2008年01月

2008年01月29日

大阪府知事選終結特別号(3)

『ムーブ!』火曜日編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昨日の勝谷氏は無難な発言ばかりで、大して面白くありませんでした。
しかし! 今日はやってくれました! 一発ガツンと言ってくれました!

今日1月29日(火)の『ムーブ!』では、昨日よりさらに深く、さらに厳しく橋下氏の公約を検証していました。そのコーナーの最後に勝谷氏は吠えました。橋下氏の公約に「公共事業の削減」と「入札制度の改善」が盛り込まれていないことに吠えたんです。動画でその勇姿をご覧ください。



 「こ、公共事業を減らすということと、入札の改善ということが
  なんで入ってないんだ! 支持母体を考えると、怪しいぞ!」

しかし、残念なことに、今日橋下氏はこの番組に出演していませんでした。
なんで昨日言わなかったんだ、勝谷!!

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この『ムーブ!』という番組では、月曜日より火曜日のほうが勝谷氏はのびのびしています。それは共演しているコメンテーターが違うからなんですね。月曜のコメンテーターは勝谷氏の他に宮崎哲弥氏がいます(昨日は花田紀凱氏もいましたが、これはイレギュラーです)。勝谷氏は、自分より宮崎氏のほうが遥かに頭がいいことをよく認識していて、劣等感を持っています。発言するときは、宮崎氏からの反論やダメ出しを意識して、結構慎重です。

一方火曜のコメンテーターは須田慎一郎氏と上村幸治氏です。もちろんお二人とも勝谷氏よりずっと頭がいいんですが、かなり物腰が柔らかく、勝谷氏の発言に食ってかかる心配は、ほとんどありません。だから火曜の勝谷氏はいつも「のびのび」「いきいき」です。
なので私、今日は来るかなと、構えていました。

上の橋下氏関連の発言以外にも、今日勝谷氏はいろいろと面白いことを言ってましたよ。また後日お伝えできると思います。
それにしてもネタがたまってきました。勝谷氏には少しセーブしてほしいです。

manguhsai at 23:11|PermalinkComments(16)TrackBack(0)clip!

大阪府知事選終結特別号(2)

『ムーブ!』編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ご期待くださった皆さん、大変申し訳ございません。
『ムーブ!』での勝谷氏の発言は、『スッキリ!!』のときのそれに輪をかけてつまらなかったです。
ここで取り上げるようなものはありませんでした。

一応、民主党の敗因分析のところで、氏が他のコメンテーターからつつかれて、脂汗をかきながら民主党に怒りをぶつけている場面は、映像として貼り付けておきます。
彼が蚊帳の外におかれ、民主党からはまったく頼りにされていないことを自分でも知りながら、それでも必死に「大いなるアドバイザー」ぶる姿が、ちょっと滑稽でもあり、哀れでもあります。

ただ、橋下氏の印象については書いておきたいと思います。
実を言うと私は橋下氏が嫌いでした。視野が狭くて、独りよがりなところがありましたからね。
しかし、今回生出演して比較的長い時間話をしているのを聞いていて、彼は少し変わったのかなぁという気がしました。
やはり実際に政治の世界に足を踏み入れてみて、身を以て知るところが多かったんじゃないでしょうか。偉そうに言うようですが、成長したように感じてしまいましたよ。

それに比べて勝谷氏は、相変わらず上から目線で、ああすべきだ、こうすべきだとご提言なさってましたね。もう鬱陶しくなってきて、「だったら自分で選挙に出て政治家になって実際にやれ!」って画面に言ってしまいました。

『スッキリ!!』編のコメントで教えていただいたんですが、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)では「橋下が入ったら世も末だ」などというようなことを言っていたようです。で、実際当選したら「大統領の素養」ですか? 情けなくないか? 勝谷。




manguhsai at 03:20|PermalinkComments(7)TrackBack(0)clip!

