせず、黙って商品を買わなくなったり悪いイメージを持つようになることは企業にとっては最悪の事態です。それより抗議してもらって、その声に速やかに対処したほうがよっぽどダメージを小さくできるというものです。

勝谷氏はこういう手法に「煽る」だの「尻馬に乗る」だのネガティブな言葉を使って印象操作をやっています。しかし「呼びかけた」人も「応じた」人も倖田氏の発言に憤りを感じたことは事実であり、その手法もなんら非難されるようなものではありません。

〈ネットの匿名性〉

勝谷氏は世論調査というものをどう捉えているんでしょうね。
氏はよく世論調査の結果を引き合いに出して話を組み立てています。このブログの「これぞ駄文!」にもそれが見えます。『ニュースバカ一代』で、自民・民主大連立に関する朝日新聞の世論調査の結果を参考にしていますね。
しかし、この世論調査っていうのは匿名ですよね。誰がそう答えたかっていうのは一切わからない。だったら世論調査の結果なんて勝谷氏にとっては「0」なんじゃないんですかねぇ。なんでありがたく参考にしているんでしょう?

そう言えば、選挙も無記名で投票しますよねぇ。そうすると選挙結果も勝谷氏にとっては「0」であり「ボクの知らない世界」の出来事であり「別の宇宙」のことなんですかねぇ。たとえ民主党が勝っても。

世論調査も選挙の投票も、自由な意志表示、率直な意見表明を保障するために匿名性を採用しているわけでしょ。ネットの匿名だって同じことじゃないですか。
ネットがマスコミや企業から注目されたり重宝されたりするのは、まさにこの匿名性によって保障された多くの本音があるからでしょ。
異国の死人という究極の弱者には暴言を吐けるのに、吉本興業にはイヤミの一つも言えない、やしきたかじん氏には土下座までする、顔出し実名コラムニストの言葉より、こういうネットの本音のほうがよっぽど尊いと私は思うんですがね。

もちろんネットの意見にはいい加減で無責任なものもありますよ。しかしそれは顔出し実名でしゃべっている人間だって同じ。いや、割合から言うと、むしろ某コラムニストのほうが多いかもね。
文句があるなら、内容に対して言えばいいんですよ。匿名性にイチャモンつけてどうするんだ、勝谷。オマエは金もらってマスメディアでしゃべれる人間だろうが。無名な一般人の匿名性に不平面すんな!

2月17日の『たかじんのそこまで言って委員会』の例の「勝谷 VS 2ちゃんねらー」のコーナーの最後に、崔洋一氏と宮崎哲弥氏がこう言ってました(ちょろっとね)。

  崔「それはね、ちょっと気になるんだけど、匿名が悪いという考え方が一般
    化すると、ボクは危険だと思う。」
 宮崎「だって内部告発できなくなる。」

多少でもまともな人間には匿名性の意味がわかってるんですよ。クソもミソも一緒くたにしてしか考えられない低知性の勝谷氏には永遠にわからないかもしれませんがね。

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次回、オマケでもうちょっとだけ続きます。

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2008年02月25日

笑止! 倖田來未擁護論(前編)

ほんとは1回で終わるはずだったんですけどねぇ、倖田來未氏の失言に関する勝谷氏の発言を批判するのは。
しかし、自分の主張が結構大きく取りざたされたことに気を良くしたのか、この失言問題を早期に収束させたいと願っているであろう倖田氏サイドの思惑をよそに、勝谷氏はアホ丸出しの主張を何度も繰り返し、火に油を注いでいました。
私もノリが悪いと言われるのもなんなんで、再度前・後編2回にわたって取り上げることにしました(私個人の事情でかなりの遅ればせではありますが)。

あ、念のため言っておきますが、私は今、倖田氏の発言を批判するつもりはないですよ。あくまでも勝谷氏の主張に対する批判です。そこのところ、混同なさらないように。

タイトルでは便宜上「倖田來未擁護論」となっていますが、その後の勝谷氏の主張は、倖田擁護というよりも、この問題での氏の気に入らない現象への難癖という感じです。勝谷氏は何が気に入らないのか、主に以下の2つのようです。

1 ネット上の匿名による批判。特に倖田氏を広告に起用している企業のURLを
  掲載する行為と、それを利用して企業に苦情を出すこと。

2 苦情(特にネットでの)を受けて、企業が倖田氏を広告から外すこと。

まず今回は2のほうを取り上げます。
勝谷氏の企業批判発言を拾ってみました。こんな風に言ってます。

 「ボクは、このねぇ、あの、メーカーなんかにですね、これほとんどですね、
  ネット上なんかにメーカーのURLが貼られていて、ここに送ってもっとバッ
  シングしてやれっていうことを煽っているバカがいるわけですよ。そういう
  ものに対して冷静に対応できないで、すぐに事なかれでこういう風にやめれ
  ば済むと思っているメーカーもね、ちょっとボクはおかしいと思うし、もち
  ろんそれに、尻馬に乗ってやっているバカどもは言うまでもないけどね。」

 「P&Gとか何考えてるんだ! 世間の動きを見て判断って、自分たちの頭で判
  断しろよ、ちゃんと、それがどの程度の社会的な問題であるのかっていうこ
  とを。」
                        (『ムーブ!』2月5日)

 「倖田の発言はよくないと、それは前提ですよ、ね。よくないけれども、それ
  をああいう風に塀の中から石を投げるようなヤツが大勢いて、もっと言う
  と、ね、それを受けて企業が次々と自粛する、この金玉のないような無責任
  さがイヤだってこと言ったの。」
            (『たかじんのそこまで言って委員会』2月17日)