2008年01月28日

大阪府知事選終結特別号(1)

昨日、大阪知事選の投開票が行われました。結果、橋下徹氏が新知事に選ばれ、民主党推薦の熊谷貞俊氏が大差で敗れ去りました。民主党と熊谷氏を必死で応援してきた勝谷氏だけに、この結果に対して氏がどのように語るのか注目されるところです。

そこで今回は予定(?)を変更して、大阪府知事選の結果に対する勝谷氏のコメントをご紹介します。速報性を重視しましたので、内容的に物足りないとは思うんですが、どうかご了承ください。

本日の勝谷氏のテレビ生出演は午前8時からの『スッキリ!!』(日本テレビ)と午後3時50分からの『ムーブ!』(朝日放送)です。
とりあえず『スッキリ!!』での勝谷氏の発言をご紹介します。『ムーブ!』は夜遅くにお伝えします。



『スッキリ!!』編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


すべてのコメントは下の映像(編集してます)のほうでご確認ください。

はっきり言って大して面白くないです。
大阪府民を愚民呼ばわりすることもなく、橋下新知事を罵倒するでもなく、総じて無難なコメントだったと思います。

その中から、2、3気になった箇所を拾ってみます。

【橋下氏に対する姿勢】

橋下氏の「徹底的に批判してほしい」という言葉を受けて、こうおっしゃいました。

・「オレは天敵になります。」

ふ〜ん。でも大阪市長に選ばれた平松邦夫氏(民主党推薦)には言いませんでしたけどねぇ。やはり自民党系知事には「天敵」で、民主党系市長には「お仲間」で行くんですかねぇ。

【橋下氏の人間性・資質について】

勝谷氏は橋下氏が出馬表明した直後の07年12月13日(木)の『ムーブ!』で、橋下氏のことを「彼は非常に自己愛の強い人。何をやりたいというより、ただ府知事になること自体が目的」などと、切り捨てていました。
ところが今日の『スッキリ!!』ではこうおっしゃっています。

・「人間的にはすごくいい男。チャラいけど。」

・「もし彼が2年間、2期ですね、大阪府でちゃんと立て直して成功したら、
  次は総理大臣ですよ。」

・「彼は非常にね、大統領的な素養を持ってるんですよ。」

見事な変わり身です。

【熊谷氏の敗因について】

・「政策的には非常に良かったんです。良かったのに勝てないって言うことは、
  民主党はこんなんじゃね、国政なんか絶対できませんよ! 頭を冷やして反
  省しなきゃダメだ、民主党は!」

何が言いたいんでしょう? まったく敗因分析できてません。なんだか知らないけど民主党がダメだとわめいていました。
そしてそれに続けて、

・「何を考えているのかと思います! ずっと近くで見てましたけど。」

見てただけかよ! それって「蚊帳の外」って言うんじゃないの!?

【田中県政について】

田中康夫氏の長野県政を引き合いに出しています。

・「ボクは長野で田中さんと6年やりましたけれども、最大の抵抗勢力は議会で
  すから。」

ええ!? 勝谷さん副知事か何かだったんですか? それは知りませんでした。

テリー伊藤氏が橋下氏のマスコミ対応のうまさを指摘、逆に田中氏がマスコミと喧嘩をしていたと発言したことを受け、

・「いやあれはね、田中さん、別にマスコミと喧嘩してたわけじゃなかったの。
  記者クラブという既得利権を外したから、やっぱり利権談合共産主義である
  マスコミが敵に回ったわけで。その辺非常にマスコミに問題がある。」

だからやっぱりマスコミと喧嘩してたわけですよね。







以上です。ではまた『ムーブ!』編で。


manguhsai at 18:33|PermalinkComments(4)TrackBack(0)clip!

2008年01月24日

ネコ偽装

2006年からだったでしょうか、『ムーブ!』では動物保護団体『アーク・エンジェルズ』をよく取り上げています。ここでは詳しく触れませんが、『ムーブ!』によるとこの団体、動物保護にかこつけた金儲け集団だということです。その『アーク・エンジェルズ』が最近滋賀県高島市に犬の収容施設を建設し、地元住民と激しく対立しています。

今週月曜21日放送の『ムーブ!』では「傷害事件発生か!?」というテロップを出して、次の出来事を報じていました。

放送前日の20日、新たな犬の搬入を阻止しようとした反対派の数人が、施設の入り口で『アーク・エンジェルズ』代表・林俊彦氏と押し問答になりました。
林代表が強引に門を閉めようとしたところ、自身のカメラで撮影しながら抗議をしていた反対派の川北奈緒子という女性(大阪の元ペットショップオーナーで元々はこの団体と関係があった人)に扉が当たり、彼女が倒れ込みます。騒ぎ立てる反対派に林代表は「退いてください! 勝手に倒れとんねやないか!」と罵声を浴びせます。

このVTRを見たコメンテーターの勝谷氏はこうおっしゃいました。



 「人間に対してああいう口の聞き方ね、まあ、どちらに非があったかわからな
  いけど、事実として倒れてる人がいるわけじゃないですか。その人に対して
  ああいう口の聞き方をね、する人間が、川北さんが言うように、犬に対して
  優しくできるのか? ね、それは不思議だよね。」

さてここで「そうだそうだ! いいこと言うね」と思った人は、本当の勝谷ファンじゃありませんね。本当の勝谷ファンはここで爆笑です。「コイツ、よく言うよ!」っていうツッコミとともに(倒置法)。

勝谷氏は2005年9月12日の『 勝谷誠彦の××な日々 』で、当時アメリカを襲ったハリケーン・カトリーナの被害で亡くなった人々(黒人)を憎悪をもってこう表現しました。

 「ニューオリンズで佃煮になっている太った黒い人たち」

「倒れている人」どころか、死者に対してこの暴言です。
(なお、この日の日記は多くの読者の猛烈な抗議により管理人が削除しました)

勝谷氏がなぜこのような暴言を吐いたのか。前日の総選挙で小泉自民が圧勝したことに立腹。ついでに、気に入らなかった2004年のアメリカ大統領選でのブッシュ氏再選を思い出し、カトリーナは天罰とばかりにこの暴言を吐いたというわけです。
(全文はこちらhttp://homepage2.nifty.com/katsuya-m/nikki_20050912_.html

しかしね勝谷さん、私は『ムーブ!』でのあなたの発言を踏まえてこう言わせてもらいますよ。
「人間に対してこういう暴言ね、どちらに非があったかわからないけど、事実として死んでしまっている人たちがいるわけじゃないですか。その人たちに対してそういう暴言をね、吐く人間が、他人の品性に対してとやかく言う資格があるのか? ね、それは不思議だよね。」


勝谷氏は普段テレビでは決して言わない差別用語や暴言を、この『勝谷誠彦の××な日々』では、これでもかとばかりに書き散らしています。しかもまったく悪びれることなく。だったらテレビでも言えばいいじゃないですかねぇ。「支那(中国)」とか「アルツの白髪頭(筑紫哲也)」とか、さっきの「佃煮になった黒い人」とかもね。

そこで、『ムーブ!』でのもう一つの笑いどころです。
勝谷氏は、反対派を罵倒していた『アーク・エンジェルズ』代表をこういう風に言っていました。



 「あれー、あのー、提供してもらったビデオだからね、あれだけどね、
  『ムーブ!』の、我々のカメラの前では、相当あの林代表という人は、
  ネコかぶってるね。
  だから、非常に、今のようなしゃべり方を、普段はね、する人なんだ
  ろうなとわかりましたよ。
  ちょっと今聞かれた方,ビックリしたんじゃないかね。」

オマエもや!

『勝谷誠彦の××な日々』は、現在有料でのメール配信という形になっており、ネコをかぶっていない勝谷氏の姿は一層世間の目の届かないところに行ってしまいました。


ネコ偽装

manguhsai at 18:24|PermalinkComments(26)TrackBack(0)clip!

2008年01月23日

お礼

こちらのブログで当方をご紹介いただいたようです。
ありがとうございます。

大阪市問題まとめサイト(大阪府知事選挙特集)

日本アンチキムチ団

Birth of Blues

それと、『2ちゃんねる』にも書き込んでくださった方がいらっしゃったようです。
そちらもありがとうございます。

【オザワイスト】勝谷誠彦・48【各論なのである】

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

明日中にはまた更新できると思います。

manguhsai at 22:34|PermalinkComments(6)TrackBack(0)clip!

2008年01月20日

前回のオマケ〈偽装タイトル〉

『偽装国家II~底なし篇~』第5章の最終節は「小沢一郎『偽装辞任』の真意を読み解く」というタイトルでした。
そこには「私が小沢氏を支持する理由」という項があったにもかかわらず、小沢氏個人を支持する理由がまったく書かれていないことを前回述べました。
では、この「小沢一郎『偽装辞任』の真意を読み解く」という節全体はどうなんでしょう。

この節の中で小沢氏の辞任の真相に直接言及しているのは次の1文だけです。

 「呼び戻されることも小沢さんはわかっていたでしょう。」

その前の部分に、上杉謙信が家臣の内紛に嫌気がさして自国を出て行ってしまったが、結局家臣たちが頭を下げてきたので帰国した、という例え話が書かれていますが、それも8行ほどです。