広告業界に身を置いていたことのある私にとっては、こんなバカな主張する人間が世の中にはいたんだなぁと、改めて世間の広さを実感しました。

ねーねー勝谷さん、プロ野球選手って、なんで球団に雇われているか知ってますか? そうですよね、観客が喜ぶようなプレーができて、その球団の戦力として有益だからですよね。
じゃぁ、その選手がいいプレーできなくなったらどうなりますか? もちろん解雇ですよね。そのときあなたは球団側を非難しますか? しないでしょ。

え? 話が遠すぎてよくわからない? う〜ん。じゃぁ、雑誌やなんかのライター(フリーの)はどうでしょう。ライターが面白い記事を書けなくなったとしましょう。読者からのアンケートなんかでも「つまらない記事No.1」に何回も選ばれるようになってしまった。雑誌社はそのライターを使わなくなりますよね。そこで勝谷さん、あなたはこう言うんですかね、「読者アンケートなんか気にしてライターを切ってしまうような雑誌はおかしい!」って。

では次、本題ですよ勝谷さん。タレントと企業の関係を考えてください。企業はなぜ高額な金銭を支払ってまでそのタレントを広告に起用するんでしょう? タレントはその見返りに何をしなければいけないんでしょう?


企業は自らの、あるいはその企業の商品のイメージを上げるために人気のあるタレントを広告に起用するわけですよね。それが企業がタレントに期待する唯一最大の仕事です。
タレントにその仕事ができなくなったら、つまり企業や商品のイメージアップを担えなくなったらどうなるか。もちろんそのタレントはお払い箱です。今までの例でもわかるように、それがビジネスの世界では当たり前のことです。
何を非難される筋合いがあるんでしょう?

今回の倖田氏は、イメージアップはおろか、イメージダウンにまでなってしまうわけですから、企業としては1分1秒でも早く切ってしまいたいところです。
しかし企業はそう簡単に彼女を切れないんです。勝谷氏は「事なかれ主義だ」とか言って、企業がいとも簡単に彼女を切ってしまったように言っていますが、それはまったくの間違いです。

企業が支出したものは彼女との契約金だけではありません。企業は広告戦略を練りました。CMを完成させました。それを放映しました。印刷物も大量に印刷しました。配布もしました。それら一連の広告活動に費やされたお金と時間は莫大なものです。ここで彼女を切ってしまえば、その莫大な金と時間はパーになってしまいます。
切っても大損、切らなくても大損。企業は彼女を切ったときのデメリットと切らなかったときのデメリットを慎重に比較・検討せざるを得ないわけです。そしてそのときの最大の判断材料は何か。それこそが消費者の意見であり、世間の動向なわけです。

言うまでもないことですが、企業のやっていることは客商売です。企業は自分たちの商品を世間の人たちに買ってもらうことを目的とした組織です。だから客の反応を見ながら対応を考えます。一体それのどこがおかしいんでしょうか? そんなの客商売としては当然かつ真っ当な行為じゃないですか。

なにも今回のような場合に限ったわけではありませんよ。商品開発といった初期の段階からそれは始まっているわけです。言ってしまえば企業というのは最初から最後まで、徹頭徹尾客の動向を気にしているんです。そしてそれがマーケティングと呼ばれる活動なんですよ。
勝谷氏は、このマーケティングも「世間の顔色をうかがうものだ、けしからん」と否定するんでしょうかねぇ。そんな考えだから『大阪麺通団』は閉店せざるを得なくなったんじゃないでしょうか。

ちなみに、倖田サイドにとってもこの件は、徹底的にビジネスの問題です。
そもそも、ことの発端となった発言はラジオ番組における発言です。つまり倖田氏にとって仕事上の発言です。
勝谷氏は「マネージャーという身内への発言」と言っていますが、それは詭弁です。それなら楽屋とか飲み屋でしゃべればいいんですよ。彼女はこういうおしゃべりをすることによって、一般人には考えられないほどの高額な金銭を得ています。それを忘れては話になりません。
ちなみのちなみですが、問題になった「35過ぎたら羊水が腐ってくる」という部分は、マネージャー個人について述べたものではありません。一般論として語られています。もしマネージャー個人についての発言なら「その人は35過ぎたら、羊水が腐ってくる人なんです。」と言うべきです。

この倖田氏の仕事上のミスは、彼女の商売にきわめて深刻な危機をもたらす可能性があったわけです、彼女は人気商売ですからね。この問題を放置すれば、CDの売り上げや広告の出演料が大きく落ち込むかもしれない。そこで倖田サイドは謝罪をせざるを得なくなったということですよね。つまり彼女の謝罪は利益の損失を最小限に食い止めようとする営業的判断だったということです(誤解のないよう言っておきますが、私はそのことを悪いと言ってるわけではないですよ)。


私は勝谷氏の企業批判を聞いていると思い出すことがあるんですよ。
モーニング娘。を誕生させた『ASAYAN』(テレビ東京)だったでしょうか。番組では、中国でアイドルを作ろうという企画がありました。で、現地でオーディションをやるわけです。ところが日本から行った審査員と中国の審査員の意見がまったく違っていて、収集がつかないんです。
日本側は芸能関係でメシを食っている人たちなんですが、中国側は歌を教えている先生やなんかが中心なんです。だから、日本側は「アイドルは売れてナンボ」という考えで、売れそうな、人気の出そうな子を選ぼうとするのに対して、中国側はあくまで歌のうまさだけで選ぼうとするんですねぇ。彼らにとってはそれが一種の正義なんです。
これって、勝谷氏の企業批判の根底にある価値観とそっくりじゃないですか。