では他に何が書かれているかというと、小沢氏の大連立構想の狙いと、その結果起こる政権交代の重要性です(あくまで勝谷氏の推測ですよ)。
これだったら節のタイトルは「小沢一郎『大連立構想』の真意を読み解く」にすべきだと思うんですが、そうしなかったのは、おそらくタイトルに「偽装」という文字を入れたかったからなんでしょうね。

ところで、最近話題の再生紙偽装問題ですが、年賀再生紙ハガキの古紙配合率が40%と決められていたのに、納入していた製紙会社5社の実際の配合率は1〜20%だったとか。

では勝谷氏のこの節はどうでしょう。
この節全体は9ページです。1ページが大体13行ですから全体では117行。
タイトル通り「偽装辞任の真相」について書かれているのは、直接的には1行ですから、0.9%未満です。
上杉謙信の例え話が8行で、これを入れても9行だから、7.7%です。

こんな配合率では、この節のタイトルも「偽装」ということになるんじゃないでしょうか。

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最後の9ページだけを読んでも、こんなに面白かったんです。本全体となるとやはり「底なし」なんでしょうかねぇ。ワクワクしてきて買ってしまいそうです。



manguhsai at 14:50|PermalinkComments(9)TrackBack(0)clip!

2008年01月18日

TRUE LOVE ?

勝谷氏の最近の著書『偽装国家II~底なし篇~』を立ち読みしました。
全部じゃありませんよ。最後の第五章の、そのまた最後の節に、「小沢一郎『偽装辞任』の真意を読み解く」というのがあったんで、そこだけ読んでみました。

大連立問題も、時間が経って落ち着いて考えられるようになったんでしょう。
「小沢さんは、トロイの木馬になろうとした」「相手の懐に飛び込んで、解散総選挙に持ち込んでから,その後連立を解く、という作戦です」などと、小沢氏が連立を積極的に考えていたことを前提にして分析しています。
問題発生当初のように、小沢氏が連立をまったく考えていなかった、なんて言っていた錯乱状態からは脱したようです。よかったですね。

で、続けて読んでいくと「私が小沢氏を支持する理由」という小見出しの項があったんです。
はじめにこう書いてあります。

 「よく尋ねられることに、ここでお答えしましょう。
  なぜ私が、小沢さんを支持するのか、という疑問に。」

ほうほう、愛の真実が語られるわけね。
なんで勝谷氏が小沢氏を支持するのかわからない私は、結構興味を持ってその項を読んだんです。読んだんですが、書かれてないんですよ、それらしいことが。
どこに書いてあるんだよと、読みつづけて、結局本の最後まで読んでしまいましたが、小沢氏を支持する理由なんてどこにも書いていませんでした。
なんじゃそりゃ!? 「お答えしましょう。・・・という疑問に。」って倒置法でカッコつけたのはなんだったんだよ!?

じゃあ代わりに何が書いてあるかっていうと、政権交代がいかに重要かっていうこと、そればっかりなんです。
しかし、それって民主党を支持する理由であって、小沢氏個人を支持する理由じゃないですよね。民主党を支持するから小沢氏を支持してるってことなのか?

あーあ。これじゃまるで恋人のどこが好きかって聞かれて、家柄やら勤め先やら財産やらしか挙げられない軽薄人間の浅薄な恋愛じゃないですか。
ガッカリですよね、小沢さん。


TRUE LOVE ?



















小沢人形、作り替えました。前回分も修正しています。

manguhsai at 23:10|PermalinkComments(9)TrackBack(0)clip!

2008年01月15日

愛は盲目

昨年10月末から11月頭にかけてでしたよね、自民党との連立を巡る民主党のゴタゴタは。このことは政権交代を強く望む勝谷氏に少なからぬ動揺を与えたようです。
日本で最も信頼できる政治家として崇拝してきた小沢一郎民主党代表が、こともあろうに自民党と手を組もうとするなんて・・・もしかして裏切られたのか?
勝谷氏に訪れた心の危機でした。
しかし彼はそれを、氏特有の脳の働きで乗り切りました。

小沢氏の代表辞任会見の翌々日11月6日(火)放送の『ムーブ!』で、勝谷氏はこう言いました。

http://jp.youtube.com/watch?v=PNxJe-suKag

 「だから大連立も、小沢さん自分で言ってないんですよね。大連立という言葉
  を口にはしてない訳ですよ。政策協議をすると言ってるわけで。大連立、大
  連立って騒ぎまくっているのはマスコミのほうで、そのマスコミが許せない
  と,小沢さんは言ってるわけですよ。」

なんと! 小沢代表は連立なんて全然考えていなかった、ということにしてしまいました。

そんなバカな! 小沢代表の会見を今一度確認してみましょう。

http://jp.youtube.com/watch?v=kbNO7Mxqkn0

 「その国民皆さんの疑念を払拭するためにも,政策協議を行い,そこで我々の
  生活第一の政策が取り入れられるならば、あえて民主党が政権の一翼を担い
  、参議院選挙を通じて国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営の実績
  を示すことが、国民の理解を得て民主党政権を実現する近道であると、私は
  判断をいたしました。
  また、政権への参加は、私の悲願である政権交代可能な二大政党制の定着と
  矛盾するどころか、民主党政権実現を早めることによって、その定着を実現
  することができると考えております。」

ハッキリと言っています。 しかもかなり前向きに連立を考えています。
勝谷氏にはこの辺の言葉がまったく聞こえなかったんでしょうか?
恐るべし、勝谷脳! もはや病気か!?


勝谷氏の思考スタイルには大きな特徴があるんですね。まず自分の頭の中に思い込みがあって、その思い込みに合致する事実だけを認識するんです。あまりピッタリ合致しないものは、歪曲して合致させる。どうしても合致しない、自分の思い込みを否定してしまうような事実は、認識すらできないんです。

例えば、先に取り上げた『ニュースバカ一代』の「日本には対決を潔しとする文化があった」っていうのもそうです。少し考えれば、それに反する事実なんていくらでも見つけることができるのに、彼にはそれが思いつかない。
勝谷氏のこういう思考法は、勝谷ファンの間ではすっかりおなじみですよね。

とはいうものの、あれだけ小沢代表がハッキリ発言したことを、まったく言ってないと思いこんでいたのには、さすがのファンのみなさんもちょっとビックリなんじゃないでしょうか。

しかし、こういう脳みその持ち主が、客観的な事実認識をもっと厳しく要求される職業に就いていたら大変なことになっていたでしょうね。
もしも勝谷氏が警察官だったら、見込み捜査による冤罪事件を頻発させていたでしょうし、理系の研究職だったら、データの改ざん(無意識の!?)をやらかしていたでしょうね。
あー、勝谷氏がコラムニストでよかった(まともなコラムニストのみなさん、すみません)。
私は氏の医学部受験が失敗に終わったことを心から喜びます。

現在、小沢代表は、大阪府知事選の民主党推薦候補・熊谷貞俊氏の応援のため、11日の新テロ特措法の採決に欠席して批判を浴びています。
もしかして勝谷氏、「小沢代表は大阪には行っていない。採決に出席していた」なんて言い出すんじゃないでしょうかねぇ。


愛は盲目

manguhsai at 20:35|PermalinkComments(6)TrackBack(0)clip!

2008年01月09日

駄文のオマケ

『週刊SPA!』の『ニュースバカ一代』のページには写真が一つ大きく掲載されているんですが、その下にキャプションのような短い文章があります。
どうも勝谷氏ではなく、編集部の担当が書いているのではないかと思われます。

前回ご紹介したvol.264「大阪府知事選 の巻」には、画面を2分割して福田康夫首相と小沢一郎民主党代表のポスターが写ってる写真(小沢代表のほうが少し面積が大きいっていうのがミソか?)の下にそれがあるんですが、ちょっと面白いので、取り上げてみます。

 「小沢代表はあくまで独自候補擁立を指示しているが、どうなるか?
  国民のガチンコ志向は、格闘技がブームの陰でプロレス人気が低迷
  する点でも同じ。駆け引きや心理戦が妙味の野球よりも、
  一発のゴールで勝負が決まるサッカーに燃える人が多いのもしかり。
  形勢が一気にひっくり返るダイナミズムを国民が求めているという風潮を、
  自民党も民主党も深く自覚したほうがいいのでは?」