番組を見た当時、私は中国の審査員をバカにする気にはならなかったですよ。そりゃ仕方ないですよね。社会主義の中国の、しかも学校の先生に、日本の資本主義の先端とも言えるアイドルビジネスなんか理解できるわけないですから。
しかし、勝谷氏は違いますよね。現代の日本で生まれ育って、しかもメディアで仕事をしています。にもかかわらず、資本主義における企業の存在やビジネスというものがまるっきり理解できないで、学校的な価値観を振りかざしてそれらを批判し続けている。これじゃあ「四十半ば過ぎてもいまだに灘自慢」なんて揶揄されるのも無理からぬことです。

勝谷氏は自分の著書の中で、あるいはいろいろな番組で、「日本には『利権談合共産主義』がはびこっている」と何度も繰り返しています。しかしねぇ、資本主義も理解できない氏がそういう言葉を連呼しているのかと思うと、噴飯に耐えませんよ、私は。
勝谷誠彦(47歳)、キミは一体実社会で何を学んだのか? 今からでも遅くない(遅いかな?)、学校的価値観から卒業して、もう1回1から勉強し直せ!

そして勝谷氏から「自分の頭で判断していない」「金玉がないほど無責任」とののしられた企業各社は、この暴言がなんらいわれのない中傷であることを世間に示すため、氏を名誉毀損で訴えましょう。
あるいは勝谷氏の言う通り倖田氏を広告に使い続け、その結果発生した損害を、彼に責任を持って補填してもらおうじゃないですか。
なんせ勝谷氏は顔出し実名で責任を持って発言していらっしゃるんです。それぐらいの覚悟は彼にもできているはずですよ。





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2008年02月18日

このブログ、匿名じゃないですよ。

昨日放送の『たかじんのそこまで言って委員会』(読売テレビ)で「たかじんのば〜さす」というコーナーがありました。今回からの新企画のようです。対立する意見に番組が白黒つけるんだとか。
そのコーナーの中で「勝谷 VS 2ちゃんねらー」という話題がありました。
例の倖田來未失言問題で、倖田を擁護して2ちゃんねるに批判的な勝谷氏と、逆にそういう氏に批判的な2ちゃんねらーと、どちらが悪いかはっきりさせようというものでした。

まあ、結果は「勝谷が悪い派」4人、「2ちゃんねらーが悪い派」3人で、勝谷氏が悪いということに一応なったんですけどね(なぜか勝谷氏自身は「勝谷が悪い派」になていました)。中身の議論はまったく中途半端で、なにが白黒つけるだよ、というものでした。

唯一多少面白かったのは、宮崎哲弥氏が、沢尻エリカのときと今回で勝谷氏の対応が違っていることについて突っ込んだところでした。



 宮崎「沢尻さんをシメるって、あなた言ったの?」

 勝谷「言ったよ。」

 宮崎「ど、ど、どういう・・・?」

 勝谷「だってあれお金もらって仕事の場に行ってるわけで、ちゃんと仕事しろ
    いう話ですよ。」

 宮崎「でも彼女(倖田)もラジオ番組だから、お金もらって仕事してんじゃ
    ないの?」

 勝谷「でもこれは録、録音だったし。で、ボクは倖田さんだってシメろ言うた
    らシメろ言うよ。」

論点をすり替えた上に、「シメろ言うたらシメろ言うよ」だって。はぁ? 意味不明。

しかし、いつものことですがこの番組、やり方が汚いんですよね。この話題でも勝谷氏と2ちゃんねらー、どちらの意見が正しいかということより、実名顔出し VS 匿名という部分を強調してるんですよ。それならそれでそういう論点だけを徹底的にやればいいのに、そうはならない。パネラーもそういうことをちゃんと考えてる人たちじゃないから、匿名にはほとんど反射的に否定的。番組の誘導に無自覚です。

しかしねぇ、そんなつまらない印象操作やるより、このブログを取り上げてほしいんですけどねぇ。
先日コメント欄に書きましたが、「東田万偶斎」という名前は、私が仕事をするときの名前で、一応社会的な責任を背負ってるんですよ。芸能人の芸名や、「香山リカ」「室井佑月」なんかのペンネームと同じです。だから匿名じゃありませんよ。
そういう人間がやってる勝谷批判なんだから純然たる内容勝負でやれますよ。
ま、「マングース VS 蛇蝎谷(だかつや)」なら、勝つのはマングースに決まってるんですけどね。

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次回は、勝谷氏の倖田來未擁護論批判です。
今、忙しさのピークに達していて泣きそうですが、ちゃんとやりますので待っていてください。

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2008年02月14日

メインディッシュ

2003年の秋、大阪に『なんばパークス』という商業施設が出来ました。その中には『浪花麺だらけ』という麺類のフードテーマパークも作られました。全国各地のご当地麺を食べさせるということで、10店ぐらいだったでしょうか、出店していました。
その中の1つに『大阪麺通団』という讃岐うどんの店があったんですが、それこそが我らが美食家・勝谷誠彦氏がプロデュースした店だったんです。

出来て間もないころだったと思うんですが、私、この『浪花麺だらけ』に1度行ったことがあるんです。しかし残念なことに、当時私は勝谷氏のことなどこれっぽっちも気にかけていませんでしたので、その『大阪麺通団』で食べたかどうか記憶が定かではありません。