勝谷氏の本文も「ガチンコ勝負」対「談合」という構図になっていたので、格闘技(K−1など)とプロレスを引き合いに出すまでは、まあいいんですよ。しかしその後、サッカーと野球の比較を出すのはマズいでしょ。これじゃあ、サッカーはガチンコだけど野球は談合(八百長)って言ってるみたいじゃないですか。
字面通り受け取ると、論理がズレてしまうし、なにより野球ファンには「野球のほうが人気がない」と聞こえ、サッカーファンには「サッカーは駆け引きがない薄っぺらなスポーツ」だと聞こえます。

確かにこの論理のぶれ方と無配慮ぶりは勝谷氏にそっくりで、このコラムにはふさわしいとも言えますが、『週刊SPA!』編集部はこんなプチ駄文を書いている時間を、勝谷氏の間違った日本語を校正するのに使ってあげたらどうでしょう。

manguhsai at 17:00|PermalinkComments(3)TrackBack(0)clip!

2008年01月07日

これぞ駄文!

今回は長いです。でも分割せずに1回でやります。がんばって読んでください。


『ニュースバカ一代』は『週刊SPA!』の巻頭を飾る、800字のコラムです。勝谷氏のコラムニストとしての代表的な仕事と考えていいと思います。
『週刊SPA!』07年12月18日号掲載のvol.264「大阪府知事選 の巻」は、要約するとこんな感じでした。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 (1)大阪府知事選に橋本徹弁護士が出馬するとの情報があったが、
    結局その話はなくなった。
 (2)候補者選びは難航しているが、問題は談合・相乗りで行くのか
    ガチンコ勝負でいくのかである。
 (3)次の2点から考えて、大阪府知事選に関して
    民意は対決を望んでいることがわかる。
    1 先日の自民・民主大連立に関する朝日新聞の世論調査では、
      連立賛成が30%、反対が55%であった。
    2 先日の大阪市長選は、与野党対決となったため、
      投票率は大幅に上昇した。
 (4)そもそも日本には対決を潔しとする文化があった。
    例1 関ヶ原の合戦で勝利した徳川家康は、豊臣方の大名を
       根回しで抱き込んだため、今ひとつ人気がない。
       一方の石田三成は敗北したが、対立構造を作ったため、
       今でもそれなりに人気がある。
    例2 55年体制も、社会党という対抗勢力があったから、
       たとえそれがヤラセでも人々は認めてきた。
 (5)先の参院選での与野党逆転で、対立は本物になり、
    日本人はそれを喜んでいる。
    大阪府知事選で自民・民主が談合・相乗りするなら、
    両党ともに国民から捨てられる。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

《間違った情報》

まず(1)のところ。勝谷氏は、断定的にではないものの、橋下氏出馬は単なる噂であるとし、出馬を伝えた新聞をバカにしてこう言っています。

 「数時間を経てその噂は消え、堂々と紙面で謳っていた新聞のサイトからも
  こっそりと記事は削られていた。」

しかし、皆さんご承知の通り、橋下氏は出馬することになりました。結果的に新聞の報道が正しく、勝谷氏の物言いは間違った印象を与える格好になってしまいました。
まったく取材をしていないほうが、嘘でも取材をしているほうに負けるのは当然ですね。「こっそりと記事は削られていた」と新聞を揶揄していますが、間違った勝谷氏は、その後なんの訂正もしていません。

《間違った日本語》

(2)のところで、こう書いています。

 「問題は、それらを擁立してガチンコでいくのか、これまで同様に談合するか
  で、自民党と民主党の根性がともに据わっていないということなのである」

なんですか、この日本語。これって小学生ぐらいの子供がよくやる間違いですよね。書いている途中で何を言おうとしていたのか忘れてしまって、述部が合わなくなる、あれですね。
好意的に解釈すれば、ワープロソフトで手直ししているうちに文意が変わってしまったことに気付かず、お尻をそのままにしてしまったんでしょうね。いずれにしてもみっともない限りです。
そもそもこの人、原稿を編集者に渡す前に、読み返さないんですかねぇ。だとしたらあまりに怠慢でしょ。編集者も編集者です。ノーチェックで印刷にまわしてるんですか? あんたらもうちょっとプロとしての自覚を持って仕事しろよ。

まだ変な日本語がありますよ。(5)のところの記述。

 「人々の心の底に巣くう美学は快哉を叫んでいる。」

「巣くう」というのは悪いイメージで使う言葉です。「心に巣くう殺人願望」とかね。なんで「美学」に使うんですかね?
ここで言う「美学」は、文章全体を通して、肯定的にとらえられているもので、決して皮肉で使っているものではありません。念のため。
で、細かいようですが、「心の底に巣くう」っていうのもどうなんですか?
「心に巣くう」でいいんじゃないですか?