その後、この店で実際に食べた方の感想をいくつかネットで見かけましたが、どれもあまり芳しいものではありませんでしたねぇ。結局『大阪麺通団』はおよそ1年後に閉店を余儀なくされましたから、それらの感想はやはり的を射ていたということではないでしょうか。

さて、今日のお話は、その店の味を云々しようというものではありません。
プロデューサーである勝谷氏の言葉にご注目いただきます。
勝谷氏は、『大阪麺通団』の開店初日、現場にいらしていたようです。そのときのことを 『勝谷誠彦の××な日々』 でこう記しています。

 「客商売という意識が高いうちの他のスタッフやあるいは麺だらけに入って
  おられる他店の方々は書きにくいだろうから慮外者の私が敢えて書く。
  客の質の悪さに呆然としたぞ。客の9割は中高年。オバハンの方が多い。
  文句はつけるわ隙あらば金は誤魔化そうとするわそういうババアに限って
  セルフなのに絶対にトレイを自分では下げない。初日なのでもちろん私た
  ちの不慣れもあり頭を下げぱなしなのだがここまで食べ物を不愉快そうに
  食う人種を私は見たことがない。よほど讃岐うどんとの相性が悪いのかと
  他店を見て歩くといずこも同じ。地元の連中に聞くとミナミという土地柄
  もあるらしいがどちらかというと社会的階層の問題かと。平日の11時に並
  んでまで一杯300円足らずのうどんを食いに来る人々なのだからか。私は
  客に感謝はするが卑屈になる気はない。まっとうな客を育てるというのも
  麺通団の仕事だと思っているからだ。」


前々回からグルメの話をしてきました。備長炭がどうの、ミシュランがどうの、東京が日本一マズいのかどうか、など。
でも、この文章を読んでしまうと、もうそんなことどうでもいいや、という気持ちになってしまいます。結局勝谷氏の腐った人間性の前では、そんな「高尚」な話は吹っ飛んでしまうだけです。

読者諸賢には、まじめにグルメについて考えてくださった方もいらしたと思います。書いた側としては申し訳ないという気持ちもありますが、そういう方々こそこのグルメシリーズを十分に味わっていただけたと思います。私がこの3回で本当に味わっていただきたかったのは、この殺伐たる後味だったわけですから。悪しからずご了承ください。

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「犯罪王国九州」でお世話になった『「ダメなものはダメ」日記』に、この『大阪麺通団』での体験記と勝谷氏への批判が詳しく書かれています。大変面白いです。そちらも是非お読みください。下記の記事です。

だめなもの「かっちゃんプロデュースの讃岐うどん」(1)

だめなもの「かっちゃんプロデュースの讃岐うどん」(2)

だめなもの「かっちゃんプロデュースの讃岐うどん」(その後)




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2008年02月10日

来栖けい VS 勝谷誠彦

『ミシュランガイド・東京版』での格付けが発表されたのは、昨年11月19日(月)のことでした。
三ツ星に選ばれたのは、すし・日本料理店5店を含む計8店で、この数は予想外の多さだったそうです。
星を与えられた料理店は全部で150店にのぼり、東京が世界で最も星の多い都市になりました。

翌日の『スッキリ!!』(日本テレビ)では、「美食の王様」「食べる天才」こと来栖けい氏を招いてこの話題を取り上げていました。
来栖氏は事前に三ツ星店を予想。5店を挙げていましたが、そのうち4店が三ツ星を獲得するという結果でした。これは率直に「さすが!」と言っていいんじゃないでしょうか(詳しくは来栖氏の公式サイトをご覧ください)。

来栖氏は、この『ミシュラン・東京版』の格付けについてコメントする中で、三ツ星を与えられたそれぞれの店に賛辞を贈っていましたが、「ミシュランがすべてというわけではないですけど」とこの格付けを絶対視しているわけではないことも示唆し、このガイドブックが主に金持ちの外国人旅行客向けに作られていることも述べていました。

ちなみに、来栖氏は以前同番組で、スウィーツのかけらを目隠しして食べ、どこの店かを当てる、TVチャンピオン風な芸当も全問正解でやってのけていました。これもやはり「スゴい!」と思いましたね。知識だけではなく、味覚の確かさも実証済みです。

もう一つちなみに言うと、この日の同番組のレギュラーコメンテーターの宮崎哲弥氏は、三ツ星に選ばれた店の料理人の師匠筋やその関係を事細かに語っておられました。さすが理屈王子と感心する一方で、ちょっと小うるさい気もしましたが。


さて、我らが勝谷誠彦大先生も同日夕方、『ムーブ!』(朝日放送)において、このミシュラン東京の格付けについて語っておられました。
はい、そうですよ。例によって、聞くに堪えない罵詈雑言のオンパレードです。
拾っていきましょう。

▼「三ツ星店とは、その料理を目的に、わざわざその国を訪れる価値がある店」という番組側の解説の後、こうおっしゃいました。

 「わざわざこの国を訪れる価値があるどころか、わざわざ東京に行く価値もな
  いですね、ここに入ってるのは全部。」

私はこの5店の料理を一口も食べたことがないので(当たり前ですね、赤貧なんだから)、何とも言えませんが、出来れば勝谷氏にはその1店1店の料理のどこがどうダメなのか解説してほしかったですね。氏が唯一口にした根拠らしきものは「値段が高い」でした。そんなことなら味がわからなくったって、誰でも評価できますよ。

▼さらにこんなことも。

 「東京なんて日本一マズいところなんだから。」

これもどういう根拠に基づいておっしゃってるんでしょうねぇ。
確かに料理のウマいマズいは主観的なものだと思いますよ。しかし、都道府県ごとに比較してランク付けするとなると、すべての都道府県のすべての店のすべての料理を食べているという条件が必要なんじゃないですかねぇ。
せめてその程度の客観性が担保されていなければ、テレビでこんなこと言ってはいけないし、言う意味もないんじゃないでしょうかねぇ。ま、これも暴言の類いでしょう。東京の方、どう思います?

▼「もともと『ミシュランガイド』は自動車旅行の際に役立つよう作られた」などの歴史を番組がざっと説明した後。

 「我々はもうこんなレベル遥かに超えてまして、今カーナビでどこがおいしい
  って探せば,ポッと教えてくれたり、それがネットとつながって次々に情報
  が更新されてるわけで、ほんとに自分の舌をもってる個人の、特に大阪の人
  の、個人のブログのほうが遥かにこれ(『ミシュランガイド・東京版』)よ
  りレベルが高いですね。」

だんだん勝谷脳の調子が上がってきましたよ。私にはもうほとんど氏の言ってることがわかりません。

私は自動車を運転しませんので、カーナビについてはよく知りません。が、ちょっと調べたところ、カーナビの情報は、ネットのグルメ情報サイトからもらっているそうですね。例えば、『yahoo!グルメ』とか『ぐるなび』とか『ホットペッパー』とか。
そこで、こういうサイトを実際見てみると、そこに掲載されている料理店の情報は基本的にその店が提供(掲載依頼)しているもののようです。口コミの評価欄というのもありますが、ほとんど書き込まれていないか、書いてあってもほんの数人、しかもたいがいその店を気に入った人が書いているようです。やろうとおもえば、こんなものいくらでも操作できますね。
勝谷氏はこの少し後に、『ミシュランガイド・東京版』がはじめ1500軒の料理店だけを審査対象にしたことについて、グルメ情報誌を見て決めたんだろう、それでは本当においしい店を取りこぼしている、と批判的でした。グルメ情報誌(出版物)はダメで、グルメ情報サイト(ネット情報)は信用できるんですか? どういう基準なのかさっぱりわかりません。

また、勝谷氏は個人のブログを評価しています、特に「自分の舌をもっている個人」の。しかし、ブログを書いている人の舌が確かかどうか、読んでいる人間にどうやって判断しろっていうんですかねぇ。それは結局書いてある店に行って、実際食ってみるしかわからないじゃないですか。

倖田來未氏の失言に関しては、ネットの意見をクソミソに批判される勝谷氏ですが、グルメに関してはネット情報にかなりの信頼を寄せてらっしゃるようです。
やっぱりどういう基準なのかさっぱりわかりません。

▼勝谷氏は『ミシュランガイド・東京版』に、その店の内部や料理の写真が掲載されていることを根拠に、この取材が覆面ではなかったとし、ミシュランサイドや料理店側が虚偽の発言を行っていると怒りまくります。
勝谷脳、いよいよトップギアです。

 「あれね、ちょっと放送なんとか倫理審議会に言ったほうがいいよ! ほんと
  に知らなかったのか!? 全部丁寧な写真が載ってるじゃないか! 当たり
  前でしょ。これ、ブツドリ(物撮り)きっちりライティングして撮らないと
  こんなの撮れませんよ! どういうことか説明してくれよ、これ! このお
  店の許可を得て撮影してるわけでしょ。知らなかったわけないでしょ。」

ところが、この発言に対し、女性アナウンサー関根友実氏が瞬時に別の可能性を提示してみせます。

 関根「取材は受けたけど、いくつの星かわからなかったとか、そういうのじゃ
    ないですかねー」

 勝谷「それならまだわかるね。」

以前にも書きましたが、勝谷氏は一旦思い込んでしまうと、それ以外の可能性を一つも考えつくことができません。真相は、ミシュラン側が格付けを決定した後で、改めて写真撮影を申し込んだようです。関根アナが言っていたように、写真撮影時にも具体的なランクは伏せていたということでしょう。
こんな誰でもが容易に想像できる可能性をまったく想起できず、「虚偽だ!訴えろ!」とまでわめき散らしていた勝谷氏、的外れだった自分の憶測でミシュランや料理店の名誉を傷つけたことに、どう責任をとるんでしょうか? 実際責任とらずに言いっぱなしなわけですから、放送なんとか倫理審議会に訴えられなければならないのはこの男のほうでしょ。

▼さて最後に。

 「(星が与えられた150店の中に)ボクの好きな店は1つもと言っていいほ
  ど入ってない。」

ま、これが今回の罵詈雑言の最大の動機といったところでしょうね。

もし勝谷氏が東京の料理店に精通していて、また『ミシュランガイド』というものをよく理解していたなら、例えそれらに否定的であったとしても、来栖けい氏のように予想し、それを的中させることも出来たと思います。それが出来た上で結果を批判するんなら、その説得力は格段に違っていたと思うんですがね。


私は食通とはほど遠い人間ですから、グルメ評論家と称する人たちの舌を評価することは、まずもって出来ません。しかし、評論家としての評価なら、彼らの論評の仕方から下すことは出来ますよ。
まともな根拠を何一つ挙げられず、論理的な説明もまったく出来ない、評価基準もめちゃくちゃで、思い込みや恨みつらみだけで批判を繰り広げる勝谷氏は、評論家としては最低ランクです。星0個。