何回も言いますが、これが文筆家様の書く文ですか!?

《トンチンカンな例え話》

(4)の例1です。お得意の戦国時代での例え話。しかしこれが例によって無茶苦茶です。引用してみます。

 「徳川家康がいまひとつ人気がないのは、豊臣秀吉亡きあとに子飼いの大名
  たちに根回しをして抱き込んだという事実があるからだ。一方でそれをよ
  しとせずに、かなり無理やりにでも対立構造を作った石田三成は敗北し、
  かつ徳川三百年の間誹謗され続けても、いまなお人々の心に生きている。」

この辺りの歴史に詳しくない方でもご存知だと思いますが、家康は当時の政権を簒奪した側であり、一方の三成は豊臣政権を維持しようとした人です。当然対立を持ち込んだのは家康の方です。であるからこそ根回しや抱き込み工作をする必要があるわけで、対立構造を作る気がなければ、そんなことする必要はありません。
そもそもですが、家康も三成も関ヶ原の戦いという決戦の当事者です。なのに、なぜどちらかが決戦主義者でどちらかが談合主義者になってしまうんでしょうかねぇ。

勝谷氏は敵陣営に対する切り崩し工作を「談合」と考えています。で、こういう工作をする人物は人気がないと。それもまたおかしな話です。敵陣営の切り崩しという外交工作は、当時「調略」と呼ばれていて、どの戦国大名も積極的にやっていることです。
例えば、戦国時代で最も、というより日本史上で最も人気のある織田信長は、この「調略」をはじめ、外交工作を得意とした人物です。
尾張の隣国、美濃を攻略する際の決め手となった、美濃三人衆への調略は有名です。その他にも姉川の戦い朝倉攻め武田攻めなど、あらゆる場面で調略を駆使しています。
このように信長は外交工作(勝谷氏風に言うなら「談合」でしょうか)を多用しましたが、そのことで信長の人気が損なわれたなんていう話、まったく聞いたことがありません。

勝谷氏は自分のコラムの結論に沿うように歴史を恣意的に解釈して、「日本には対決を潔しとする文化があった」という妄想を書いています。
ではこれはどうでしょう。江戸城無血開城
明治新政府軍の江戸城への総攻撃は、旧幕府軍の勝海舟と新政府軍の西郷隆盛の交渉によって取り止めになりました。この決戦回避の「談合」は日本文化から見て非難に値するようなことなんでしょうか? 勝海舟も西郷隆盛も、これによって人気はいまいちなんですか?
だめ押しです。十七条憲法。「和を以て貴しとし、忤ふる(さからう)こと無きを旨とせよ。」

例1が長くなったので、例2の55年体制は割愛しますが、勝谷氏の論理に納得できる人がいるんでしょうかねぇ。
「ヤラセとわかっていたが形だけは対立していた。だから認める。」私には理解できません。

《わかりきった結論》

で、結局このコラムで勝谷氏が言いたかったことは、「みんな選挙での相乗りをいやがっている」ということでした。はい、知ってますけど・・・。そんなこと改めて言われなくても・・・。

そして嘘っぽい決め台詞です。

 「大阪府知事選でいい加減な談合をするなら、与野党は両方捨てられる
  だろう。」

どうでしょうねぇ。だって勝谷さん自身が無理でしょ。小沢一郎代表にべったりこびり付いている勝谷さんが、民主党を捨てられるとは到底思えませんよ。いくら格好良くコラムを締めくくりたいからって、自分ができないこと言っちゃダメですよ。

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『ニュースバカ一代』1回分は400字詰め原稿用紙たった2枚です。そこに勝谷氏は、間違った情報、間違った日本語、トンチンカンな例え話、わかりきった結論、嘘くさい決め台詞という駄文の要素を目一杯詰め込んでいます。
私はこれは一つの才能ではないかと思います。こんなことのできる人は、世の中にそうはいないでしょう。
勝谷さん、これからは自らを「駄文家」と称したらいかがでしょう。誰もが納得すると思いますよ。


これぞ駄文!

manguhsai at 19:35|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!