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2008年02月07日

備長炭から水蒸気

『2ちゃんねる』の勝谷批判スレッドは現在【偽装】勝谷誠彦・49【コラムニスト】です。今回から、スレのはじめに書かれている「関連URL」というところに当ブログのURLが「勝谷氏の痛い発言を楽しむブログ」として掲載されています。2ちゃんねらー諸賢に認められたと言っていいんでしょうか、私、単純によろこんでいます。ありがとうございます。

と同時に、それまで掲載されていた『うどん屋かっちゃんの××な日記。』がそこからなくなってしまいました。大変残念です。
現在そちらのブログは07年9月18日の記事をもって停止していますが、活動を再開されることを心より願っております。

というわけで、今回は2ちゃんねる掲載記念号といきましょう。


私が勝谷氏からのメールを勝谷批判スレに掲載したころ、そこで話題になっていた氏の無知を示す文章を改めてここで取り上げてみたいと思います。

『勝谷誠彦の××な日々。』の06年10月13日の日記には、名古屋で焼き鳥を食べた話が書かれています。そこからの抜粋。

 「コーチンは歯を押し返す強靱さを経てはっきりとわかる繊維の間から上質
  な脂肪の滋味が溢れてくる。コーチンではないが若鶏のハツやエンガワな
  ども絶品でこれはひとえに焼きの見事さであろう。備長炭の出す水蒸気を
  うまく肉に纏わせてふんわりと仕上がっている。老舗にありがちな傲慢さ
  も胡座もかいたところもない。」

(全文はこちらhttp://www.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=31174&log=20061013

この気取ったグルメリポート、どこがおかしいかわかりますか?
「老舗にありがちな傲慢さ胡座かいたところない」という日本語がおかしく、正しくは「 胡座かいたところもない」とするべき? 確かにそこもそうですね(勝谷氏は文筆業のくせにこういう間違いが多過ぎる!)。
でも、もっと恥ずかしいのはここですよ。

 「備長炭の出す水蒸気をうまく肉に纏わせてふんわりと仕上がっている。」

あのですね、備長炭からは水蒸気は出ないんです。水蒸気が出るのはガス火なんです。炭火の良さというのは、この水蒸気が出ないところなんです。


燃料ガスの主成分はメタンかプロパンです。これらが燃焼するときの化学反応式は次のようになります。

メタンの場合   CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O

プロパンの場合  C3H8 + 5O2 → 3CO2 + 4H2O

いずれも水(H2O)が発生します。二酸化炭素の発生より多いですね。
一方備長炭はほとんどが炭素ですから

  C + O2 → CO2

となって、水は発生しません(もちろんある程度不純物が含まれますから、ごくわずか発生するんですが)。

先にも言った通り、炭火の長所はこの水蒸気が発生しないということなんです。
炭火はそのため肉の表面をパリッと仕上げるのに対し、ガス火ではそんなにうまくいかないんです。
勝谷氏はその辺のことがまったくわかっていない。それでもグルメライターなんでしょうか?

氏は、『週刊アスキー』07/12/18号でのインタビュー(『え、それってどういうこと?』第9回)で、こう言っています。

 「僕、いまでも元素記号わからないですからね(笑)。」

せっかく医学部を受験したんですから、これぐらいの化学式は覚えておいたらよかったのに。そしたら「備長炭から水蒸気」なんていう恥ずかしいこと言わなくてすんだのにね。
ついでに言っておくと、水蒸気が肉の表面に付着したからといって、ふんわりとはしません。


実は勝谷氏のこの文章を目にしたとき、私にはピンと来るものがあったんです。
それは、『美味しんぼ』(小学館・ビッグコミックス)第3巻 第1話「炭火の魔力」の中の主人公・山岡士郎の台詞です。

 「しかもガスの成分は炭素と水素の化合物で、それが燃えると水蒸気が出る。
  一方、炭は純粋な炭素だから燃やしても炭酸ガスが出るだけで水蒸気は立た
  ない、だから鰻がすっきり焼き上がる。

  赤熱した炭の上に鰻の脂とタレがかかって、それが焦げて上がった煙が鰻に
  ついて、蒲焼きの香ばしい香りが出来るんです、炭でなければこの香りは出
  ない。」

ね、関連は明白でしょ。前半のガス火と炭火の特徴を取り違えた上で、後半の表現を鰻から焼き鳥に書き直した、まさにそんな感じです。

勝谷氏のこのグルメ記事、実はマンガが元ネタだったんですね。ま、それはそれでいいんですが、せめて事実関係を正確に記憶しておいてもらいたいものです。



備長炭から水蒸気

manguhsai at 16:20|PermalinkComments(60)TrackBack(1)clip!

2008年02月04日

佃煮おやじ、羊水腐る姉ちゃんをかばう

 「やっぱ35(歳)回るとお母さんの羊水が腐ってくるんですね。ホントに!
  例えば汚れてくるんですよね。」

この、知性なし、品性なし、配慮なしの3拍子そろった発言をされたのが、歌手の倖田來未氏であることは、みなさんご承知の通りです。
発言は1月30日(水)未明放送のラジオ『倖田來未のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でのことだそうです。その後苦情が殺到、ネット上で批判が噴出、番組と倖田氏はそれぞれのホームページで謝罪。さらに倖田氏は各種の活動を停止している状態だとか。

http://news.livedoor.com/article/detail/3492053/

この話題は今朝の『スッキリ!!』でも、夕方の『ムーブ!』でも取り上げられました。もちろん勝谷氏は両番組でコメントされています。動画でお楽しみください。

まずは『スッキリ!!』から。



 「悪意で言ってるわけじゃないから。だったらそれ違うからって、そこ切っ
  てあげるとかね、すればいいと思うけど。
  ボクはね、最近こういうね、ブログの炎上とかね、こういうのすごく多い
  じゃないですか。ボクはね、非常にね、ある種のイジメだと思う。ボクは
  過剰だと思いますね。
  もちろん、だからそれはそれで、ごめんなさいって謝れば、謝ればいいん
  ですよ。悪意を持ってないんだから。
  非常にボク、こういうね、イジメのような世の中の動きは嫌いだね。うん」

続いて『ムーブ!』です。



 「ただこれさぁ、マネージャーさんの結婚を巡ってでしょ。だから身内につ
  いての軽口で言っちゃったところあると思うんで。
  ボクはね、最近のね、すぐこのブログ炎上だとかね、バッシングにですね、
  一般の人が走ってね、今まではね、芸能やね、メディアが、こういうワイ
  ドショーなんかがバッシングにね、狂奔してて、それも嫌な感じだったけ
  れども、最近はね、こういう日本人の品性下劣さっていうのはね、非常に
  ね、許しがたい気持ちになることがあるね。
  もちろん彼女の発言は、確かに軽率ではあったけれどもね。」


えーと、私の記憶違いなんでしょうかねぇ。確か、沢尻エリカ氏が映画の舞台挨拶で不機嫌な態度をとったとき、勝谷氏は「オレがシメる」とかなんとかいう発言をされてましたよね。
勝谷氏の過激な、しかもメディアを通じて行った発言はイジメではなく、一般の人が寄せた苦情や批判はイジメなんでしょうか? ちょっと私、理解しかねるんですが・・・

え、何ですか? 悪意の有る無しですか? しかしそれより、受け手がどれだけ傷つくかということのほうが重要だと思うんですがねぇ。別に私は沢尻氏をかばう気なんて毛頭ないですよ。しかし小娘のふてくされた態度を見て受ける不快感と、高齢出産した人やこれから高齢出産しようとする人が今回の倖田氏の発言で受けた不快感とでは比べ物にならないんじゃないでしょうか? そこらへんの人間の(特に女性の)感情というものには、勝谷さんの粗雑な脳みそでは思い至らないんですかねぇ。

テレビにせよラジオにせよ雑誌にせよブログにせよ、そこでの失言や暴言に対して、視聴者や読者が批判や苦情を表明することは、まったくもって真っ当なことじゃないでしょうかねぇ。
番組に苦情を寄せた人も、ネットで批判した人も、徒党を組んで彼女を攻撃したわけではないでしょ。それぞれがそれぞれに憤りを感じて、その気持ちを率直に表明したにすぎないじゃないですか。それがなんでダメなんでしょうか? 自分はあらゆるメディアで好き勝手しゃべっているくせに、一般人には「苦情も言うな。批判もするな。」ですか? どこの国の何様ですか?

勝谷氏や倖田氏のような大きな影響力を持った有名人と違って、私たち一般人の声なんて、一つ一つはまったく非力ですよ。屁以下ですよ、無視されるだけ。それが今回は多く集まって、やっとバカなタレントや番組のスタッフに届いたんです。今のところ喜ばしい限りじゃないですか。イジメなんて言われる筋合も、品性下劣なんて言われる筋合いもまったくない。



さて、勝谷氏もメディアでたびたび暴言を吐いておられますが、倖田氏と違うところは、勝谷氏は自らの暴言を一度として謝罪も訂正もしたことがないということです。

例えば以前このブログでも取り上げた「ニューオリンズで佃煮になっている太った黒い人たち」という暴言も、かなりの批判を浴びたにもかかわらず、彼は謝罪・訂正一切していません。していないどころか、開き直って、こう言っていました。

 「『佃煮』にしたのが誰かという姿をそこで思い浮かべる批判的想像力を持た
  ない方々に媚びて文章を書くつもりはありませんし、いかなる解説を自分の
  文章に加えるつもりもありません。」

(詳しくはブログ『Here Tere and Everywhere』を)

もうここまで来ると、こういう人間に何かものを言うことに意味があるのかと、虚しさを禁じ得ませんが、一応言っておきます。
問題になっているのは、「佃煮」という表現であり、その表現を用いた勝谷氏の差別意識です。ここでブッシュ大統領の対応のまずさを持ち出すのは、論点のすり替えです。だいたい、亡くなった黒人は全員ブッシュ氏に投票したとなぜ言い切れるのか? 勝谷氏は、自分が支持していたケリー氏に投票した人をも侮蔑していることに気がつかないんでしょうかねぇ。

今日は、ついでと言っては何ですが、似たような暴言をもう一つ紹介しておきましょう。

2003年7月19日の『 勝谷誠彦の××な日々 。』で、当時起こった 九州での豪雨災害をこう表現しています。

 「そして神は犯罪王国九州を水の下に沈めなされた。」

同月1日に起こった、長崎男児誘拐殺人事件を想起して九州を「犯罪王国」と呼んでいます。で、この犯罪が起きた地である九州に豪雨災害が発生したのは天罰である、ざまあみろ、と言っています(探してみましたが、残念ながら全文を見つけることができませんでした)。

たった一つの事件を指して、九州全体を「犯罪王国」呼ばわりですよ。この豪雨で最も被害が出たのは熊本県と鹿児島県なのに、それは長崎県の事件の天罰なんだそうです。

ちなみに、勝谷氏は、その後2004年10月に起きた 新潟県中越地震には打って変わって同情的で、特番をやらずに『ドラえもん』を放映していた、けしからん! と、その日記でテレビ朝日に難癖を付けています。何なんですかね、この人の脳みそは・・・
(これらの勝谷氏の発言に関しては、こちらのブログ、『「ダメなものはダメ」日記』が痛烈に批判してておられますので、是非お読みください。)

こういう暴言男が謝罪もせずマスメディアでのさばっている状況と、軽率なタレントが多くの批判によって自らの失言を謝罪し、活動を自粛するという状況と、どっちがまともか? 言うまでもないと思うんですがね。

manguhsai at 21:42|PermalinkComments(46)TrackBack(0)clip!

2008年02月01日

♪ かっちゃん、いつものやったげて!

私、ヘマをしてしまいました。

1月28日(月)の『スッキリ!!』(日本テレビ)の冒頭は、大阪府知事選橋下氏当選の話題でした。そのときの勝谷氏のコメントは特別号でお伝えした通りなんですが、問題はこの後なんです。

それは、例の大相撲 朝青龍vs白鳳 優勝決定戦を取り上げているときでした。
VTRを見終わって、勝谷氏がこの一番にイチャモンをつけ、テリー伊藤氏がこの発言に不快感を示すという場面があったんです。
こんな感じでした。

 勝谷 「よくできたストーリーだよ。
     こんなもんウランバートルでやってろよ!」

 テリー「(ムッとして)八百長ってこと?」

 勝谷 「(あわてて)違う違う。」

 テリー「(語気を強めて)よくできたストーリーって、
     八百長ってことだよね?」

 勝谷 「八百長かもしれない。」


大阪府知事選の話題が終わって気が抜けた私は、このやり取りの前に録画を止めてしまってました。不覚!

それにしてもいいでしょ、この勝谷氏の態度。とくにこの「違う違う」っていうところが。テレビでは「八百長」とまで言ってはマズいと思って、それとなく臭わせるだけにしたところ、ズバリ、テリー氏に見破られて、あわててごまかそうとしています。「違う違う」って、何が違うんでしょうかねぇ。
その後さらにテリー氏にすごまれて、認めざるを得なくなっちゃいました。それでも「かもしれない」と命綱はしっかり握っています。カッコわるー!

こういう場面を見ると思い出しますねぇ、田中康夫氏が長野県知事選で敗れたときのこと。同じ『スッキリ!!』で勝谷氏は「この程度の県民」と発言し、テリー氏に一喝されました。勝谷氏は「ボクらの努力も足りなかった」とかなんとか、急にしおらしくなっていました。

ビートたけしのTVタックル』で自民党批判して、浜田幸一氏に怒鳴られたときのことも思い出しますねぇ。このときは「これまでの自民党の功績はボクも認めてる」とかなんとかゴマスリに転じました。

あーあ、録画し損ねたのが悔やまれます。皆さんには是非映像で見ていただきたかったです。


ところで、恥ずかしながら私、勝谷氏のラジオ番組を聴いたことがありませんでした。先日読者から、それらをご紹介いただくコメントを頂戴しました。早速聴いてみたんですが、そのうちの一つ、TBSラジオの『ストリーム〜コラムの花道〜』で、先の『スッキリ!!』でのテリー伊藤氏とのやり取りが話題になっていました。
この番組は小西克哉氏と松本ともこ氏が聞き役になっているんですが、このお二方、なかなかの「太鼓持ち」で、勝谷氏をうまく持ち上げます。
勝谷氏も上機嫌で口が軽いです。

で,問題のくだりです。11月30日(水)の放送で、小西氏が28日の『スッキリ!!』の後半、勝谷氏のグルメのコーナーを見たという話から、こういう展開になりました。

 勝谷「あの前が面白かったんだよ、テリーさんとバトルがあって。」

 小西「え? そうなんですか? あ、じゃあ見逃してるわ。」

 勝谷「朝青龍のことさ、テリーさんほめるからさ。冗談じゃねえと。
    朝青龍と白鳳なんて、あんなもん八百長に決まってるじゃねえかと。
    ヒールとしては一番いいアレでしょ。
    あれ、離れて突っ張り合ったら事故起きるからさ、
    ガッチリ組んでさ、あヨッコラショ、ヨイショ、ヨッコラショ。
    最後はゴローンってやってさ。物語としては最高ですよ。」

 小西「それテレビで言いましたか?
    あー、じゃテリーさん顔真っ青だったでしょ?」

 勝谷「テリーさん、相撲史に残る試合だって言うからさ。
    オレ、いい加減にしろっつって。」

 松本「見たかったよねー!」

 小西「あー、じゃ今度月曜日絶対見よ!」


えー!? 武勇伝になってるよ!
「八百長に決まってる」ですか? 「いい加減にしろ」ですか? 「冗談じゃねぇ」ですか?  そんな風に言ってましたっけ?
だからこの人の話は眉毛に唾つけて聞かないといけないんですよ。

(実際にお聴きになりたい方はこちら。
 http://tbs954.cocolog-nifty.com/st/files/st20080130.mp3

この番組の中で勝谷氏は、『ムーブ!』などでも自分は過激な発言をしていると自慢し、28日に橋下氏と共演したときも、「アンタ、ほんとに同和利権に切り込めるのか!!」 と言ってやった、なんて得意げでした。
実際には、こんな感じです。



どうでしょうねぇ。


武勇伝

manguhsai at 17:05|PermalinkComments(15)TrackBack(0)clip!